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蛍光観察の品質管理を劇的に改善
– アルゴライト社CEOインタビュー

蛍光顕微鏡ユーザー・施設管理者にとって、蛍光品質の管理は難しかった。
なぜなら、校正において基準となりうる蛍光ツールが存在しなかったから。

「蛍光顕微鏡の校正に、何を使っていますか?」と質問すれば、蛍光ビーズとお答え頂く方も多いと思います。
ですがお話を伺うと、その取り扱いに苦労されているようです。

蛍光ビーズのような使い捨ての蛍光物質には、

  • 冷蔵保存が必要
  • 使い捨てだが高い

といった保管運用上の懸念の声がありました。また、

  • 業界内でも度々指摘されているが、同一条件での校正を担保できない
  • 何度も行う品質検査、管理、記録作業に時間を取られる

といった声も、研究者様、施設管理者様共に苦慮されているところがあるようです。

この度、蛍光ビーズとは異なり「数年間に渡り何度でも繰り返し使える」「毎回同じ条件での校正を実現する」「冷蔵保存不要」「品質管理プロセスにおける検査時間90%を削減する」という、全ての蛍光顕微鏡ユーザーの助けとなる革新的校正ツールを提供する、アルゴライト社のCEOである、Gautier Papon(ゴーティエ パポン)氏にお話をお伺いしました。

アルゴライトスライドを研究・制作を開始したきっかけは?

Papon氏:きっかけは、実は当社からではなく、ユーザーから起こったものでした。もともと当社はガラスのパターンの誘発や、線を引く技術を研究していました。そこからコア施設、つまりコア・イメージング施設に行き、当社の研究のためのイメージを作成していました。その際、施設の技術者が「顕微鏡の品質をチェックするのに大変役立つ」と、その製品を気に入ったことがきっかけです。初め、当社が作ったのは製品ではなく、技術者の為のガラスだったのです。

アルゴライト社CEO

それから1、2か月後に彼が私たちの元に来て、「貴社のガラスのことを他のコア施設プラットフォームの同僚に話しました。するとみんなが、自分の為に一つ欲しいと言っているのです。」と聞きました。そこで私は、「何かビジネスができるかもしれない」と閃いたのです。こうして、当社の技術を再利用して蛍光システムの品質をチェック・監視するスライドを制作する案が生まれました。

製品紹介

アルゴライトスライドは、蛍光顕微鏡等の校正シーンにおける「蛍光ビーズ」に代わる製品です。
通常蛍光ビーズを使った校正では、スライドガラスの上に冷蔵庫から取り出した蛍光ビーズを毎回手で配置し、蛍光観察を行いながら校正作業を行い、記録を取り、完了したら廃棄することになりますが、これは非常に手間であり、また校正自体の品質を安定させることが非常に難しいという課題がありました。

アルゴライトスライド

アルゴライトスライドを用いると、スライドガラスを蛍光顕微鏡にセットすれば、即校正が開始出来ます。蛍光物質が特殊技術により、スライドガラス内部に組み込まれているからです。
数年間繰り返し用いることができ、安定した蛍光を維持します。しかも冷蔵保存不要。
さらに、専用のソフトウェアソリューション「Daybook」を用いると、検査時間を圧倒的に短縮出来ます。

顕微鏡 ソフトウェア

スライドの制作を開始する前に、必要な技術が既にあったのですね?

アルゴライト社CEO

Papon氏:はい、その通りです。私は物理学の出身で、光物理学でPh.D.を取得しました。当社は、持続性の高い器具設備や器具媒体を制作するためにデザインするという技術に取り組んでいました。例えば、何世紀も使用することのできるブルーレイなどです。ここから、この技術が生まれました。アルゴライトスライドは、何というか、嬉しい偶然だったのです。最初は、他のアプリケーションに取り組んでいたのですが、結果的に、アルゴライトスライドのアプリケーションが先に生まれました。他のアプリケーションについてはまだ開発段階です。しかし、それはもう私たちのメインの目標ではなくなりました。

あなたが会社を始める前の背景を教えていただけますか?

Papon氏:私は物理学者でした。初めに、科学ビジネスでマスターを取り、光物理学でPh.D.の道に進みました。それ以降、光・物質相互作用、特にナノスケールにおけるレーザーとガラスの相互作用を専門分野にしてきました。
私の所属していた機関は、ナノスケールにおけるレーザーとガラスについてのものでした。
ナノ光学、ナノ・フォトニクスと言われるもので、これが私の専門分野となり、Ph.D.取得の直後、アルゴライトを共同創業者のArnaudとともに立ち上げました。

あなたの街についてお話いただけますか?

フランス南西の町ボルドー

Papon氏:ボルドーは大西洋近くのフランスの南西の町で、特産物はワインとワイン酒造です。そして第2の特産物は、それほど知られていませんが、実はレーザー物理学なのです。フランスとヨーロッパの最大のレーザー企業はボルドーにあります。大学もレーザー科学で非常に有名です。私がボルドーでPh.D.を取得したのも、それが大きな理由です。
世界一のフェムトセカンドレーザー企業である「Amplitude Systems」という会社があるのですが、彼らは、1年に何億もの売上を上げています。当社のボルドーのオフィスの、ちょうど目の前にあります。
私が知る限り、レーザーを製造している会社は2~5社あり、光学系の部品を製造する会社は沢山あります。

アルゴライトスライドのターゲット市場や顧客は?

Papon氏:ターゲットは3つあります。第一のターゲットは、蛍光システム管理者です。顕微鏡など、いくつかのシステムを管理する人物です。第二のターゲットは、ニコンやオリンパスなど、蛍光システムのメーカーや顕微鏡メーカー、またスライドスキャナーのメーカーやリーダーのメーカーなど、当社が対象にしている製品のメーカーです。第三のターゲットは、現在フランスには多くありますが、「Diagnostics」市場です。蛍光体を使用している「Diagnostics」システムに、さらなる品質をもたらすのが当社の目標です。

顕微鏡の校正は、研究者が良い結果を残すために非常に重要だと思われます。しかし、現在はまだ確立されていない分野だと思います。貴社がこの点に重点を置くのはなぜですか?

Papon氏:長い間、蛍光体の基準となる優れた機器が存在しなかったため、優れた品質管理の戦略が無い状況でした。例えば分光法には、優れた品質管理を有する基準がありました。しかし蛍光体については、品質管理を行うツールがありませんでした。そこで、これは挑戦すべき課題だと思ったのです。とても大きな市場で、たくさんの顕微鏡があるからです。また、顕微鏡市場は成熟していると同時に進化のある市場です。蛍光体の品質管理ツールは、オミックス科学と呼ばれるゲノム科学やプロテオーム解析等、すべての科学に関わります。私は流動学に関するデータを入力しようと思いましたが、このような科学的測定を行うためには大量のデータが必要です。データは品質が良く同等の基準のものである必要があります。 この流れは当社のレベルにはとても良い市場だと思われます。

御社の製品と、顕微鏡を校正する既存のシステムの違いは何ですか?

Papon氏:現在では、多くのソリューションがあり、それぞれのソリューションは顕微鏡のある特定の部分に対し非常に優れた働きをします。アルゴライトスライドの概念は、一つのツールに対する場合だとそれほど優れてはいませんが、全てのツールに対しては、十分な働きをします。今日の蛍光システムの品質管理の問題は、システムをチェックしたい場合、測定したい仕様のリストを作成しなければならないことです。各仕様に対して、一つのツールが必要であり、そのツールの使用法を学ばなければなりません。そのツールからデータをプロセスする必要があり、そのツールがレポートを行います。また、毎回、異なるツールでそれぞれの仕様に対して行わなければなりません。よって、二つのことが求められます。一つは多くの時間が必要だということ。そしてもう一つは、非常に優れた人材が必要であるということです。これはユーザーにとっては難しい条件です。アルゴライトのコンセプトは、顕微鏡の多くの機能に対して使用できるツールが一つあれば良いということ。一人のユーザーが、少ない時間で顕微鏡のほぼ全ての部分の試験を行うことができるのです。さらに測定を行う場合や、精密な測定を行う場合は専門家に依頼することができます。専門家を呼べば、非常に複雑な測定を行ってくれます。アルゴライトは、迅速にシステムのチェックを行うことができます。これが既存のソリューションとの大きな違いです。

御社のスライドはなぜ持続性が高いのですか?

アルゴライト社CEO

Papon氏:他のソリューションと比較した場合、当社は有機蛍光を使用していません。ほとんどの実際のツールは有機蛍光を使用しています。プロテインやその他の蛍光です。しかしアルゴライトの場合、その技術や製品の特徴は、蛍光体であるガラスそのものなのです。当社が発明したのはガラス蛍光体を非常に小規模な場所で製造する方法です。プロセスが完了すると、蛍光箇所のあるガラスができますが、それはガラス全体のままであり、非常に安定しています。無機物であり有機物ではないので、無機蛍光なのです。無機蛍光体は非常に持続性が高いという特徴があります。

貴社の製品であるスライドまたはソフトウェアには多くの特徴がありますが、製品を開発する際に難しい点は何でしたか?

Papon氏:はい、その通りです。ご存知の通り、ハードウェアは改善に時間がかかります。多くの研究と開発、そして技術が必要です。対してソフトウェアは相互関係によるものが多いです。顧客からフィードバックを受け、変更を行い、新しいバージョンを生み出しています。当社では、ここ最近ソリューションの改善に時間を費やしています。

では、常にアップグレードされているのですか?

Papon氏:はい、その通りです。ご存知の通り、ハードウェアは改善に時間がかかります。多くの研究と開発、そして技術が必要です。対してソフトウェアは相互関係によるものが多いです。顧客からフィードバックを受け、変更を行い、新しいバージョンを生み出しています。当社では、ここ最近ソリューションの改善に時間を費やしています。

御社のスライドは顕微鏡を正しく校正できる世界にひとつだけの製品だと思われますが、顧客にとっての、御社の製品を使用するメリットを教えてください。

アルゴライト社CEO

Papon氏:顧客にとっての大きなメリットは、システムが正常に動いているかを確実に確認できるという点です。
言葉で言うと簡単に思えますが、顕微鏡にサンプルを置いて、異常な結果が出たとしましょう。その場合、それが顕微鏡によるものか、サンプルによるものかが分かりません。どちらかを判断するのは非常に難しいのです。
これに対し、初めにアルゴライトスライドをシステムに導入することで、数分でシステムが正常に動いているか確認することができるのが当社の大きなメリットの一つです。 そしてこの点は、更に付加価値を得ることができます。

当社のスライドは、新しいシステムを使用する際、初日にその品質をチェックすることができます。例えば毎週チェックを行うと、システムが安定して動作しているか測定することができます。アフターサービスの契約がある場合、アフターサービスに連絡をして「システムが以前のように動作しません。修理をお願いします。」と言うことができます。
これは非常に重要なポイントです。常に同じ品質の結果を得るためにシステムを管理するには多くの費用が掛かりますが、当社のスライドは正常かどうかを簡単に調べることができるのです。

顧客にとって、顕微鏡を信用することができるという点はとても大きなメリットになります。顕微鏡を製造している人や企業にとって、顧客満足度は非常に重要です。
顕微鏡の製造者であれば、顧客を満足させたいと思うでしょう。当社の技術を使用すれば、顧客に対し、ある仕様で販売し、その日に納品することができます。顕微鏡の場合、それを組み立てることができるからです。 「当社のシステムを購入されれば、解像度や安定性を保証します。
アルゴライトスライドがあるので、お伝えした仕様書通りにシステムが動作することを証明することができます。」と言えます。そして、それにより、長期に渡りこの仕様を保証することができます。すべては顧客満足度なのです。製品を実際販売する際に、顧客に約束できることが大事なのです。顧客が製品を受け取った際に、自分自身で仕様を測定できれば、製品に満足してもらえます。
そして、それは製品の保証期間中、ずっと維持できるのです。

3つのメリット

1

システムが正常に動いているかを確実に確認できる

2

品質維持のコストや手間を大幅に削減できる

3

蛍光顕微鏡販売後のアフターサービスを受ける側も、する側も効率化出来る

世界には沢山の種類の顕微鏡があります。アルゴライトスライドは全ての顕微鏡に使用できますか?

Papon氏:アルゴライトスライドは蛍光顕微鏡用に設計されていますので、共焦点 、Wide Field、Strip Chart、Imaging System、SEMの顕微鏡などほぼ全ての顕微鏡に使用可能です。Zeissからの新しい製品、Airyscanにも対応可能です。唯一使用できないのは、STED、PALM、STORMなどの抑制を行うイメージング技術です。これらの技術は、解像度を上げるためにブリーチングを使用するからです。例えば、STED顕微鏡はリング型の光を使って解像度を小さくします。アルゴライトスライドはブリーチングを行わないため、このシステムを再利用することはできません。しかし、当社がSTED、PALM、STORMの顕微鏡に対応しなくても、これらのシステムは、実はSTED、PALM、STORMのモジュールを使った共焦点システムなのです。ですから、モジュールは校正できませんが、共焦点システムの校正を行うことは可能です。

導入実績を教えていただけますか?

Papon氏:そうですね、当社では、Novartis、Roche、Sanofiといったヨーロッパの大手の製薬会社と取引があります。NASAとも取引があります。スライドを国際宇宙ステーションに送っています。Zeiss、Leicaとは非常に良い関係を保っています。 売上については、アルゴライトを立ち上げてからの5年間、毎年売上を倍に増やしています。

御社の製品を使用した後の顧客のコメントをお話いただけますか?

Papon氏:過去の顧客は、ほぼ全てがコア施設の管理者だったため、スライドに大変満足している、というものでした。朝には全てのシステムをチェックできとても便利というのが理由です。
ご存知の通り、コア施設の管理者は、たくさんのシステムを管理しなければならないため、毎日、システムについて多くの顧客に対応しています。
彼らが話してくれたのは、問題があると、ユーザーは常に顕微鏡の問題だと言うそうです。 顕微鏡が正常に機能しており、ユーザーのサンプルに問題があることを実際に示すことができるため、大変喜ばれています。機器が正常に動いていることを示すことができるツールがあるので、ユーザーと敵対することもなく、時間の短縮にもなります。
単純に、彼らとユーザーの間の衝突を避けることができるのです。これが、我々が受ける主なフィードバックです。顧客はとても満足しています。また、当社のスライドを使用してよりよいアフターサービスを受けることができたこともあります。当社のスライドを使用して実際にデータをアフターサービスに送り、「ソフトウェアが動作していません。データがあるので来てください。」と連絡ができます。アフターサービスはデータがあるので、訪問し、問題がある場所を特定することができます。これはとても良いフィードバックです。現場での時間を短縮でき、到着した際に、より効率的に作業ができるため、ユーザーもアフターサービスの作業員も気に入っています。

アフターサービスの作業員が、結果を見て修理すべき箇所がわかるのですか?

Papon氏:そうです。私たちはフランスのZeissと仕事をしているのですが、スライドを使用する前は、必要のない顧客訪問をたくさん行っていたそうです。顧客が電話し、彼らが訪問しても、「機器は正常だが、オイルなど何か問題がある、または設定がきちんとされていない部分がある。」などと言うしかありませんでした。
現在では「ブックレットの手順No.42を行ってください、データを送ってください。」と電話対応で済ませることができるようになりました。設定の問題や、ユーザーが自身で簡単に修正することのできる問題が多いので、30~40%の時間で、電話により問題解決を行うことができるのです。
アフターサービスにかかるコストが軽減され、必要のない訪問を行うことがなくなり、また顧客訪問の時間も短縮することができ、到着した時点で既にデータがあるという様々な理由から、顧客はとても満足しています。
どの箇所に問題があるかがわかるのではなく、どのような問題があるかという予測がつくことで、機器の予備部品を持って行くことができます。

今後、ケイエルブイに期待することは?

アルゴライト社CEO

Papon氏:ケイエルブイの存在を喜ばしく思います。日本は長い間、光学分野において非常に重要な市場となっています。また、当社はヨーロッパを拠点としており、ユーザーが当社に問い合わせを行うのは時間もかかり難しいため、日本の顧客にとって日本での問い合わせ先があることはとても良いことです。言語の壁や時差もあるため、我々が顧客と良い関係を築くのはとても難しいのです。ケイエルブイに望むことは、ともに日本市場を育て、日本の顧客が国内で優れたアフターサービスや説明を受けられるよう、問い合わせ先としてのパートナーとなっていただくことです。

わかりました、努力します。

Papon氏:もちろんです。信頼しています。

アルゴライト社CEO

本日は誠にありがとうございました。

使用イメージ

  1. スライドを顕微鏡の試料台の上に置きます
  2. 低倍率の対物レンズを選択します(10倍等)
  3. 接眼レンズをのぞきながら焦点を合わせます
  4. 対物レンズを選択します
  5. 目的のパターンを観察するためにスライドを動かします
  6. パターンの画像を取得して保存します
  7. Daybookソフトウェアで画像を分析します
  8. 結果を確認してデータを保存します

詳しいデモンストレーションは、動画にてご用意しております。

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