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ニオブ酸リチウムによる電気光学効果を用いて、光ビームの強度(振幅)変調および位相変調、偏光状態を電気的に制御するのが電気光学変調器です。
ニオブ酸リチウムはニオブの酸化物である酸化ニオブとリチウムの酸化物である酸化リチウムの混合物で、外部から電圧を加えることで光ビームの屈折率を変化させる(ポッケルス効果)ことができます。
まず電気光学変調器に入射された光ビームは、ニオブ酸リチウムによってつくられた光導波路を通って2つに分けられ、うち一方は入射光と同一の波長・半分の振幅となりますが、もう一方の光には電気光学効果による変調が加えられます。
この2つの光ビームが1本の光に戻り、出射光となって射出されるわけなのですが、このときの光の組み合わせ方により光に対して任意の変調を加えることができます。
ここで、電気光学変調器であるEOMをご紹介します。
EOMlの主要な特徴は数十GHzに及ぶ帯域幅です。
電気光学変調器(EOM)を利用するにあたって、問題となる点が3つ存在しますが構成を複雑化させることによって解決できます。
以下の項目について正しく管理しましょう。
挿入損失
挿入損失のレベルは、利用するEOMのモデルによって異なります。一般的な挿入損失は4〜5dBの範囲となりますが、EOMはひとつの性能属性(消光比など)を改善することにより挿入損失に悪影響を与える可能性があります。
最大入出力電力
標準的な最大入力電力は50mW(17dBm)です。この最大入力電力は、一般的な電源から入力可能な電力となりますが、入力ファイバーに信号を送る際、CW信号のかわりにパルス信号を適用することで、この制限を克服できます。
バイアス電圧の安定性
EOMを用いて光変調をすることでバイアス電圧が不安定になる場合があります。これは適切に管理することによって、バイアス電圧の安定性を制御することが可能です。しかし、これを制御するには専用のコントローラーを用いるか、もともと制御コントローラーを内蔵しているタイプのEOMを用いる必要があります。
上記のようにEOMを利用する際は考慮すべきポイントがあるため、構成が複雑になりがちです。それを解決できるのが、 Vバイアスの制御コントローラー以外の必要デバイスが内蔵されているAerodiode社のSHAPERです。
特殊な波形を生成可能なパルスジェネレータ搭載LD用電源です。
また、1064nm〜1550nm 付近で利用可能な一般的なEOMモデルの主要なスペックは以下のとおりです。
EOMのアプリケーションとしては、光通信、分光計測、光学記録、LiDAR、シミュレーションなどがあります。
光通信では、光の強度変化によって情報を送信することができ、分光計測では非常に微小な変化も検知することができます。 また、LiDARやシミュレーションでは、光の波長や位相を制御することで、高精度な計測・シミュレーションが可能です。
EOMの利用には、専門知識が必要です。
例えば、電場による光の位相変化は、電場の周波数によって異なる位相差が生じることを意味しています。 これにより、理論的には位相と周波数がマッチすると高い変調深度が得られます。
また、利用にあたり、元の光の周波数、モード構成、偏光状態、入射光の位相などを考慮する必要があるのです。
弊社におきましては、EOMの販売だけでなく、導入の目的や用途に合わせたカスタマイズや構成についてもサポートしておりますので、ここで疑問が解決しなかった場合はぜひ気軽にお問い合わせください。
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いかがでしたでしょうか。今回はEOMについてご紹介させていただきました。
また、光変調器には様々な種類がありますので、光変調器に関する基礎知識や総合的な解説が見たい方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。
EOMは、光学技術の進歩により、今後もさらに発展が期待されています。 特に、高速・高精度計測、データ中心の様々な分野での利用が期待されることから、EOモジュレータの研究開発は今後も注目されていくことでしょう。
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