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近年、熱で硬化する接着材に代わって、紫外線(UV光)で硬化するUV接着剤の需要が拡大しており、多種多用なUV接着剤およびUV照射器が登場しています。
本記事では、そのような中で選定したUV接着剤に適したUV照射器の選定ができるよう、接着剤などの条件から必要なUV照射器の出力を計算する方法を解説します。
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UV照射器の選び方
UV照射器に必要な出力を計算する際に使用するパラメータは以下の3つです。注意するポイントと合わせて紹介します。
積算光量は「光量」x「時間」で計算される「光量の総和」で、単位は”mJ”です。 UV接着剤は一定量以上の光を当てると硬化するので、必要な「光量の総和」が定められています。
UV接着剤の仕様には、単位面積あたりの接着剤を硬化させるために必要な積算光量”mJ/cm²”が表記されています。
UV接着剤によって主要硬化波長が定められています。これは、UV接着剤に添加してある重合開始剤が反応する波長に依存するもので、300nm〜430nmと幅があります。 本記事で計算するUV照射器で必要な光量は、接着剤で指定されている主要硬化波長付近の光の出力となります。 指定された波長以外の光は硬化にあまり寄与しないため、波長を考慮していないと硬化不足や不良につながる可能性があります。
接着剤の塗布面積は、光の照射が必要な面積として必要になります。
照射器が照射する光の総量が決まっているので、面積が広ければ広いほど単位面積あたりの光量は小さくなってしまいます。
UV照射器の照射範囲に合わせた光源レンズとワーキングディスタンスの選び方
UV光の照射にかけられる時間です。 生産プロセス内の場合はUV硬化の前後のプロセスによって照射できる時間が決まってきます。タスクタイムが短ければ短いほど生産量は高くなりますが、総出力の高い光源が必要となります。
ここからは、どのようにUV照射器の出力を計算するか、実際の例を想定してシミュレーションしていきます。 先ほど紹介した3つの項目をそれぞれ以下と想定します。
必要積算光量が1800mJ/㎝²、塗布面積が4㎝²なので、必要なそうエネルギーは1800mJ/㎝²×4=7200mJです。 このエネルギーをタスクタイムである3秒間で照射する必要があるので、1秒あたりに必要な出力は、7200mJ/3=2400mWと計算できます。
よって、今回の条件で光源を選定する場合は、波長365nmの光を2400mW以上で出力できるUV照射器を選定する必要があるということが言えます。
必要なUV照射器の出力の計算には、"必要積算光量”、”塗布面積”、”タスクタイム”が必要で、これらがわかれば、以下の式で求めることが可能です。
光源の出力 = (必要積算光量×塗布面積)/タスクタイム
ケイエルブイでは超高出力で多機能なLEDを搭載したUV照射器を取り扱っています。
計算した必要出力以上の出力を持ったUV照射器を使用すると、”照射範囲の拡大”、”タスクタイムの短縮”、”光源の長寿命化”などが可能です。
先ほどの例において、ケイエルブイのALE3(出力:12000mW)を使用する場合には、タスクタイムを3秒から1.6秒に短縮することが可能です。
デモ機のご用意がありますので、「UV硬化を試してみたい」「水銀ランプからの置き換えを考えている」という方は、ぜひ以下からデモ機の貸し出しを依頼いただければと思います。
デモ機貸し出し依頼
また、ケイエルブイでは、UV硬化に関する特設ページを設けておりますので、こちらもご活用ください。
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