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UVインキのゲル化とは?
仕組みを理解し品質を保つ保管方法

2023.12.05 | 

はじめに

UVインキは印刷インキの1種です。印刷インキとは印刷に使用されるインキを指します。一般的には万年筆やインクジェットプリンターで使う「インク」の方がよく知られているかもしれませんが、印刷業界では特に「インキ」と表現することが通例です。
印刷インキは主に顔料や染料の色素、ビヒクル、そして少量の助剤から構成されます。色素は印刷物の色を再現するための重要な成分です。ビヒクルは油や溶剤、樹脂を組み合わせた透明な液体で、色素を均一に分散させて、印刷する素材に適切に付着させる役割を果たします。助剤は、インキが綺麗に乾く速度や流れる性質、つまり印刷の品質と効果を最適化するために加えられます。

印刷インキの種類には以下のようなものがあり、印刷方式や印刷される材料によって使い分けられます。

  • 平版インキ
  • グラビアインキ
  • 新聞インキ
  • 樹脂凸版インキ
  • 金属印刷インキ
  • UVインキ
  • スクリーンインキ
  • レジストインキ
  • インクジェットインク
  • デジタル印刷機用孔版インク
  • 可食インキ
  • 機能性インキ
印刷物

参考:「印刷インキ工業会:暮らしを彩る印刷インキ」(最終閲覧日:2023/12/1)

UVインキとは

UVインキは紫外線を当てるとすぐに固まり、強固な皮膜を作るのが特長です。さまざまな印刷方式に対応しており、オフセット印刷やフレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷用のUVインキがあります。VOC(揮発性有機化合物)の量が非常に少ないため、環境にやさしいインキとしても評価されています。

UVインキは速乾性、耐久性および高品質な印刷が可能なため、様々な用途で活用されています。

  • 食品パッケージへの印刷
    • UVインキには、蒸発が必要な有害な溶剤が含まれていないため、硬化すると即座に非毒性の固体ポリマー結合が形成されるため、食品パッケージへの印刷によく使用されています。
  • 化粧品パッケージへの印刷
    • UVインキはプラスチック、金属、紙など、さまざまな材料に印刷が可能です。さらに、色彩が鮮明なため、高品質の外観を実現できることから、化粧品の魅力的なパッケージに利用されます。
  • 物流資材への印刷
    • UVインキは耐水性や耐摩耗性が高いため、頻繁に濡れたり摩擦にさらされる環境でも印刷が持続します。屋外でも、クリアコートやラミネート材の種類によっては5〜7年持続する耐久性を持つものもあります。

参考:「Longchang Chemical:Definition and classification of UV inks and their applications」(最終閲覧日:2023/12/1)

UV硬化の仕組み
UV硬化の仕組み

UVプリントで重要なのは「2.モノマー」と「3.光重合開始剤」となります。光重合開始時が特定の波長UVを吸収すると3.光重合開始剤が反応しモノマー同士が重合=カタマリを作ることで、液体が固体になる特性があります。一般家庭で使われている溶剤インクなどは熱による蒸発で乾燥する仕組みに比べ、UVインクは一瞬で「硬化」しますので根本的に仕組みが異なります。最近では原材料や光の強さ・精度・速度など、各メーカーで違いや特長も出てきました。

引用:「株式会社フジテックス:Vインクの特徴と仕組み、活用方法やできることをご紹介」(最終閲覧日:2023/12/1)

インキのゲル化とは

一般的なゲル化とは

ゲルは多数の高分子が結合して作られた3次元の網目状構造物です。これらの高分子は、特定の部位で「架橋」と呼ばれる結合を形成し、その結合点を「架橋点」と言います。ゲルは通常、低分子の溶媒を内部に含んでいます。そのため、組成的にはほぼ液体ですが、力学的には固体の性質を示します。

参考:「京都大学名誉教授 田中 文彦:ゲル化の反応論」(最終閲覧日:2023/12/1)

ゲルの構造

インキのゲル化とは

インキのゲル化とは、インキが保存されている間に顔料、ビヒクル中の樹脂などが反応し、ゼリー状やスポンジ状に固まる現象を指します。
ゲル化したインキは印刷品質に悪影響を与えるため、多くの場合は使用できなくなり、状態によっては廃棄する必要があります。ゲル化したインキはインキ壷やローラ上で乾燥し、インキの表面に乾燥皮膜が発生しやすくなります。これにより、印刷物に不純物が付着したり、ゴムや樹脂製の柔らかい版にインキをつけて印刷するフレキソ印刷ではドクター筋と呼ばれる線状の印刷汚れが発生する場合があります。

ドクター筋

参考:「一般社団法人 日本印刷産業連合会:印刷用語集 ドクター筋」(最終閲覧日:2023/12/1)

チキソトロピー

攪拌すると流動性を増し,しばらく静置すると再びもとの状態にもどる性質。インキがその一例で,ビヒクルの膜に包まれた顔料粒子は攪拌するとバラバラに均一に分散し,流動性を増すが,もともと電気的な力で互いに寄り集まろうとする性質をもっているので,静置すると蜂の巣のような構造をつくり硬くなる。

引用:「一般社団法人 日本印刷産業連合会:印刷用語集 チキソトロピー」(最終閲覧日:2023/12/1)

UVインキのゲル化とは

UVインキは紫外線が当たると樹脂を固化させるという仕組みですが、UVインキは紫外線だけでなく他の刺激にも敏感で、温度や触媒でもインキの変質や固化が起こることがあります。特に温度が高くなると、ゲル化しやすいと言われています。また、金属も触媒として作用することがあるので、印刷インキに含まれる金属成分も注意が必要です。特に金や銀のインキは、安定性が低くゲル化しやすいインキのため、保管には細心の注意が必要です。

適切な保管方法

インキメーカーが推奨するように冷暗所で保管し、温度を一定に保つために温度センサーを用いて、保管場所の温度を常にモニタリングすることが有用です。温度が一定範囲を超えた場合には、冷却システムが作動するようなシステムを導入することで、インキの性質を一定に保つことが可能です。
さらに、インキの粘度も重要なパラメーターです。粘度計を使って定期的にインキの粘度を計測し、必要な場合には調整を行うことが推奨されます。

これらの方法を組み合わせることで、インキの安定性を高め、保管時のリスクを最小限に抑えることができます。特に金や銀のインキのように安定性が低い場合や、高価なインキを扱っている場合には、これらの先進的な保管方法が有効です。

そのほか、温度センサーや粘度計の活用に加えて、同じメーカーのインキを使用する、必要な量だけを発注する、使用済みのインキを再利用する際には異物が混ざらないように気を付けるなどの基本的な対策をすることでインキの品質を維持しながら保管することが可能です。

参考:「三星インキ株式会社:活版印刷研究所 UVインキの貯蔵安定性について」(最終閲覧日:2023/12/1)

印刷インキの特性を測定する技術

印刷インキの品質を決定するためには、その物理的および化学的特性を正確に測定することが不可欠です。以下は印刷インキの計測に使用する装置です。

  • 粘度計
    • インキの粘度は、インキが印刷機のローラーを通過する際の挙動や、印刷メディアに対する広がり方、そして印刷の細部までの伝達能力に大きく関わっています。
  • 密度計
    • インキの密度は、印刷されたインクの色の濃度を決定します。
  • 表面張力計
    • インキの表面張力は、インクが印刷物の素材表面にどのように広がるかを決定する要因です。
  • 粒度分布測定装置
    • インキ中の顔料粒子のサイズは、印刷品質に直接影響します。
  • 分光光度計
    • 印刷インキの色測定には分光光度計が使用されます。
液体計測/管理システム「Collo Liquid Analyzer」

インキの状態をリアルタイムに把握する!

Collo Liquid AnalyzerはColloidTek社が開発した高度な液体センサーで、インキの連続的・リアルタイムな測定が可能です。独自のリキッドフィンガープリント技術を用いて、液体の誘電率とイオン粘度を測り、均質化、凝集、ゲル化などの液体の状態を特定します。

製品詳細
Spectro1TM

モバイルアプリと小型デバイスで簡単・正確な色管理

Spectro1TMはBluetooth対応の小型分光測色計で、スマートフォンアプリを使って簡単に色測定、データ保存、共有が可能です。充実したカラーライブラリを持ち、独自の色をリファレンスとして登録することもできます。

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