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インラインセンサーとは?
基本から最新トレンドまで解説!

2023.10.16 | 

この記事では、インラインセンサーの基本的な知識から、その利点、アプリケーション、選定のポイント、そして最新の技術トレンドを詳しく解説します。

インラインセンサーとは?

インラインセンサーは、センサーが測定対象に直接接触して計測するセンサーです。インラインセンサーを活用した手法はインライン分析と呼ばれ、検出、分析、記録、転送、モニタリングが連続して行われます。インラインセンサーは、サンプリングなしで製造プロセスに直接配置できるため、製造プロセスの分析とモニタリングに最も適してます。

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オンライン分析・オフライン分析との違い
インライン分析・オンライン分析・オフライン分析との違い

プロセスのサンプリングやモニタリングの手法には、インラインセンサーを活用するインライン分析のほかに、オンライン分析とオフライン分析があります。

オンライン分析

オンライン分析は、常に自動サンプリングと分析が実行される方法です。サンプリング機器、センサ、およびプロセス分析機器は、測定対象の近くに配置されます。この方法は、化学組成のように、組成の急速な変更または継続的な監視を必要とする組成に使用されます。

オフライン分析

オフライン分析では、分析のためにサンプル(分析試料)が採取され、関連するセンサと分析機器が設置されている研究所(ラボ)や試験所などに運ばれます。そして、これらの輸送されたサンプルは、これらの機器によって分析されます。この方式は、時間がかかる精密分析や、少量のサンプルから複数の成分を分析するために使用されます。

引用:「横河電機株式会社:センサの種類」(最終閲覧日:2023/9/27)

インラインセンサーの利点

インラインセンサーの技術が急速に普及している背景には、多くの利点があります。その主な利点を解説します。

リアルタイムでの測定

その他のセンサー技術とは異なり、インラインセンサーはプロセスの途中でリアルタイムにデータを取得することができます。これにより、製造や研究の進行中に問題や異常が発生した場合、即時に対応することができます。プロセスの途中で計測ができることで、サンプリングやそのための作業による測定や検出のバラつきを抑え、現場のリアルな変化だけを捉えることが可能です。また、リアルタイムのデータ収集により、プロセスの最適化に対するフィードバックを得ることができます。

前処理が不要

インラインセンサーは測定対象物に直接センサーが接しているため、サンプルの調製や前処理が不要です。これにより、分析時間が短縮されるだけではなく、手順が減ることによる人的な操作ミスが減少します。さらに、サンプルの損失が少ないことや前処理に必要な試薬や器具だけではなく、実際にサンプルの調製や前処理作業をする人員も不要なため、人的リソースやコストの削減にもつながります。

非破壊的な分析

多くのインラインセンサーは非接触での測定が可能であり、対象物を破壊することなく分析することができます。これにより、製品や試料の品質を維持しながら、繰り返し測定を行うことができます。特に、高価な試料や製品に対して、非破壊的な分析が可能なことは大きな利点となります。

継続的なモニタリング

インラインセンサーは、プロセスの始まりから終わりまで、連続的にデータを取得することができます。これにより、製造や研究の各ステップにおけるデータの変動やトレンドを把握することができます。継続的なモニタリングにより、品質の変動やプロセスの不安定性を早期に検出し、それに対して対策することができます。

インラインセンサーのアプリケーション

インラインセンサーの技術は、さまざまな産業分野で活用されています。主なアプリケーションとその特徴について解説します。

化学・製薬業界

化学や製薬業界では、製品の品質や安全性を確保するための厳格な基準が求められています。インラインセンサーは、生産プロセスの各ステップにおける品質の変動や異物混入をリアルタイムで検出することができます。これにより、製品の品質や安全性を維持しながら、生産の効率化やコスト削減を実現することができます。

化学・製薬業界でのインラインセンサーのアプリケーション

食品・飲料業界

食品や飲料の製造プロセスにおいても、インラインセンサーの技術が積極的に導入されています。原材料の品質や製品の成分、色調、味、香りなどの変動をリアルタイムでモニタリングすることにより、製品の品質や味の一貫性を確保することができます。また、外部からの異物混入や微生物の検出も、インラインセンサーにより迅速に行うことができます。

食品・飲料業界でのインラインセンサーのアプリケーション

産業廃棄物処理業界

環境問題としてのプラスチック廃棄物の増加問題に対応するため、リサイクル施設では高度なプラスチックの選別技術が求められ、特にインラインセンサー技術が注目されています。インラインセンサーは、プラスチックの種類や成分を瞬時に識別し、リアルタイムでの選別を可能にします。現場での迅速な識別に適しており、さまざまなプラスチック材料の確認に利用されています。また、高い分光分解能を持つセンサーは、組み込み用途やライン上での連続的な選別作業に適しています。これらの技術の導入により、リサイクルプロセスの効率化が進み、より質の高いリサイクルプラスチックの生産が期待されています。

産業廃棄物処理業界でのインラインセンサーのアプリケーション

水処理・環境業界

水処理施設や浄水場では、水質の変動や有害物質の混入をリアルタイムで検出することが求められます。インラインセンサーは、水中の化学物質や生物の濃度、pH値、濁度などのパラメータを連続的にモニタリングすることができます。これにより、水質の異常や汚染の早期発見、そして迅速な対応が可能となります。
また、環境モニタリングの分野においても、インラインセンサーの技術は大きな役割を果たしています。大気中の有害物質や温室効果ガスの濃度、土壌の汚染度など、さまざまな環境パラメータをリアルタイムで監視することにより、環境の変動や汚染の状況を正確に把握することができます。

水処理・環境業界でのインラインセンサーのアプリケーション

インラインセンサーの選定ポイント

正しいセンサーの選定は事業の成功のポイントとなります。センサー選定の際の主要なポイントを解説します。

測定対象と精度

センサーの選定において最も重要なのは、測定対象とその必要な精度です。具体的には、測定する物質や現象の種類、濃度、範囲、環境条件などを考慮する必要があります。例えば、高温や高圧、腐食性のある環境での使用を前提とする場合、それに耐える材質や構造を持つセンサーを選定する必要があります。また、測定の精度や感度も、製造や研究の要求に応じて選定する必要があります。

取り付けとメンテナンスの容易さ

センサーの取り付けやメンテナンスの手間は、導入の障壁となる可能性があります。特に、既存の設備やプロセスに後付けでセンサーを取り付ける場合、取り付けの容易さや互換性を考慮する必要があります。また、定期的なメンテナンスや校正が必要なセンサーの場合、その頻度や手間、コストを考慮することも重要です。

コストパフォーマンス

センサーの導入には、初期投資やランニングコストがかかります。特に、大量のセンサーを導入する場合や、高度な機能を持つセンサーを導入する場合、コストは大きな要因となります。しかし、コストだけでなく、そのパフォーマンスや機能、耐久性などを総合的に評価し、長期的な視点でのコストパフォーマンスを考慮することが必要です。

インラインセンサーの技術は、日々進化しています。最新の技術トレンドとその特徴について解説します。

IoTとの連携

近年、IoT(Internet of Things)の技術が急速に進展しており、インラインセンサーもその影響を受けています。センサーからのデータをクラウド上で収集、分析することにより、遠隔地からのモニタリングや制御、予測保守などの高度な機能を実現することができます。

インラインセンサーとIoTとの連携

AI技術との組み合わせ

AI(人工知能)技術の発展により、センサーからの大量のデータを高速に分析し、高度な予測や異常検知を行うことが可能となっています。特に、深層学習や機械学習の技術を活用することで、センサーのデータからの新しい知見や価値を引き出すことができます。

インラインセンサーとAI技術との組み合わせ

まとめ

インラインセンサーは、現代の産業界や研究開発の現場において、その重要性が日々高まっています。リアルタイムでの高精度なデータ収集と分析により、品質管理やプロセス最適化、リスク管理などの面で大きな利点があります。また、最新の技術トレンドとの連携により、そのアプリケーションや機能はさらに拡大しています。企業や研究機関は、適切なセンサーを選び、最新の技術トレンドを採用することで、より良い成果を上げることが期待されます。

インラインセンサーとして使える製品をご紹介

ハイパースペクトルカメラ HySpex Baldur

ハイパースペクトルカメラ HySpex Baldur

  • 高いフレームレート、S/N
  • 全モデルで20%以下のキーストーン、スマイル値
  • 内部/外部トリガー対応
  • NIST及びPTB規格とのトレーサビリティ
  • すべてのカメラで波長範囲内の中心波長が同一に設定
  • サードパーティのソフト、ハードへの接続可能なSDK、ライブラリ付属
  • 高感度:HySpex シリーズのClassicモデルの4倍の光感度

HySpex Baldurは産業向けに開発されたモデルです。 光感度を上げることで撮影速度が上昇しており、高速ソフトウェア&インライン導入支援ソフトウェアが用意されています。

製品詳細
ハイパースペクトルカメラ<br>BlueEye / GreenEye / RedEye

ハイパースペクトルカメラ
BlueEye / GreenEye / RedEye

  • 産業用に対応したハイパースペクトルカメラ
  • UVからNIRの幅広い波長域に対応
  • 可動部品がなく堅牢
  • ROI(Region of Interest)選択可能
  • OEM対応可能

INNO‐SPEC社のハイパースペクトルカメラはリアルタイムデータを提供するために開発されたラインスキャンタイプのハイパースペクトルカメラで、高いスペクトル分解能で様々な産業用途に対応します。 高感度の検出器やハイエンドの電子機器が搭載されており、高精度・高感度の優れた性能により詳細なスペクトルデータを提供することができるため、実験室やプロセス分析における要求の厳しいアプリケーションにもご使用いただけます。 UV(220-380 nm)、VNIR(400-1,000 nm)、NIR(950-...

製品詳細
FluidInspectIR<sup>®</sup> インラインオイルコンディションアナライザー

FluidInspectIR® インラインオイルコンディションアナライザー

オイルや潤滑油の劣化・汚染の原因となるパラメータを測定することができるインライン用分析器です。お客様のご要求に応じてパラメータを選択できます。 この分析器はシームレスでリモートインストールを目的としており、パーティクルカウンターや摩耗センサーと組み合わせることができます。 また、高い温度のオイル(100℃)に対応でき、測定プロセス中に気泡を排除するよう設計されています。

製品詳細
液体計測/管理システム Collo Liquid Analyzer

液体計測/管理システム Collo Liquid Analyzer

ColloidTek社のCollo Liquid Analyzerは、生産工程中の液体を連続的・リアルタイムで測定する液体センサーです。均質化、凝集、ゲル化、結晶化、粒子、粘度変化などを検出することが可能です。Collo Liquid Analyzerは独自のリキッドフィンガープリント技術により液体に電磁場(EMF)を放出した際の誘電率を測ることで液体の性質を特定します。水やアルコールのようなシンプルな液体から、スラリーやゲル、エマルション、ペースト、クリームのような複雑な液体、固体が混ざってい...

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光センサーコース

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