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レーザーダイオードは、半導体などを使って作られた回路素子を指します。
電流が流れることでレーザーが発生し、CD・DVDなどの読み込みや携帯電話での光通信など多くの分野で活用されています。
ただレーザーダイオードには、もちろん寿命があります。
もし寿命を迎えたまま使い続けてしまえば、ダイオードが正常に動かなくなりそのデバイス自体が使えなくなってしまう可能性が高いです。
この記事ではレーザーダイオードの寿命について、どのくらいの長さなのかや、寿命に関わる動作環境についてご紹介します。
さらにレーザーダイオードの用途や選び方などの情報もお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
記事を読んでいただければ、レーザーダイオードの寿命に関する疑問がすべて解決するはずです。
ぜひ参考にしてくださいね。
それでは参りましょう。
▶レーザーダイオードの製品一覧が見たい方はこちら
そもそもレーザーダイオードとは、半導体に電流を流してレーザー発振させる素子(電子部品)のこと。
半導体レーザーとも呼ばれており、LDと略されることが多いです。
レーザーダイオードはガスレーザーに比べて小型・軽量、さらに低消費電力・高効率のため、とても多くの用途に活用されています。
その用途は以下の9つに分類できるんです。
身近なところでかなり幅広く使われてるんですね。
なお似ている部品として、発光ダイオード(LED)があります。
電気から直接光を発生させている・半導体を用いた回路素子という点が、とてもよく似ているのです。
ただ大きな違いもあります。それは誘導放出があるかどうかということ。
レーザーダイオードは誘導放出によって、位相の整った光を生み出すことができるんです。
これによりLEDは位相・波長がばらついている一方で、レーザーダイオードの光は位相の揃った指向性の高い光となります。
また光の出力方向にも違いがあります。
LEDの光が扇状に広がりを持っているのに対して、レーザーダイオードはビーム状に発光するんです。
改めてレーザーダイオード(半導体レーザー)とLEDの違いを、画像でご説明します。
さてここまで、レーザーダイオードとはなにか?を簡単にご説明してきました。
それでは次に、レーザーダイオードの平均寿命をご紹介します。
レーザーダイオードの平均寿命は動作環境や波長・出力の仕様にもよりますが、10,000時間ほどと言われています。
ただ動作環境によっては、平均寿命よりも半減した時間まで劣化しやすくなることも。
ここから、レーザーダイオードの寿命に強く影響する動作環境についてご説明しますね。
レーザーダイオードの動作温度は、もっとも寿命に影響を与える可能性があります。
もし温度が10℃上昇すると、寿命が半分に減少するとも言われているんです。
さらに最大動作温度を超えたまま使ってしまえば、レーザーダイオードが劣化したり、長期的なパフォーマンスが低下したりすることもあります。
また使用温度による劣化の速度は、温度とともに上昇していきます。
信号・電源・サージなどが原因で、電気の供給元になる電源からノイズが発生することがあります。
このノイズは大きな光出力を発生させるため、レーザーダイオード内部に損傷が起こしてしまい、寿命が短くなってしまうのです。
帯電した物体同士が触れると、静電気の放電が発生します。
これは「ESD:Electro-Static Discharge」と呼ばれ、場合によっては数千Vの高電圧が発生するんです。
もしESDが起きると電子機器の内部に侵入し、突然のレーザーダイオード故障につながります。
レーザーダイオードは電流をエネルギー密度の高い光に変換し、かなり小さい発光点から出射します。
もし設計より高い光を出力してしまうと、その光によって発光点の周りが熔融してしまうことがあります。
さてここまで、レーザーダイオードの平均寿命や寿命に関わる動作環境についてご説明しました。
ぜひ参考にしてください。
動作温度対策としては、ヒートシンクなどによる放熱や、必要最小限までレーザー出力を下げることが有効になってきます。
また、少しテクニカルな話になりますが、ドライバーの方で温度上昇を抑えるための機能を搭載しているものもあります。
例えば、LD用パルスジェネレーター搭載電源(高出力タイプ)CCMには、2つのTECクーラーが付属しています。
この付属のTECクーラーは通常の複数の半導体素子(ペルチェ素子)を結合したもので、通常の単段のTECモジュールよりも高性能です。
電源ノイズを抑えるには、レーザーダイオードへの供給電源を選ぶ段階での対策が重要になります。電源を選ぶ際は、ノイズができるだけ少ない電源を使用することをオススメします。
電源アースの接続や保管・運搬時の帯電防止処理袋等の使用、ESD対策部品を使ってください。
レーザーダイオードを使用する際、一番低い電圧で使用することで、発行点の周りの溶解を防ぐことが可能です。
レーザーダイオードは、サージやノイズに大変弱いデバイスです。
特にデバイスPINへの半田付け加工は、技術者にとっても大変難しい作業になります。
交換の際は、バタフライ専用ソケットなどを用いて部品の損傷を抑えましょう。
レーザーダイオードの寿命が減り劣化していくと、レーザーの出力が低下してしまいます。
このような出力の低下が起きてしまうと、計画な測定等ができなくなってしまうため対策が必要です。
レーザーダイオード電源の中には、TDLASなどフィードバック機能があるものがあります。ものような電源を使えば、出力の低下を検知して、出力が常に一定になるよう自動で調整されるのでオススメです。
もしレーザーダイオードが寿命を迎えて故障してしまえば、新たなものを調達する必要があるかと思います。
ただレーザーダイオードの製品には、電力出力・波長など、多くのバリエーションが存在しております。
そのため自社の用途に合った、レーザーダイオードを選ぶのも大変ですよね。
そこでここからはレーザーダイオードを選ぶときのポイントをご紹介します。
選ぶ際は、以下の3点をチェックしてください。
まずレーザーダイオードの製品は、電力や波長、さらにシングル/マルチモードの特徴がそれぞれ違います。
そのため用途に合わせて波長タイプを選び、そのあとに電力とシングル/マルチモードを選びましょう!
なお電力の違いによって、レーザーダイオードを使う用途が大きく変わるわけではありません。
ただ電力や照射時間が明確に設定されているような場合は、合致する電力も正確に選ぶ必要があるんです。
またシングルモードよりマルチモードの方が、誘導放出の効果が高いです。
そのためレーザーダイオードの出力も高くなります。
レーザーダイオード電源・パッケージを選ぶ際には、電源や電力、波長といった点を確認し、用途に合った最適な組み合わせを選んでくださいね。
なおレーザーダイオードそのものの特徴などについては、以下の記事で詳しくご説明しております。
気になる方はぜひチェックしてください。
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さてここまで、レーザーダイオードの選び方をご紹介してきました。
レーザーダイオードを選ぶにあたり、ご説明した細かい部分まで正確に確認するのは、大変な作業かと思います。
もしレーザーダイオードの導入をご検討されているなら、お気軽に弊社にお問い合わせください。
利用環境・目的・用途をお伺いさせていただいた上で、最適なレーザーダイオードとレーザーダイオード電源の組み合わせをご提案させていただきます。
この記事ではレーザーダイオードの寿命についてご紹介してきました。
レーザーダイオードの寿命は、温度や静電気などの動作環境によって大きく劣化が進み、半減してしまうこともあります。
ですのでレーザーダイオードを使う際は、動作環境に注意を払っていただければと思います。
ここまで記事をお読みいただきありがとうございました。
あなたの疑問が解決できることを祈っております。
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