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WDM(CWDM/DWDM)の評価と最適な光源

-CWDMの波長帯域を1台でカバーする光源の紹介-

本ページでは、WDM(波長分割多重伝送)とは何かから、WDMの評価環境、そしてWDMに最適な光源までを解説していきます。

  1. WDM(波長分割多重伝送)の必要性
  2. WDMの仕組み
  3. WDMの種類
  4. WDMの評価環境
  5. WDMの評価用光源に必要な要素
  6. WDMに最適な光源製品

1.WDM(波長分割多重伝送)の必要性

現在、世界のデータ通信総量は爆発的に増加し続けており、アメリカの市場調査会社、International Data Corporation(IDC)によると、2000年の6.2エクサバイトから2020年には10000倍の59ゼタバイトになることが見込まれています。

このような、インターネット回線などの大容量高速通信の需要にともない、従来の電線を用いた通信と比較して「低損失で遠距離通信が可能」、「広帯域で大容量通信が可能」、「高速」、「軽量」などのメリットがある光ファイバー通信は、1980年代から現在にいたるまでの40年間でめざましい発展を続けてきました。

WDM_通信量増大

現在では、各国をつなぐために、地球30周分を超える海底光ファイバーが埋まっているほどです。

ただし、これほどのデータ通信量の増加にファイバーの本数を増やすことで対応するのでは、費用的にも労力的にも無理があります。そこで、1本のファイバーあたりの通信容量を増やすための技術が開発されてきました。そして、20年間で同じ1本のファイバーあたりで約2000倍もの容量の送信が可能になっています。
上記の技術の一つが、WDM(波長分割多重伝送)です。

2.WDMの仕組み

WDMは、波長チャネルを増やして、波長チャネル倍のデータを転送する方式です。
例えば、1波長チャネルあたりの伝送容量が10Gbit/sだった場合に、それを3波長にすると30Gbit/sのデータを転送できるようになります。

luxmux_WDMの仕組み

この方式(WDM)では、1本のファイバーで伝達する信号の波長を増やすことで、すでに構築されている光ファイバーケーブルネットワークを使用しつつ伝送容量を増やすことができます。

WDMの構成は、以下のように1本のファイバーの前後にマルチプレクサとディマルチプレクサを挿入したものになります。

luxmux_WDMの仕組み

異なる波長のLDを複数用いて、それぞれの信号を作り、それをマルチプレクサで合波し1本のファイバーで伝送します。そして、受信する際には、ディマルチプレクサで分派し、フォトディテクターで信号を受信します。

3.WDMの種類

WDMには、ITU-T が定めた規格として、「波長の間隔を広くとることで高いコストパフォーマンスを発揮する”CWDM”」と「波長を長距離伝送に向いた帯域に絞った”DWDM”」があります。
それぞれの特徴を以下に示します。

CWDM DWDM
特徴 低コストで
中距離用
高コストですが
遠距離も可能
チャネル毎の帯域 広い
20nm
狭い
1.6~0.4nm
使用波長帯域 広い
1270~1610nm
狭い
1525~1610nm
チャンネル数 少ない
~18
多い
~160
伝送距離 短い
~100km程度
長い
~1000km程度
コスト 安い 高い
luxmux_WDMの仕組み

CWDM

CWDMは、1271nmから1611nmを20nm毎に中心波長とする18バンドで構成されています。そして、それぞれのバンドを以下のように呼びます。



バンド名 中心波長 バンド数
Oバンド 1271~1351nm 5
Eバンド 1371~1451nm 5
Sバンド 1471~1511nm 3
Cバンド 1531~1551nm 2
Lバンド 1571~1611nm 3

この中でも、光透過率の高く伝送の損失が少ない、CバンドとLバンドがよく使われます。このCバンドLバンドに着目して、波長をより細かく細分化したのが、DWDMになります。
そして、次に伝送損失が少ないOバンド、Sバンドも対応する製品の開発が進んだことで、比較的使用されやすいバンドとなっています。
一方、Eバンドは、OH吸収波長と重なり通常のファイバーでは伝送損失が大きくなる事から、使用が難しいバンドです。近年は、伝送損失が低いファイバーも出てきていますので、Oバンド、Sバンドとともに、今後期待されるバンドになります。

DWDM

DMDMは、前述した光透過率の高いCバンド、Lバンド(1525~1610nm)を細かく波長分割して伝送します。この帯域は、アンプで増幅しやすいという事もあり、強い光を低損失で長距離伝送する用途に向いています。ただし、波長を細かく分割する分、精度が求められ、コストは高くなる傾向があります。

光の通信経路中に光スイッチを用いて、光信号と取り出したり、加えたりする技術(光分岐挿入装置(ROADM:Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer))も既存の光幹線ネットワークを再構築するという観点で注目されています。

4.WDMの評価環境

WDMで使用するファイバーや光フィルターに関しては、「欠陥の有無」や「各コンポーネント(パーツ)の光の損失(波長特性)」などを測定する必要があります。また、アンプに関しては、「増幅特性の評価」などが必要です。
WDMのコンポーネントの評価方法はいくつかありますが、ここでは、広帯域光源と光スペクトルアナライザを使用する方法を紹介します。

スペクトルアナライザは、各波長の光強度を測定し、横軸に光の波長、縦軸に光の強度をとったグラフを出力することができます。よって、下図のように、広帯域光源で光をコンポーネントに通し、スペクトルアナライザで波形を取得することで、コンポーネントであれば損失や欠陥、アンプであれば増幅特性を確認することができます。

luxmux_WDMの仕組み

5.WDMの評価用光源に必要な要素

WDMの評価用光源には、以下2つのことが求められます。

  1. 直進性とパワー
  2. 評価する波長帯をカバーするスペクトル幅

ここで、各光源の特徴を比較してみると以下のようになります。

                                   
LED SLD ASE(SLD使用) LD
方式 半導体 半導体 ファイバ増幅 半導体
構造 LDの構造 SLDの構造 LEDの構造
出力
指向性
スペクトル幅 広い 普通 普通 狭い
スペクトル
イメージ
SLDのスペクトルASEのスペクトルLEDのスペクトルLDのスペクトル
ファイバ結合
コスト

実際に、データ通信を行う時は、LDを使用しますが、LDはスペクトル幅が狭いため、WDMで使用するすべてのバンドのスペクトル幅を満たすには、多くのLDが必要になります。
一方LEDはスペクトル幅が広いですが、十分な出力が出ないことや、指向性が低くファイバー結合に向かないという問題があります。
それらの間の特性を持ち、WDMの評価に適した光源として、SLD光源やASE光源があります。SLD光源とASE光源の違いは、SLDはLDやLEDのように、半導体素子から出力された光を使用する光源、ASE光源は、それらをファイバーで増幅している光源です。よって、SLDを用いたASE光源は、SLD光源とほぼ同じ特性を持ち、高い出力を得られますが、コストが高くなります。

6.WDMに最適な光源製品

LDに対してスペクトル幅が広いといっても、通常の1つのSLD光源のスペクトル幅は数十nmなので、カバーできるバンドは、3~4バンド程度にとどまります。
そこで、BeST-SLEDでは、異なる6つの異なる波長帯のSLDを搭載することができるようにしました。

スペクトル

CWDM向けには、中心波長が1300、1390、1480、1550、1615、1680の6つのSLDを搭載すると、1265~1725nmまである程度フラットな特性を持った光源となります。

SLD

これにより、OバンドからLバンドまでのすべての評価を1つの光源で実施することが可能です。

この時、バタフライパッケージの中に搭載された複数のSLDは、それぞれとペアになったコリメートレンズ及びダイクロックミラーを用いた特許取得済みの”Spectral Stiching”技術により省スペース且つ高効率(消費電力を抑えて)でファイバーに集光されます。
また、このようにして搭載された各SLDは独立制御することができるため、お客様の評価に合わせた波長・駆動・出力を実現することが可能です。

SLD光源とは

BeST-SLEDは、電源を含むユニットの他、32pinのバタフライパッケージ単体でもご提供しております。是非お問い合わせください。

SLD光源BeST-SLEDⓇ

SLD光源BeST-SLED

BeST-SLED(SLD光源ユニット)は、32ピンのバタフライパッケージのSLD光源を搭載した光源ユニットです。
ヒートシンクや自動ファン制御による温度制御機能を有しているほか、USB/Ethernet通信にて各SLDの独立制御が可能です。

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