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KLV大学 レーザーコース

音響光学変調器(AOM)の原理やアプリケーション、利用方法について解説

電気光学変調器(EOM)がニオブ酸リチウムによる電気光学効果を利用して光を変調するのに対し、音響光学変調器(AOM)は文字どおり音響(音波)の力を利用して光を変調します。

変調器に内蔵されている結晶に対してRF(高周波)ドライバが稼働することで光に変調を加える仕組みになっており、RFの強度に応じて光が強度変調されます。

また変調速度については、立ち上がり時間/立ち下がり時間がビーム径や結晶中の音響速度に依存するため、
高速変調をするには結晶中のビーム径を小さくする必要があります。

音響光学変調器(AOM)は、380nm〜2500 nmのさまざまな波長で利用することが可能です。

また音響光学変調器(AOM)の特徴として、数ワット (場合によっては 10 W 以上) に達する電力レベルで動作するため、光強度が比較的高いことがあげられます。

ただし、スイッチング速度と挿入損失はトレードオフの関係になっており、光が音響光学変調器(AOM)の結晶内で集束されるほどスイッチングは速くなる一方、挿入損失が生じてしまいます。

AOMの構成は、主に以下の3つの構成から成り立っています。

  1. AOMコンポーネント
  2. RFドライバ
  3. スイッチング同期電子機器

機能やコストを考慮する際には、上記の3つの要素についてそれぞれ検討する必要がありますので注意してください。

変調できる周波数が高いほど、かける必要があるコストも高くなる傾向があるため、コストをできるだけ安く抑えたい場合は、低周波数を選択することをおすすめいたします。

弊社で販売を取り扱うAeroDIODEは、750nm~1750nmの良好な速度/挿入損失性能を備えたファイバーカップルAOM デバイスを提供しています。

ファイバーカップルAOM

ファイバーカップルAOM(音響光学素子)

レーザービームの変調を行うための電子デバイスです。
AOMの内部にある結晶にRF(音響波)を入力することで、音響光学効果を発生させ、入力した光の周波数をシフトして出力することが可能です。

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また、1000nm〜1500nm 付近で利用可能なAOMモデルの主要なスペックは以下のとおりです。

波長
(nm)
RF
周波数 (MHz)
最大入力電力
(W)
立ち上がり時間
(ns)
挿入損失
(dB)
1000-10901005451.5
1000-109020039.52.5
1520-1580800.5452.5
1520-15802000.59.54.5

音響光学変調器(AOM)のアプリケーション

AOMは、レーザー光を精密に操作するために使用されます。
特に、光の振動数を制御することができるため、実験での光の複雑なマニピュレーションに非常に便利です。

さらに、AOMは高速でコントロール可能な光の強度変化を実現することができるため、幅広いアプリケーションに使用されます。

例えば、AOMは光スイッチとしても使用されます。
光のパルスを制御することにより、光をON/OFFで切り替えることができるため、情報技術分野で広く利用されています。
さらにAOMは、スペクトル分析や周波数合成にも使用され、特に分光測定分野においては欠かせない素材になっています。

音響光学変調器(AOM)の利用方法

AOMを利用する際に最も重要なことは、適切な周波数条件を設定することです。

AOMは、音波が光の屈折率を変化させることによって光を曲げるため、音波の周波数によって光の周波数が変化します。
そのため、正確な周波数条件を設定することによって、精密なコントロールを実現することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はAOMについて解説させていただきました。

AOMはレーザー技術において欠かせない素材であり、多くのアプリケーションに利用されています。

また、光変調器には様々な種類がありますので、光変調器に関する基礎知識や総合的な解説が見たい方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。

これまでの技術と比較して、AOMは非常に高速でコントロールが可能であり、より高い精度で光を制御することができます。
今後も、AOMをはじめとする新しい技術の開発が続くことで、レーザー技術の進歩がさらに加速することが期待されるでしょう。

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