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KLV大学 レーザーコース

1064nmレーザー製品(レーザーダイオード、変調器など)一覧

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1064nm帯の光は、レーザーの「基本波長」と呼ばれており、加工や医療をはじめとしたあらゆる分野で活躍しています。

当社では、1064nmレーザーダイオードとその周辺製品を多数ご用意しております。
お求めの方は、以下をクリックして頂くと製品ページをすぐにご覧いただけます。

このページでは、1064nmレーザーの用途やアプリケーションを紹介するとともに、
それを実現させるための1064nmレーザーダイオード、加えて対応する変調器(AOM)から増幅器(SOA)までをご紹介しています。

※変調器や増幅器は、1064nmレーザーを含めた様々な波長の光の強度や位相を変調することができるデバイスです。

変調器について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

それぞれの特徴や構成・仕様についても解説しておりますので、1064nm帯の光源についてのお悩みを持っている方はぜひ参考にしていただけると幸いです。

また1064nmレーザーといえば代表的なものにYAGレーザーありますが、当社ではYAGレーザーの取り扱いがありませんのでご容赦ください。
YAGレーザーの取り扱いはございませんが、YAGレーザーについて詳しく解説しているコンテンツもありますので、YAGレーザーについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

「そもそもレーザーって何なの?」ということから知りたい方は以下の記事をご覧いただけると、レーザーについて全般的に知識を深めることができますので参考にしてください。

1064nmレーザーの用途やアプリケーション(aerodiode)

1064nm帯のレーザーの主な用途・アプリケーションは「加工」と「医療」ですが、以下のようにその他多くのアプリケーションにも用いられています。

  • 医療および美容
  • 加工
  • 測定(LiDAR)
  • 分析
  • その他

それぞれ詳しくお話していきます。

医療および美容

波長1064nm付近は、近赤外線領域の光であることから、皮膚組織への透過率が高いです。
そのため、波長1064nmレーザーは医療や美容の分野で広く活躍しています。

いくつかの応用例を簡単に紹介します。

脱毛

波長1064nmのレーザーは、メラニン色素(毛の黒い部分)に反応する性質を持っています。
そのため、レーザーを照射することで毛の組織を破壊することができ、結果として脱毛効果があります。

皮膚の美容治療(シミ除去など)

波長1064nmのレーザーは、その皮膚組織への透過率の高が高く、皮膚の深部までレーザーが届きます。
そのため、シミの根本となる部分や古い角質を除去することができ、これによってシワやたるみなどを改善することが可能です。

眼科治療

波長1064nmのレーザーは、眼科領域においてもしばしば使用されており、緑内障や網膜疾患の治療などに応用されています。
なお、眼科医療におけるレーザー活用のメカニズムについては、かなり専門性が高いためここでは割愛させていただきます。

血管疾患の治療

特定の波長のレーザー光を血管に照射することによって、血管を選択的に破壊することが可能です。
そうすると、血管腫や静脈瘤といったものを取り除いたり症状を軽減することができます。
波長1064nmnのNd:YAGレーザーは、血管病変に適応のあるレーザーのひとつになります。

加工

1064nm帯のレーザーは、加工分野においては特に金属加工に用いられています。
また、波長1064nmは透明なものを透過してしまうため、ガラスなどに対する加工はできないという特徴もあります。

いくつかの応用例を簡単に紹介します。

マーキングとエングレービング

波長1064nmのレーザーは、対象物の表面に永久的なマーキングや模様を付けるのに使用されます。
高い解像度と制御性を持つ事で、細かなデザインや文字を精密に刻印することができます。

マーキングとは、様々な材料の表面にレーザー光を走査させたり、マスクを使用することでマークや文字などを記載する方法です。
用途例として、ブランドロゴの印字やバーコードの生成、小さな電子部品のトレーサビリティ管理を目的としても適用されています。

波長1064nmレーザーは発色性が良いので樹脂材にも向いています。
エングレービングとは、マーキングの一種です。

材料の表面にレーザー光を当てて溶融と蒸発によって除去し、部分的に刻印を生み出す技術となります。
熱が局所的であるため、電子チップやセンサーなどにダメージを与えにくいという利点があります。

溶接/切断

波長1064nmは、金属が吸収しやすい波長になります。
そのため、少ないエネルギーでの溶接が可能です。
ただし、発熱による冷却が必要となる点には注意が必要と言えます。

溶接には、半導体レーザー溶接やハイブリット溶接といった方法があります。

半導体レーザー溶接とは、半導体レーザーの光を熱源として溶接する技術です。
コンパクトな設計が可能なため期待されています。

一方、ハイブリッド溶接とは、レーザー溶接に加えてアーク放電を利用したアーク溶接も同時に行う溶接技術です。
スポット径が小さいが故に難しかったギャップの管理にも対応可能で強度や耐性を得ることができ品質向上が期待されます。

また、切断加工においては、金属・非金属に関わらずに精密できれいに行うことができます。

    

表面処理

波長1064nmレーザーの浸透性の高さは、表面改質にも向いています。
そのため「レーザー焼き入れ」といった表面処理技術がエンジン部品などの生産に使われています。

表面処理とは、具体的には目的部品の表面を高温に加熱した後、急速に冷却する過程のことをいいます。
それによって、表面が硬くなり耐久性などが向上します。

これまでの「焼き入れ」では、冷却は主に水冷や油冷が行われてきました。
少なくとも水冷をするための循環タンクやポンプなどが必要になりますが、
レーザー焼き入れでは、自己冷却が可能で冷却に関する設備不要となり、設備管理や費用がの面で大きなメリットがあります。

3Dプリント

全ての3Dプリンターではなく、その中でも粉末材料をレーザーの熱エネルギーによって溶融させてから積層させて造形していくという方式の3Dプリンターで使われます。

粉末材料には金属が使われており、波長1064nmが金属への浸透率が良いという点が3Dプリンターに用いられている理由の一つになっています。

1064nmレーザーの励起光源は?

医療や加工でよく使われているYAGレーザーは、NdをドープしたNd:YAGレーザーです。

添加されているネオジムイオンが波長808nmで吸収が最も多いことから、808nm半導体レーザーを1064nmレーザーの励起光源、シードレーザーとして利用できます。
Nd:YVO4レーザーでも同様です。

1064nmレーザーダイオードについて(aerodiode)

ファイバーカップリングレーザーダイオード(aerodiode社製)

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当社では、Aerodiode社製の波長1064nmレーザーダイオードを取り扱っております。
以下のリンクからお求めすることができます。
>>波長1064nmレーザーダイオード製品はこちら
>>他の波長タイプのレーザーをお求めの方はこちら

特徴

本製品の特徴は次の通りです。

  • 選べる出力ラインアップ 詳細はコチラ
  • 狭いパルス幅(1nsまで)に対応
  • 低ノイズ
  • 中心波長1064nmのファイバーレーザー

実際に、出力によるモデルの違いを比較すると次のようになっており、用途によってお選びいただけます。

構成と仕様

本製品は、Aerodiode社製のレーザーダイオード用電源で駆動することができます。
当社では、その電源も取り揃えています。

Aerodiode社製のレーザーダイオードとそれに対応した電源を組み合わせることで、1nsのパルス幅のシングルショットからCWまでを制御することが可能になります。

電源のラインナップおよび電源使用時の出力について詳しく知りたい方は、以下のリンク内の仕様の項目よりご覧ください。
>>1064nmレーザーダイオード (700mW-25W)
>>LD用パルスジェネレータ搭載電源の選び方

さらに、Aerodiode社のLD用電源を使用すると、付属するソフトウェアでレーザーダイオードを制御することが可能です。
また、LabViewやPythonといったライブラリも用意しています。

ソフトウェア画面の例

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1064nmレーザーダイオード対応の変調器について(AOM)

ファイバーカップルAOM(aerodiode社製)

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当社では、Aerodiode製品の1064nmレーザーダイオードを取り扱うに伴い、
例えばレーザー光の強度を変化させたい場合などに対応できる変調器(AOM)も取り扱っております。

すぐにお求めの方は、以下のリンクからお願いします。
>>1064nmレーザーダイオード対応の変調器をお求めの方はこちら

AOMは、音波を利用してレーザー光の変調を行う素子です。
変調器について詳しく知りたい方は、以下のリンクを参考にして下さい。
>>光変調器とは?変調方式や変調器の種類と用途に応じた変調器の選び方

特徴

当社で取り扱っているAerodiode社製のファイバーカップルAOMには、1064nmレーザーに使用可能な波長1064nmモデルがあります。
その他にも近赤外域のラインナップが多数あります。

本製品の特徴は次のようになっています。

  • 高出力(最大5W)
  • 低挿入損失(1.2dB)
  • 高速パルス対応(10nsの立ち下がり立ち上がり時間)
  • 高消光比(最大50dB)
  • 低ノイズ、高安定
  • 出力はPMファイバーで簡単に接続が可能

各モデルごとにStandardモデルとHigh Speedモデルが用意されています。波長1064nmモデルにおける比較について、詳細はメーカー製品ページをご覧ください。

他の波長モデルなどもご覧になりたい場合は、以下AOMの製品リンクよりお進み下さい。
>>ファイバーカップルAOM(音響光学素子)

構成と仕様

AOMには、RF信号をAOMに入力する必要があります。
紹介したファイバーカップルAOMは、使用する際にAerodiode社が提供するRFドライバーが必要です。

RFドライバー(aerodiode社製)

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モデルは、デジタル入力に対応する「RF_AOM-T」、アナログ入力に対応する「RF_AOM-A」、両方に対応する「RF_AOM-TA」の3種類から用途にあった物をお選びいただけます。
また、それぞれにおける比較について、詳細はメーカー製品ページをご覧ください。

さらに、複雑な信号同期を行う場合はTombak(パルスジェネレーター)との組み合わせが有効となります。
こちらについて詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
>>ディレイ/パルスジェネレータ Tombak

最後に、基本的なレーザーダイオードとの構成や使い方について今一度知りたい方は、以下のリンクを参考にして下さい。
>>【図解】レーザーダイオード(LD)と関連機器との構成や使い方

1064nmレーザーダイオード対応の増幅器(SOA)について

半導体光増幅器(SOA/ aerodiode社製)

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増幅器、可変光減衰器、無損失高ダイナミックレンジ振幅変調器、または分離スイッチとして使用するためのデバイスとして半導体光増幅器(SOA)があります。

そこで当社では、Aerodiode社製の波長1064nmレーザーダイオード対応の半導体光増幅器(SOA)も取り扱っています。

すぐにお求めの方は、以下のリンクからお願いします。
>>1064nmレーザーダイオード対応の半導体光増幅器をお求めの方はこちら

特徴

1064nmレーザーダイオード対応の半導体光増幅器を含み、当社で取り扱っている製品の特徴は以下の通りとなっています。

  • PMファイバ
  • 高ゲイン(>25-35 dB)
  • 高出力 (>100 mW / 20 dBm)
  • 高消光比 : >>50 dB
  • 高速: 立ち上がり/立ち下がり時間 500 ps 以下

また、SOAのラインナップとして次の4種類をご用意しています。
そのため、お客様の用途にあった選択が可能です。

そして、すべてのモデルにおいて高ゲイン(25~35dBの範囲)、高出力(100~200mWの範囲)となっています。
さらに、入力ダイオードの安定した狭線幅を維持しながら、短いナノ秒パルスを得られます。

波形の例

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構成と仕様

当社では、Aerodiode社製のSOAはデバイス単体としてのご提供だけでなく、低ノイズCWまたは高速パルスドライバーに搭載した状態での提供も可能になっています。

ドライバーの選択は以下のラインナップより行えます。

  • 0:ドライバー無し(SOAのみ)
  • 1: CW SOA ドライバー「SOA_CW」
  • 2: Pulse / CW SOAドライバー「SOA_Std:Standard version(標準)」
  • 3: Pulse / CW SOAドライバー「SOA_HPP : High pulse performance version」
  • 4:SHAPER(Pulse SOA driver with user-design pulse shape)
  • LN:超低ノイズCWドライバー(*お問い合わせください)

ドライバーによる詳細な比較は、SOA製品のリンクより進んで頂くと表によってご確認できます。
また、製品の形態も選択可能になっています。
ラインナップは以下のようになっています。

  • 0:ドライバー無し(SOAのみ)
    • Step.1で選択したSOAモデル単体でのご提供

  • 1: OPEN-FRAME (オープンフレームでのご提供)

SOAドライバーオープンフレーム

  • 2: INTEGRATED Version (内蔵型:ターンキーバージョンでのご提供)

SOAターンキーバージョン

まとめ

今回は、波長1064nmレーザーの用途についての説明と、当社で扱っているAerodiode社製の波長1064nmレーザーダイオードおよびその周辺の光学素子や電源についてご紹介しました。

この記事に関連したページのリンクを今一度記載いたします。

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