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1550nm帯のレーザー製品(LDやSLDなど)一覧

当社では、1550nm帯の光源や光学素子を数多く取り扱っております。

また以下のようなラインナップで揃えており、種類も豊富です。

↑すぐに1550nm帯の製品一覧を見たい方は、上記のリンクからそれぞれの製品へ飛ぶことができます。

1550nm帯の光源を使用する際、LDとSLDそれぞれの適する用途(アプリケーション)を知っておくと良いでしょう。

製品種別 LD SLD
アプリケーション Erファイバ 光通信機器(WDM)の評価
LiDAR 光コヒーレンストモグラフィー(OCT)
3D計測 FBGセンシング
半導体加工 光学部材や装置の評価

それぞれのアプリケーションについて、もう少し詳しくお話していきます。

また、「そもそもレーザーってどんなもの?」ということが気になる方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。

通信

1550nm帯の光源は"Cバンド"と呼ばれています。
Cバンドの光は、透過率が高く伝送の損失が少ないので、通信分野においては多くの場面で使用されています。

通常の伝送にはLDが使われます。LDはスペクトル幅の狭いパルスを持っているためです。
しかし、WDM(波長多重技術)関連の装置およびその評価にはSLDが使われます。

WDM(波長多重技術)とは、波長の微妙に異なるレーザーを1本のファイバに入力し、大量のデータを1度にやり取りする技術です。
これにはブロードな帯域の光が必要になるので、レーザーに近い出力と幅広い半値幅を持つSLDが有効になるというわけです。

LiDAR

LiDARとは自動運転に用いられる、光を用いたリモートセンシング技術です。
使われる光の波長は主に905nmと1550nmです。

905nmの波長帯の場合、発光効率は良いですが、生体透過性が高いため網膜へのダメージが懸念されます。
それに対し1550nmの波長帯は生体透過性が低く、光が目に入っても生体に吸収されやすいため、網膜まで光が達することを防ぐことが出来ます。

結果として1550nm帯の光は、905nm帯の光と比べてより高い出力で使うことができます。

また、LiDARの測定においてノイズとなる太陽光の影響がより少なくなるのが1550nm帯の光です。
1550nm帯の光はこれらの特徴を持つため、より遠方の情報を正確に測定することが可能です。

加工

加工用のレーザーとして、Co2レーザーやYAGレーザーなど様々なレーザーが利用されています。
その中でも比較的新しい技術として加工に使われているのがファイバーレーザーです。

Co2レーザーなど従来の加工用レーザーは、ミラーを使ってX、Y軸を調整していました。
しかしファイバーレーザーは、ファイバを照射位置へ移動させるだけで済むので取り回しがよく、レーザー効率も高くなります。

また、1550nm帯の光は金属吸収性が高いため、金属の加工にも適しています。

OCT(光干渉断層撮影)

OCTとは光の干渉性を利用して資料内部の構造を画像化する技術で、医療現場などで使われています。
これは使われる光の波長により、測定できる深度が変わります。

医療現場で使われるOCTは生体に使われます。その場合、

  • 800〜900nm...眼球
  • 1000〜1350nm...皮膚などの表面組織
  • 1550〜1800nm...血管や脳神経細胞などの深部組織

の撮影にそれぞれ使われます。

なお、1550nm以上の波長の光は水で吸収されるため、眼球など水分が含まれる部位の撮影には適していません。

OCTは深度方向の断層を広く確認するので、広帯域の光源が必要になります。
そのため、波長範囲が広いSLD光源を用いるのがいいでしょう。

FBGセンシング

FBGセンサーとは、温度やひずみ、圧力などを測るセンサーです。
光ファイバーのコア内に生成した回折格子からの反射光を観察することにより測定します。

500〜2000nmと幅広い波長が利用されており、長い波長は長距離伝搬に、広い波長は多点観測に適しています。
よって、中心波長1550nmで波長帯域が広いSLD光源は、FBGセンシングの長距離伝送に適した光源であると言えます。

製品の一覧

ここでは1550nm帯の各製品について、特徴や仕様などをご紹介いたします。

「どんな製品を選べばいいのかわからない」という方もいるかと思いますので、今回ご紹介する内容をぜひ参考にしてください。

レーザーダイオード(LD)の製品

808nm-Laser-Diode-5.jpeg

レーザーダイオードとは半導体レーザーとも言われます。
波長などの性質が同一の光が発せられるため、干渉性が高くなっているためです。

▶レーザーダイオードの詳しい特徴はこちら
▶レーザーダイオードと関連機器との構成はこちら

当社で取り扱っているレーザーダイオードは、中心波長1550nmの近赤外ファイバーレーザー。
ファイバーカップリングLDは、取り扱い中のAerodiode社製レーザーダイオード用電源で駆動できます。

特徴は以下の通りとなっております。

  • 中心波長1550nmの近赤外ファイバーレーザー
  • 4つの出力ラインアップ(10mW・40mW・100mW・400mW)
  • 1nsまでの狭いパルス幅に対応
  • 低ノイズ

ここでモデルの情報を一部抜粋しまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

技術 電力 レーザー線幅 出力ファイバ
DFB
シングルモード
10mW <2MHz 9µmシングルモード
またはSMF28
PM15-U25D
40mW <200kHz
100mW
DFB
シングルモード
ブラッググレーティング
400mW <2nm
超狭帯域ver.
DFBシングルモード
ブラッググレーティング
20mW <50kHz
40mW <50kHz

なお当社で取り扱っているレーザーダイオードの詳しい情報は、以下のページで掲載しております。
ぜひ参考にしてください。

▶1550nmレーザーダイオードの詳しい情報はこちら

レーザーダイオードの導入をご検討されている方は、お気軽に当社にお問い合わせください。
利用環境や用途などをお伺いさせていただき、最適なレーザーダイオードをご提案させていただきます。

SLD光源の製品

SLD光源とは、レーザーダイオード(LD)と発光ダイオード(LED)の特性を持った広帯域光源のこと。

LDのような位相の揃った光を発するとともに、LEDのような幅広いスペクトルを持っているため、LEDに比べて高輝度です。

SLD光源の特徴は以下の記事でも詳しくお伝えしておりますので、気になる方はぜひチェックしてください。

▶SLD光源の基本的な情報はこちら

このSLD光源について、当社で取り扱っている下記モデルをご紹介します。

  • 単一波長モデル
  • 広帯域・波長可変タイプ

単一波長モデル

SLD_1.jpg

当社で取り扱っているLUXMUX社の「Single-SLED ISB1」は、ドライバーが一体型となったSLD光源です。

USB・RS232・Ethernetのいずれかの通信インターフェースから、専用のGUIと接続可能。
周波数の変調や出力などを簡単に操作できます。

そんなSLD光源の特徴がこちら。

  • 中心波長:1300~1680nm
  • 高出力:8~30mW
  • FWHM:35~70nm
  • 低ノイズ:30dB(PMFアイソレーターを統合)
  • 専用GUIで簡単に操作可能
  • 複数の通信インターフェースで接続可能(USB・RS232・Ethernet)

また以下のオプションを追加可能。
よりお客様の要件にあったSLD光源を選択できます。

  • パワーメータの内蔵:SLD光源の光出力を確認可能
  • 偏光度(DOP):幅広い偏光度から選択可能
  • フリースペース:光源の筐体から直接ビームが得られます

当社で取り扱っている単一波長モデルの詳しい情報が気になる方は、以下のページを参考にしてください。

▶SLD光源(単一波長モデル)の詳しい情報はこちら

広帯域・波長可変タイプ

BestSLED_red.png

当社で取り扱い中のLUXMUX社「BeST-SLED®」は光通信・FBGセンシング・OCTに最適。

独自のスペクトル・スティッチング技術により、最大6個の光を高効率・低損失でシングルモード・ファイバーから出力できます。

この技術により、通信コンポーネントで使用されるCバンド・Eバンド・Lバンド・Oバンド・Sバンドを1台で網羅可能です。

また、提供ソフトウェアのGUIは使いやすく、出力・周波数の制御や温度モニタリングができます。

当社で扱っている製品の特徴は以下の通り。

  • 最大スペクトル範囲:1265~1725nm(最大バンド幅:460nm)通信コンポーネントの検査やOCTに必要な波長を網羅可能
  • 32pinバタフライパッケージに最大6個のダイオードを搭載可能
  • 高安定性でコヒーレンスノイズを抑えられる効率的な熱設計と内蔵された温度管理機能により10pm以下を達成
  • ライン幅1nm、速度50µs(20KHz)の波長掃引光源へカスタム可能
  • ソフトウェアで出力・周波数の制御可能(USB・RS-232・Ethernet通信)

ご提供できる広帯域・波長可変タイプの詳しい情報は、以下のページに記載しています。
ぜひ参考にしていただければと思います。

▶SLD光源(広帯域・波長可変タイプ)の詳しい情報はこちら

SLD光源の購入をご検討中の方は、お気軽に当社にお問い合わせください。
お客様のご希望にそったものをご提示いたします。

ファイバーカップルAOM(音響光学素子)の製品

Fiber-coupled-AOM-model2.jpg

AOM(音響光学素子)は、レーザービームの変調を行うための電子デバイス。

AOM内部の結晶に音響波とレーザーが存在することで、音響光学効果を発生。
入力した光の周波数をシフトし、出力することが可能です。

当社で取り扱っているAerodiode社製のものでは、以下の2種類をご用意しています。

  • 1030・1064nmモデル:1000nm~1090nmのレーザーに対応
  • 1550nmモデル:1520nm~1580nmのレーザーに対応

こちらの製品には、以下のような特徴がございます。

  • 高出力(最大5W)
  • 低挿入損失(1.2dB)
  • 高速パルス対応(10nsの立ち下がり立ち上がり時間)
  • 高消光比(最大50dB)
  • ソ低ノイズ・高安定
  • 出力はPMファイバーで簡単に接続が可能

また、モデルごとの仕様をいくつか抜粋しご紹介させていただきます。
※StandardとHigh Speedからお選びいただけます

モデル 1064AOM 1550AOM
Standard High speed Standard High speed
波長レンジ 1000~1090nm 1520~1580nm
RF周波数 100MHz 200MHz 80MHz 200MHz
最大平均出力 5W 3W 0.5W
ファイバー PM980 PM1550
RF入力I/F SMA SMA
RF入力抵抗 50Ω 50Ω

なお詳しい仕様につきましては、下記ページにまとめております。
ぜひ御覧ください。

▶ファイバーカップルAOMの詳しい情報はこちら

AOMを購入するか検討されている方は、ぜひ当社にお問い合わせください。
目的・用途などを踏まえ、ニーズに合ったモデルの製品をご提案いたします。

まとめ

今回は1550mn帯の光源・光学素子について、当社で取り扱っているものを簡潔にご紹介いたしました。

より詳しい情報はご紹介したページにてまとめております。
改めてリンク先を記載させていただきます。

▶1550nmレーザーダイオードの詳しい情報はこちら
▶SLD光源(単一波長モデル)の詳しい情報はこちら
▶SLD光源(広帯域・波長可変タイプ)の詳しい情報はこちら
▶ファイバーカップルAOMの詳しい情報はこちら

当社のお問い合わせフォームでは、お客様のご希望を踏まえて最適な製品をご紹介させていただきます。
少しでも興味がある方は、ぜひ当社にお問い合わせいただければと思います。

お問い合わせはこちら

最後までお読みいただきありがとうございました。