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蛍光共焦点顕微鏡の性能を確認するための新しいISO基準の内容

2015年から開催されているELMI(The annual Meeting of the European Light Microscopy Initiativeで取り上げられてきた蛍光共焦点顕微鏡に関する新しいISO規格が2019年12月に公開されました。
※ ISO 21073-2019 “Optical data of fluorescence confocal microscopes for biological imaging”
蛍光顕微鏡から得られた結果を担保するために、顕微鏡の品質を管理し性能を評価することは非常に重要です。

本サイトでは、
 (1)蛍光顕微鏡ISOにおいて制定された6つの規格
 (2)制定された規格に対する確認を簡単に行う手法
をご紹介いたします。


(1)蛍光顕微鏡ISOにおいて制定された6つの規格

新たなISO規格には、以下の6つのパラメーターの定義と測定ガイドラインが含まれており、これらの項目が蛍光顕微鏡の性能を確認するのにおいて重要なポイントになります。

  1. 分解能
  2. 明るさの均一性
  3. 色収差
  4. 照明の強さ
  5. 視野数
  6. スキャン周波数

以下にそれぞれの内容の詳細を説明します。

1.分解能

顕微鏡は年々高分解化が進み、微小なサンプルの観察が可能になっています。
その為、以下のような原因により顕微鏡の分解能が変わり、正しくサンプルのサイズを測定できていない場合があります
 
 分解能が変化する原因例
  • 対物レンズ上の汚れ
  • 対物レンズの損傷
  • 誤った液浸媒体の使用による球面収差の発生
 よって、分解能が変化していないことを定期的に確認する事が推奨されます。

2.明るさの均一性

顕微鏡の視野内における照明の明るさは均一ではありません。
そして、明るさのばらつきは、波長によっても変化します。
共焦点顕微鏡においては、一般的に最大および最小の正規化強度値の間の差が20~30%未満であることが求められますので、各蛍光波長において視野内の明るさのばらつきがどの程度あるのかを確認しておく必要があります。
(要求される値は、メーカーおよび対象のシステムによって異なります。)

3.色収差

色収差はレンズによる色の位置ずれの事です。
色の位置ずれは、同じ位置に発生している蛍光が分離しているように見える等、蛍光観察に影響を及ぼします。
よって、色の位置ずれが発生していないことを確認する必要があります。

4.照明の強さ

顕微鏡の照明はハロゲン球、LED,レーザーなど様々ですが、測定中にそれらの光強度(入力)が変化することにより、蛍光強度などの測定結果(出力)に影響を及ぼすことがあります。
よって、蛍光強度の安定性を測定する必要があります。

5.視野数

 視野数は顕微鏡で観察出来ている視野のサイズです。
 視野は対物レンズとその他の視野によって決まります。

6.スキャン周波数

スキャン周波数は測定かかる時間に影響します。
周波数が遅いとライブセルイメージングのような動くサンプルを測定する際に細かい挙動をとらえる事が出来ないため、あらかじめスキャン周波数を確認しておく必要があります。

(2)蛍光顕微鏡ISOの確認方法

通常、ISOの項目として紹介した内容を測定し顕微鏡の精度を管理する為には、項目ごとに蛍光標本や複数波長で蛍光する蛍光マーカーなど異なるツールが必要となります。
ただし、ISO策定に参画しているARGOLIGHT社が開発した、蛍光顕微鏡用の校正スライドは、最大で6項目中5項目を簡単に測定する事が可能です。

ARGOLITE社の蛍光顕微鏡用の校正スライド

ARGOLIGHT社の蛍光顕微鏡用の校正スライドは、ガラス内部に蛍光励起する2D,3Dの「蛍光パターン」が含まれているスライドです。 ユーザはスライドガラス内の励起された蛍光パターンを撮影し、専用のソフトウェアで解析する事で顕微鏡の様々な状態を把握する事が出来ます。 考慮できるISOの項目は、校正スライドの種類毎に異なるので、以下に、シリーズごとの項目対応表を示します。

ArgoliteのスライドのシリーズとISOへの対応状況

                                              
製品名 ARGO-HM ARGO-SIM ARGO-LM ARGO-POWER-HM ARGO-Check Homogeneity ARGO-Check Resolution ARGO-Check Intensity
分解能×××
均一性××
色収差××
照明パワー××××××
視野数
スキャン
周波数
×××××××

  ※〇は測定可能 △は測定可能ですが手法がISOに記載しているものと違う事を示します。
  ※ARGOSLIDEのシリーズ詳細はこちらを参照ください。

さらに、以下にISOで決められたそれぞれの項目をどのように測定する事ができるかを示します。

 

1.分解能の測定方法

ARGOSLIDEは、2線間の距離がだんだん広くなる蛍光パターンを用いて分解能を求めます。ユーザーは特定の蛍光フィルタセットでパターンの画像を撮影した結果を入力し、必要なコントラストを設定するだけで分解能が得られます。

 

追加情報(2021年4月追加):

→ソフトウェア「Daybook3」より、蛍光ビーズでPSFを測定する機能もソフトウェアに追加されました。これにより「Daybook3」ではスキャン周波数以外のISO項目をすべてカバーすることができるようになりました。

【概要】

  • ARGOSLIDEには、下図の左のように異なる間隔のパターンが並んでいます。
  • ユーザーが上記のパターンの蛍光観察をした結果を専用のソフトウェアに入力するだけで、各箇所での蛍光強度[下図の右上]と、そこからわかる各間隔毎のコントラスト(パターンあり部とパターンなし部の蛍光強度差)[下図の右下]が算出可能です。
  • 最後にユーザーが必要なコントラストを指定すると、蛍光顕微鏡の分解能が算出されます。
ARGOSLIDEによる明るさ均一分解能の測定

ISOの定義では点の蛍光パターンを観察した際の光強度分布の半値幅によって測定する手法が記載されているため、手法はISOに記載のあるものと異なりますが、分解能という要素をスライドを用いて測定する場合のアプローチとして最適です。

2.明るさの均一性

 

ARGOSLIDEには数十µm間隔で均一に光リングが配置されたパターン(リングフィールド)が描かれており、このパターンを用いて明るさの均一性を求めます。
ユーザーは、様々な蛍光フィルタセットを用いてリングフィールドを撮影した画像をツールに入力するだけで、各リングの蛍光強度から面内のバラつきをヒートマップとして取得する事が出来ます。
ヒートマップは、赤から黄色になるにつれて明るいことを示しており、ばらつきを見た目でわかりやすくとらえることができます。
ARGOSLIDEによる明るさ均一性の測定  

3.色収差

ARGOSLIDEのリングフィールドは、異なる蛍光フィルタセットを用いて撮影した2つの蛍光の画像から色収差を求めることができます。
下の左図は、蛍光試薬GFPとDAPIの画像をツールに入力するだけで、色収差の違いをヒートマップで確認する事が出来ます。
ヒートマップは緑から赤に変わるについて色収差が大きいことを表しており、見た目でわかりやすく確認できます。
また、下の右図は2種類のレンズでGFPとDAPIにおける色収差を比べた結果で、レンによっても色収差が異なる事が確認出来ます。 ARGOSLIDEによる色収差の測定

4.照明の強さ

ARGOSLIDEのパワーメータは、スライド内に取り付けられたフォトディテクターにより照明の強さを測定する事ができます。
ユーザーは、パワーメータをスライドとしてセットして、照明を当てるだけでリアルタイムに出力値を得る事が出来ます。
また、出力値は、ソフトウェア内に保存されグラフとして表示されるので、照明の強さのばらつきを確認する事も可能です。 ARGOSLIDEによる照明強さの測定

5.視野数

ARGOSLIDEのリングフィールドにおいて各パターンは等間隔に並んでいるので、見えているパターンの数から各レンズの視野数を計算する事が出来ます。

製品情報

品質管理スライド(左)とソフトウェア(右)

アルゴライト社は蛍光顕微鏡の品質管理において革新的なツール「品質管理スライド」を提供しています。

  • 品質管理スライドに埋め込まれた「蛍光パターン」の詳細
  • ソフトウェアで分析可能なパラメータ

等、具体的な情報に関心がある方は「製品シリーズTOP」をご覧ください。(下記、ボタンより遷移できます。)

製品詳細はこちら

ARGOSLIDEで出来ることに関して、より詳細にお知りになりたい方は、KLVまでお問合せください。


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