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KLV大学 レーザーコース

半導体光変調器(SOM)の原理やアプリケーション、利用方法について解説

半導体光変調器(SOM)とは、半導体光増幅器(SOA)をベースとした光変調器です。

半導体光増幅器(SOA)とは、半導体レーザーの両端面に反射防止処理をすることで共振器構造を無くし、半導体外部からの入射光に対して誘導放出による光増幅を行う半導体素子です。

ふつうSOAは、パルス駆動の半導体レーザーから入射された光に対し、CW半導体レーザードライバによって光を増幅する構造となっていますがSOMはCW駆動の半導体レーザーをSOAに入射し、GHz速度によるスイッチのオン/オフで光を変調するものです。

このようにしてつくられる光変調信号は、多くの新しいアプリケーションに対応するようにカスタマイズおよび整形することもできます。

他のソリューションと比較して、SOAを使用することには以下のような利点があります。

  • ダイナミックレンジが広い
  • 消光比が高い
  • 偏光依存性がない
  • 直接変調と比べるとスペクトルが均一である

SOMを使用すると、最大 70dB の消光比が可能です。
通常、最大入力電力は、EOMやAOMなど他の光変調器は50 mW (17 dBm) の飽和出力よりもそれほど高くありません。

SOMのダイナミックレンジは、多くの場合ダイナミックレンジが30dB以下に制限されるEOMやAOMよりも高くなります。

さらに、SOMには偏光回転依存性がありませんが、EOM と AOM は通常、偏光依存性の影響を受けやすくなっています。

ただし、SOMを利用するには以下の2つの特性に注意する必要があります。

  • 偏光ファイバーを使ったSOAでは消光比は偏光依存性がある
  • レーザー動作誘発を防ぐためにアイソレータが必要

弊社でご提供するAeroDIODEのSOMおよびSOAについてご紹介させていただきます。

超高速 ファイバー変調器 SOM Series

超高速 ファイバー変調器 SOM Series

このファイバー光変調器はオンボードのパルスジェネレーターによる内部トリガに加え、外部TTL信号をトリガとして精密パルスを発振する事が出来ます。

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750〜1700 nmで利用可能な無損失デバイスで、パルス幅が最短1.5ナノ秒までのシングルショットからCWまで対応です。

ナノ秒変調SOAパルスドライバー(半導体光増幅器用電源)SOA

ナノ秒変調SOAパルスドライバー(半導体光増幅器用電源)SOA

半導体光増幅器(SOA増幅器)をナノ秒で変調可能なパルスドライバーです。750nmから1700nmの波長範囲で高いダイナミックレンジのファイバー変調が可能で、低損失、高消光比、高偏光を実現します。

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高消光比かつ高ダイナミックレンジで、TEC温度コントローラーがついているため安定性が高いのが特徴です。

SOA(半導体光増幅器)

SOA(半導体光増幅器)

OA(半導体増幅器)は、増幅器、可変光減衰器、無損失高ダイナミックレンジ振幅変調器、または分離スイッチとして使用できるデバイスです。SOAのラインナップは4種類を用意しています。

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Aerodiode社ではSOAデバイス単体としてのご提供だけでなく、低ノイズ CW または高速パルス ドライバーに搭載した状態での提供も可能です。

半導体光変調器(SOM)のアプリケーション

SOMのアプリケーションとしては、EOMのようなGHzレベルの変調用途かつ対費用効果を求める場合です。その意味ではEOMに取って代わる製品と考えていいでしょう

半導体光変調器(SOM)の利用方法

SOMの利用方法ととしては先に挙げた通り以下の2点に注意する必要があります

・偏光ファイバーを使ったSOAでは消光比は偏光依存性がある
・レーザー動作誘発を防ぐためにアイソレータが必要


また、本来の用途である光の増幅として考える場合はASE(自然放射増幅光) を防ぐためのASEフィルタが必要となる場合があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はSOMの原理やアプリケーション、利用方法についての説明をさせていただきました。

また、光変調器には様々な種類がありますので、光変調器に関する基礎知識や総合的な解説が見たい方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。

SOMは、多くの分野で活用される有用なアルゴリズムであるため、今後ますます注目されることでしょう。

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