ハイパースペクトルカメラ HySpex Classic用途例
食品分野 | 果実の品質検査「ブルーベリーの分類・異物除去」
食品分野における品質検査の現状と課題
食品分野における品質検査は、従来より目視による検査が行われてきましたが、目視検査は主観評価となり、検査員の専門知識や経験に大きく依存する可能性があります。
主観評価による目視検査のプロセスは、検査員の労力と検査時間がかかるだけでなく、検査する食品によっては、人間の目には見えない、あるいは確実に識別するためには何年ものトレーニングを要する場合もあります。
マシンビジョン技術はこれらの問題に対処するために食品業界に急速に採用されてきていますが、それらは主にRGBイメージングに限定されており、その適用性も制限されています。
ハイパースペクトルカメラ HySpex Classic製品詳細
ハイパースペクトルイメージングによるソリューション
ハイパースペクトルイメージング(HSI)によるソリューションは、大量生産される食品分野の検査において、従来の主観評価の代替となる、非破壊でリアルタイムに客観的な情報を提供し、選別の精度と速度を向上させます。
さらに、ハイパースペクトルカメラで取得した分光データは、通常はWLA(Wet Lab Analysis)で破壊分析を行わないと取得できない化学物質の含有量の情報も提供できます。
ハイパースペクトルカメラ HySpex Classicによるブルーベリーの品質検査
ブルーベリーやその他の小さな果物は、品質パラメーターが急速に劣化する傾向があるため、取り扱いや保管に特に注意して管理しなければなりません。
このケーススタディーでは、ハイパースペクトルカメラHySpex ClassicシリーズのVNIR-1800とSWIR-384を用いて、ブルーベリーの腐敗箇所の分離が行われました。
ワーキングディスタンス(W.D.)は、カスタム設計したクローズアップレンズを用いて30cmに設定し、解像度52μm、250μmを実現しました。
動作スピードは搬送および選別システムと互換性のある高速での動作となります。
可視から近赤外の幅広い波長範囲に対応
ハイパースペクトルカメラHySpex ClassicシリーズのVNIR-1800とSWIR-384を用いることで、400~2,500 nmの可視から近赤外の幅広い波長範囲をカバーすることができます。
VNIR-1800
SWIR-384
HSI分析では、水分含有量、総可溶性固形分、アントシアニン、酸度、pH、糖度、ビタミンC等の食品分析の一般的なパラメータも含まれているため、HSIデータをWLA(Wet Lab Analysis)の結果と相関をとることにより、食品の非破壊検査の栄養パラメータに応用することが可能です。
リアルタイムに分類
ハイパースペクトルカメラで取得したデータをソフトウェアBreezeにより自動でPCA(主成分分析)を行い、腐敗した箇所をリアルタイムに分離します。
- 画像(左): RGB画像
- 画像(中央): PCA処理後のハイパースペクトル画像
- 画像(右): 分類結果。ブルーベリーの腐敗部位を赤で疑似カラー表示
上記のRGB画像では腐ったブルーベリーの部位を高速に検出するのは困難ですが、ハイパースペクトルカメラで取得した波長情報をPCA(主成分分析)することによって簡単に識別できます。
アプリケーション関連動画ブルーベリーの品質検査
食品検査の選別速度と精度の向上へ
ハイパースペクトルカメラHySpex Classicシリーズは、スペクトル分解能、空間分解能が高いため、がく片や茎の残留物のような小さな異物に関しても正確な位置特定と検出が可能となり、従来の目視による主観検査やRGBカメラによる検出方法よりも大幅な時間短縮と精度の向上が可能となります。
弊社(ケイエルブイ株式会社)は、ハイパースペクトルカメラ販売企業の先駆者として、ハイパースペクトルカメラの専門サイトやメディアサイトを立ち上げ、積極的な情報発信に努めております。
ご質問、ご相談はこちらよりお問い合わせください。
お問い合わせ
関連製品情報
ハイパースペクトルカメラ HySpex Classic
スペクトル分解能、空間分解能が高いハイパースペクトルカメラ。 可視~近赤外の幅広い波長範囲に対応。撮影条件に応じた豊富なアクセサリーも用意。
製品ページ
ソフトウエア Breeze
ハイパースペクトルカメラでスキャンした対象物の波長情報をリアルタイムに収集、分析が可能なハイパースペクトルイメージング用ソフトウエアです。
NEO社のハイパースペクトルカメラHySpexの各シリーズでご使用頂くことが可能です。
製品ページ
ハイパースペクトルカメラ HySpex Classic他の用途例