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パルスジェネレータ(pulse generator)とは、電気信号を生成する電子回路または電子機器です。 電気信号の中でも、特にパルスを生成します。
パルスジェネレータは、仕組みとして高速にオンオフする電気信号を発生させる回路のため、 電子機器や半導体レーザ(LD)の試験、タイミング制御、高速デジタル機器の動作テストなどの用途で使用されます。
使用の際は、LDなどの光源や電気機器に接続し、その機器に電気エネルギーを供給する「電源」として用いられます。 そのため、LD電源として使用することもできます。
パルスジェネレータ搭載電源をLDに接続
パルスジェネレータは、名前の通り、パルス(pulse)をジェネレイト(generate:発生させる)する機器です。 では、パルスとは具体的にどういった信号を指すのかというと「短時間に変化する信号」を指します。
例えば「矩形波パルス」は図のような形をしています。
信号の振幅が、ベースラインの値から、高い値(あるいは低い値)に変化します。 しかし、その変化は永続的なものではなく、あくまで一時的なものです。そのため、変化した信号は、再びベースラインの値に戻ります。
このような「急速かつ短時間に変化する波」をパルスと呼び表します。
パルスディレイジェネレータで生成されるパルスには矩形波を始め、様々な形があります。
パルスジェネレータが生成するパルスは、一定の周期を持った「周波数」として出力されます。
周波数(しゅうはすう 英:frequency)とは、工学、特に電気工学・電波工学や音響工学などにおいて、電気振動(電磁波や振動電流)などの現象が、単位時間(ヘルツの場合は1秒)当たりに繰り返される回数のことである。
Wikipedia「周波数」より引用(最終閲覧日:2019/9/18 )
パルスジェネレータの場合、周波数は「周期的なパルスの繰り返し率」を指します。 上述の「パルス」に周期を加えると次のようになります。
ここからはパルスジェネレータについて、2つのポイントに絞って解説いたします。
パルスジェネレータはパルスを発生させる機器である一方「電源」としての役割も果たしています。 (パルスジェネレータが「LD電源」として表現されるケースがあるのは、このためです。)
そもそも、電源とは「電気エネルギーを供給する源」です。 電源には「電圧源」と「電流源」がありますが、パルスジェネレータのほとんどは電圧源です。
電圧源(Voltage source)は、負荷の値に関わらず、一定の電圧を保ち、供給することのできる電源を指します。 現在、大半の電源(主電源、バッテリー)は電圧源としてモデル化されています。
さて、先ほどパルスについて「急速かつ短時間の信号の変化する波」と表現しましたが、実はこの「波」というのは、電圧の波──「電圧波」を指します。
そのため、パルスが生じる際は「電圧の強さ」が変わります。 これが振幅となって現れるため「振幅」は「電圧の強さ」を指しています。
つまり、パルスジェネレータは「電圧波を制御して、発生させることができる機器」といえます。 (「電流源」のパルスジェネレータもありますが、ほとんどのパルスジェネレータは電圧源です。)
パルスジェネレータは、
などを調整したパルスを生成できます。
制御できる値や、どの程度の精度でコントロールできるかは製品によって異なります。 より細かい精度でのコントロールを求めるケースでは「ディレイ」の調整も可能な新しいパルスジェネレーターが用いられています。 次は、詳細な制御が可能な新しいパルスジェネレータについての情報をご紹介いたします。
より精密な制御を求める需要から、パルスジェネレータにデジタルディレイジェネレータが付属されたデジタルディレイ/パルスジェネレータが誕生しました。
デジタルディレイジェネレータ(Digital delay generator)は、機能的にはパルスジェネレータに似ていますが、タイミング分解能は、遥かに細かく、遅延(ディレイ)とジッタは、遥かに小さくなります。 一部のメーカーは、ユニットを「デジタルディレイ/パルスジェネレータ(digital delay and pulse generators)」と呼び、遅延とパルス幅の双方の制御に加えて、各出力に独立した振幅極性とレベル制御の機能を追加しています。 現在、各チャンネルは独自の遅延、幅、および振幅制御を提供し、トリガーは外部ソースまたは内部パルスジェネレータ(汎用パルスジェネレータなど)に同期しています。
【参考】Wikipedia「Digital delay generator」(英語)(最終閲覧日:2019/9/18)
ディレイとは、入力信号に対する出力信号の「遅延」を指します。
デジタルディレイ/パルスジェネレータでは、入出力パルスを細かく制御できる点が特徴です。
制御された電圧波を生成することができるため、半導体レーザ(LD)の電源として接続し、パルス発光のタイミング制御などに用いられます。
LD電源としてのパルスジェネレータについては、こちらもご参考ください。
他にも、
などで用いられます。 このようにパルスジェネレータは、様々な用途で活用されていますが、LiDARのような、リモートセンシングや自動運転で注目を浴びている技術においても必要とされています。
弊社取り扱いの「パルスジェネレータ」と、「ディレイ」の調整も可能な「デジタルディレイ/パルスジェネレータ」をご紹介します。
双方とも、レーザー技術に高い専門性を有するALPhANOV(アルファノブ)社の製品です。
パルス幅500psからCW(連続波)の調整が可能なパルスジェネレータです。
ピーク電流1500mA、3500mA、9000mAの複数モデルをラインナップ。 ピーク電流は、USB接続のWindowsアプリケーション、アナログ信号(0~5V)、又は手動により調整できます。
当社、取り扱い製品の中でも、多くの研究者様から支持を集めている製品が「ディレイ/パルスジェネレータ Tombak」です。 こちらをご覧ください。
当製品では、出力電圧のみならず、パルス幅、ディレイ(遅延)を調整し、出力することができます。 パルス幅はナノ秒単位で、ディレイはピコ秒〜ナノ秒単位での調整が可能です。
ご購入されたい場合、お見積もりが欲しい場合はお問い合わせください。
パルスディレイジェネレータTombakはパルスジェネレータを始め、ディレイジェネレータなど、複数の機能を1台のデバイスに統合した、多機能・高精度な装置です。
パルス幅のみならず、ディレイも細かく調節できるため、高精度なタイミング分解能を持つパルスジェネレータをお求めの際にお勧めできます。
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