過酷な環境にも対応した光ファイバー音響センサー
PhonOptics社のマイクロフォンは、特許取得済みセンサーテクノロジーと光ファイバーにより、高温、高圧力、高湿度、電磁干渉(EMI/RFI)高磁場、放射線など、過酷な環境にも耐えられます。
これにより、他社製のマイクロフォンでは近づけることができなかった、高温、電磁波が発生する場所(タービンの予備保守など)での使用が可能です。
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お問い合わせ2023.09.22 | 光ファイバー音響センサー・動圧センサー
溶接加工技術は、自動車、船舶、航空機、機械部品等、産業分野の様々な製造加工に用いられています。
主要な溶接方法として広範囲に用いられているアーク溶接法は、溶接ロボットや自動溶接機等、今後ますます自動化が進む製造工場においても製造工程において重要な役割を担っています。
アーク溶接時に発生する品質欠陥は、溶接箇所の外観や強度、気密性、油蜜性、延性等の性能・品質だけでなく、製品の生産性や効率にも影響を及ぼすため、溶接工程において欠陥を検出・検査することが重要です。
アーク溶接時に発生する欠陥には溶接表面に発生する「表面欠陥」と、溶接内部に発生する「内部欠陥」があり、欠陥の種類や検査項目によって様々な検査が行われています。
アーク溶接の一種である「マグ溶接」や「ミグ溶接」の時に発生する内部欠陥である「気孔(ブローホール)」は、放射線透過試験(RT)による非破壊検査が行われますが、インプロセスでの検査を行うことができないため、インプロセスで行える「音響センサーを用いた非破壊検査」に注目が集まっています。
「音響センサーを用いた非破壊検査」では、様々なアーク溶接の変化を音によって検出可能であることが確認されています。
音響センサー使用した検査において、SN比は検査精度に影響する重要な要素となります。
トーチ移動装置やシールドガス噴射音などのノイズはアーク溶接の音圧レベルと20dB以上の差があるため、SN比が問題になることはあまりありませんが、アーク溶接時に発生する熱、光、電磁気ノイズなどはセンサーのSN比を悪化させる要因になるため、実用面での課題となっています。
アーク溶接時に発生する熱、光、電磁気ノイズなどによる影響を考慮できるセンサーとして光ファイバー音響センサーが有効です。光ファイバー音響センサーは光を使用するため、電磁気ノイズを一切受けない他、高温にも耐えられるので、センサーをアーク溶接箇所に近づけて測定することが可能となり、高いSN比を実現することができます。
PhonOptics社のマイクロフォンは、特許取得済みセンサーテクノロジーと光ファイバーにより、高温、高圧力、高湿度、電磁干渉(EMI/RFI)高磁場、放射線など、過酷な環境にも耐えられます。
これにより、他社製のマイクロフォンでは近づけることができなかった、高温、電磁波が発生する場所(タービンの予備保守など)での使用が可能です。
フランスの溶接研究所で実施されたPhonOptics社製 光ファイバー音響センサーを用いたアーク溶接の品質検査の測定例をご紹介いたします。
写真のような形で溶接ロボットに光ファイバー音響センサーを直接設置し、至近距離から集音します。
光ファイバーのセンサーのため、アーク溶接のような高周波・高温環境でも使用ができ、極力まで近づけて集音ができます。
アーク溶接ロボットに設置した光ファイバーにより集音したアーク溶接時の音波の波形を以下に示します。通常の状態(Couche28:青)とアーク溶接時の品質欠陥であるブローホールが発生した多孔性の状態の測定結果(Couche29、Couche30)になります。
この3つの測定結果をFFT解析を行い比較すると、青(グラフ Couche28) で示された通常の状態と、赤(グラフCouche 29)、橙(グラフ Couche 30)で示された溶接欠陥のブローホールが発生している多孔性の状態では違いがあることが確認できます。
アーク溶接ロボットに取り付けた光ファイバー音響センサーで溶接工程の集音モニタリングを行いました。
溶接ワイヤが溶融池(モルテンプール)に付着したことによる音波の波形の変化を確認できました。
(上記測定データの矢印部分(1:10付近))
上記測定データより、矢印で示した箇所で音波の変化を捉えており、集音モニタリングを行うことで、溶接不良による異音を検知していることが確認できました。
PhonOptics社では今回の測定事例以外にもフランスの溶接研究所において同社のファイバーセンサーを用いた溶接の品質管理に関する分析・研究を行っています。
溶接ロボット等、通常のセンサーでは取付が困難な、高温、電磁波ノイズの発生する過酷な環境下においても使用可能な光ファイバー音響センサーによる異音検知を行うことで、インプロセスでの溶接の品質管理(溶接欠陥や異常のチェック)を非破壊で行うことが可能となります。
また、インプロセスでの非破壊検査は、品質不良や溶接時の異常の早期発見にも繋がります。
~研究・分析用からOEM用まで~ 用途に適した製品をラインナップ
PhonOptics社は光センシング技術により、通常のセンサーや人が入ることができないような過酷な環境下(高温、高圧、強磁場等)にも耐えられる光ファイバーセンサー(音響、動圧、振動等)を取り揃えております。
光ファイバーセンサーの駆動に必要なコンバーター(調節器)は、分析・評価用に適したモデルから、装置組み込み、OEMに適した小型・低価格なモデルまで用意しております。
分析・研究用途向け:FOS1
広帯域で幅広い測定に使用可能。SLED光源を内蔵、USB出力、BNC/SMA出力など様々な出力方式に対応した研究・評価用に適したモデル。
装置への組み込み、OEM向け:μMyotis
装置への組み込みに適した小型・低価格モデルのコンバーター。LED光源、フォトダイオード、コントローラー内蔵。カスタム対応も可能です。
各製品の詳細はカタログをご覧ください。
製品カタログダウンロードはこちらPhonOptics社は高いセンシング技術により厳しい環境下で使用可能な新しい測定ソリューションを開発・提供しています。
過酷環境でのセンシングや異常検知でお困りのことがあればご相談ください。
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