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ケイエルブイ株式会社が取り扱うPrimelite社のALE3(超高出力UV-LED光源)は、独自技術および装置の構成を工夫することにより他社のUV-LED光源にはない「波長」と「出力」を実現しました。
これにより、水銀ランプ光源からの置き換えにおいて、従来のUV-LED光源では課題となっていた「波長」と「出力」の問題をクリアしています。
> UV照射器 ALE3 製品ページ
一方で、費用面においては、水銀ランプ光源とUV-LED光源を比較した際に、光源本体の価格のみでまだ”UV-LED光源は高い”というイメージを持たれることが多くあります。 ただし、最も重要である運用全体でかかる費用(ランニングコスト)で比較していただいた場合、実はUV-LED光源の方が安くなったというお客様が多数おられます。
そこで本記事では、お客様からご質問をいただくことが多いUV-LED光源のランニングコストについて、実はUV-LED光源の方が水銀ランプ光源よりも安いという点をご紹介したいと思います。
→PrimeliteのUV-LED光源が高出力な理由
→水銀ランプをUV-LED光源に置き換える際の機能面での注意点
まずは、水銀ランプ光源とUV-LED光源のランニングコストを検討する際に考慮すべき4つの項目をご紹介します。
各項目について詳細を説明していきます。
水銀ランプに関しては従来から存在する技術であることに加えて、内部での制御が非常に簡素化されているため、UV照射器の導入費用はUV-LED光源(ALE3)よりも安価です。また、市場にはいくつかのブランドがありますが、その機能は大きく変わらず、出力は搭載する水銀ランプのW数に左右されます。
対して、UV-LED光源(ALE3)は内部に装置の複雑な制御機構と高出力のLEDのチップを内蔵しているため水銀ランプと比較すると導入費用は高額です。
水銀ランプとケイエルブイのUV-LED光源(ALE3)を比較すると、ALE3の導入には2倍ほどの費用が必要となります。
水銀ランプはUV光を透過するため石英を使用したファイバーを使用することが一般的です。主にコア径3㎜~8㎜ほどのファイバーを使用することが多く、細かい素線の集合体となっています。素線には石英を使用しているため価格は約20~30万円となります。またデメリットとして内部の素線が切れてしまうことで光出力が低下するため、運用中に交換が必要となる可能性があります。プロセスラインや装置内でファイバーを動かす必要がある場合は断線がより顕著となります。
UV-LED光源(ALE3)はファイバーに液体ライトガイドという内部に特殊な液体を重点したファイバーを採用しています。通常の使用であれば内部の液体の減衰や漏れ等の心配はなく、もちろん断線等の心配もありません。
→ライトガイドとは
→液体ライトガイド製品情報
交換費用を考える際に重要になるのは、寿命と点灯時間です。
水銀ランプの寿命は、約1000~2000時間ほどです。 また、ランプの点灯不点灯の切り替えを頻繁に行うことができないため、インラインで使用する場合は常にランプをONにし、使用しない際はシャッターで光を遮断する方法が一般的です。
対して、UV-LED光源(ALE3)の寿命は、5000時間です。 ただし、この寿命は100%の出力で使用した際に、70%ほどの出力となる時間であるため、以下のような観点で、水銀ランプと比較してLEDの交換回数は大幅に少なくなります。
UV硬化のインラインで照射時間10秒、次の硬化対象物が移動するまでの時間を30秒とします。つまり10秒ON、30秒OFFです。これを工場の駆動時間である24時間繰り返すことを想定します。
水銀ランプ24時間
ON/OFFの制御ができないため8時間がランプの消費寿命となります。
UV-LED光源(ALE3)の場合6時間
1msecのスピードでON/OFFの切り替えが可能なため10秒照射した後にLEDを30秒休ませることができます。これにより、消費寿命は実際に照射している6時間で水銀ランプの1/4となります。
出力が高いと照射時間の短縮化、光源の長寿命化につながります。
樹脂および接着剤は「必要な積算光量=照射強度×時間」が定められているため強度が強ければ強いほど照射する時間を短縮することが可能となるためです。 一般的なLED照射器は水銀ランプよりも出力が弱いものが多く、硬化に必要な時間が水銀ランプよりも長くなるため、寿命が短くなる要因になっていました。 ケイエルブイのUV-LED光源(ALE3)は、φ10㎜に照射した場合でも4000mW/cm2を実現可能です。この値は、一般的な水銀ランプの照度と同等であり、照射時間が長くなるということを懸念する必要がありません。
ここまでで挙げた4つの項目を踏まえて、水銀ランプとUV-LED光源のランニングコストのシミュレーショングラフを作成してみます。
以下が想定した条件です。
想定条件は、あくまで仮のものになりますので、実際に検討される際には、上記のような条件にあてはめて計算してください。
結果をグラフで示します。グラフのポイントは、水銀ランプの方が初期費用は安いですが、ランプの交換頻度が高いため、14ヶ月を過ぎるあたりで、UV-LED光源の方がコストが低くなるという点です。
グラフについて、少し詳しく見ていきます。
初期の費用は水銀ランプの方が安価で導入費用が安く済んでいるのがわかります。これは、UV照射器の価格が水銀ランプの方が安価なためです。
ただし、24時間駆動を使用条件とすると水銀ランプは24時間点灯のため、約2.5か月でランプの交換が必要となります。 対して、UV-LED光源(ALE3)は点灯、不点灯が可能なため1日の実質的な点灯が8時間となり、さらに寿命も長いため、UV-LED光源(ALE3)の交換頻度は33か月に1回ほどです。 そのため、約14か月経過時点で総合的な費用が逆転しました。
実際には、LED/ランプ交換の「人的コスト」も「ダウンタイム」も考慮に入れる必要があります。UV-LED光源(ALE3)は3年間でLED交換が1回であるのに対して、水銀ランプは3年間でランプ交換を14回も実施する必要があり、それ自体が管理者の負担になります。
加えて、ファイバーの経年劣化による交換を想定に入れた場合は、より水銀ランプ側のランニングコストが上がることとなります。
今回の、水銀ランプとUV-LED光源のランニングコスト比較結果をまとめると以下3点になります。
今回は、3年までをシミュレーションしましたが、この差は想定する期間を長くするほどUV-LED光源のランニングコストが安くなります。 実際には、照射時間など環境に依存しますので、お客様の環境に合わせて検討いただけますと幸いです。
超高出力のUV-LED光源(ALE3)の詳細に関しましては、是非ケイエルブイまでお問い合わせください。
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