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サーカディアンリズムを考慮した照明(波長可変光源)

2020.01.08 | 

1.サーカディアンリズム

「サーカディアンリズム」は約24時間周期の生体リズムで、主に光の明暗などの刺激によりリセットされます。

人間をはじめとする生物は、古来より太陽の光の下で暮らし,日の出とともに起床し日が沈むと眠りについていました。これにより、サーカディアンリズム(約24時間周期のリズム)に順応した遺伝子を持っており、睡眠・覚醒だけではなく、いろいろな生理機能がサーカディアンリズムに合わせて変動しています。
実際のサーカディアンリズムの周期は人によって異なりますが、平均的には24時間15分程度と言われており、1日の周期(24時間)と少しの"ずれ"があります。人々はこの"ずれ"を太陽の光のなどの刺激によってリセットし生活してきたと考えられています。

光を浴びない時と日中に光を浴びた時のサーカディアンリズムの違い

海外旅行等で、時差ぼけにより一次的な生体機能の障害(不眠や日中の眠気)が発生したという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。時差ぼけになるのは、サーカディアンリズムが急激な時間の変化に同調できなくなり起こるものです。時差ぼけを治すために、朝の光を浴びるというという話を聞くのは太陽の光がサーカディアンリズムをリセットする効果があるためです。

2.サーカディアンリズムと現代の生活

蛍光灯やLEDなどの人工の照明の登場により、人々のサーカディアンリズムが崩れ、睡眠・覚醒障害などが発生し始めています。

科学の発達により人間身体に受ける光はサーカディアンリズムに対応した太陽光だけではなくなりました。人間が作り出した光(照明)は白熱電球から始まり,蛍光灯,LED とその姿を変えていき、その結果照明は、より明るく,より長寿命で,より安価な方向へと進化を遂げていました。これらにより発生する2つの変化に着目したいと思います。

人が利用してきた照明の変化

1つ目の変化は、人口の光の存在により夜間においても強い光を浴びるようになり、サーカディアンリズムの位相が望ましくない方向にシフトしている可能性がある事です。
サーカディアンリズムに逆らって活動することが当たり前になっていることで、昔にはあり得なかった身体の異変が発生し始めています。これらの異変は、"サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害"と呼ばれ、「睡眠・覚醒相後退障害」、「睡眠・覚醒相前進障害」、「非24時間睡眠覚醒症候群」、「交代勤務障害」などに分けられますが、簡単にいうと、必要な時に眠ることができず、意識の集中や明瞭な思考など日常の活動が困難になる障害です。
このことから、現代の生活において、サーカディアンリズムを考慮することの重要性が高まってきているといえます。

夜間に光を浴びることによるサーカディアンリズムの乱れ

2つ目の変化は、日中浴びる光の種類が太陽光から蛍光灯やLEDなどの照明に変わったことにより、光のスペクトル(波長)が変わり、それが睡眠や精神状態に影響を与えることです。
太陽光と蛍光灯、LEDの光にどれほどの違いがあるのか、実際に撮影した日中、夕方の太陽のスペクトルと蛍光灯、LEDの光のスペクトルを取得しました。

太陽光と一般的な照明のスペクトルの違い

太陽光は、スペクトル全体でバランスよく光の強度があります。そして、1日において、日中は青色が若干強く、夕方になるにつれ赤色が強くなっていきます。一方の、蛍光灯やLEDなどの照明は人の目には、白色に見えますが、青,緑,赤の三色付近にピークがあることがわかります。そして基本的に光のスペクトルは変わりません。
人は、青い照明下では集中し、赤い照明下ではリラックスするなど光の色(スペクトル)によっても精神状態に対して与える影響が異なることが知られています。例えば、夜間に浴びる光がブルーライトであると、神経が覚醒するためサーカディアンリズムに与える影響がより大きくなり、前述した"サーカディアンリズム睡眠・覚醒障害"をより悪化させる要因の一つとなりえます。

3.サーカディアンリズムを考慮した次世代照明

次世代の照明は、スペクトルを制御し1日の太陽の光の変化までも再現できます。

波長可変光源は、複数のピーク波長の異なるLEDの出力を調整することでスペクトルを自在に制御することができる照明です。太陽光が人のサーカディアンリズムに適した光と言われていますが、波長可変光源も1日の太陽光のスペクトルを再現することで疑似的にサーカディアンリズムに適した光をオフィス内でも得ることができます。

波長可変光源(照明)による太陽光の再現

これまでの照明は明るさ、消費電力、価格に重きが置かれてきましたが、次世代の照明という観点ではこのような付加価値のある照明が求められるという可能性があるのではないでしょうか。

実際にこのような波長可変光源を用いた照明をオフィスで使用するという取り組みは始まりつつあります。特に、容易に外出ができない患者さんがいる病室や24時間体制での勤務が必要なコントロールルームなどで注目され実際の導入事例などが出てきました。今後は、通常のオフィスでも"午前中は青色中心の光で従業員の集中力を高め生産性を上げることに注力"、"午後は赤色中心の光で照明の明るさを落としてリラックスできる環境にするとともに消費電力を抑える"など1日の中で照明に変化を付けることでサーカディアンリズムを考慮しつつ様々なメリットを享受することができるのではないかと注目されています。

ケイエルブイが以下に紹介するような「波長制御可能な照明」によって、サーカディアンリズムを考慮した人にやさしい照明環境/生産性を上げるための照明環境の構築のお手伝いをさせていただきます。

サーカディアンリズムを考慮した照明をご検討の方はこちらの製品一覧を是非ご覧ください。

波長可変照明 Telelumen Octa Light Player™

波長可変照明 Telelumen Octa Light Player™

  • LEDのためウォームアップ時間無し、指定した光で即時点灯
  • ちらつき、フリッカー無し。
  • 輝度調整について、各LEDの出力レベルを上下させることで、シームレスな輝度調整が可能。

当製品は、最大2,500ルーメンの照明を提供する波長可変照明です。 波長可変とは、内蔵された8種類のLEDを個別に細かく操作することで、可視領域において狙ったスペクトル分布の光を自在に作り出すことができます。 もちろん、LEDの出力レベルをコンピュータ制御することにより、色だけではなく、輝度の調整も可能です。 色温度で指定も可能、1,500 K~20,000 Kの範囲で照明をコントロールでき、可視範囲の大部分に対応するカラーを実現します。また、時間軸での変化を持たせることも可能で、例えば窓の...

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