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KLV大学 光センサーコース

周波数解析におけるフーリエ変換を数式を使わずにわかりやすく解説!

周波数解析は、さまざまな場面で活用されています。この記事では、周波数から、波形や信号の特性を分析する周波数解析、そしてその手法の1つであるフーリエ変換について、数式を使わずにわかりやすく説明します。

1.周波数とは

周波数とは、1秒あたりに繰り返される振動や変化の回数で、単位はHz(ヘルツ)で表されます。例えば、1秒間に振動が100回繰り返される場合、その周波数は100Hzとなります。

周波数の説明

音や光の周波数が異なると、それぞれ異なる音や色が感じられます。例えば人の声は、複数の周波数が組み合わさって成り立っています。これは音の波形が重なることで、複雑なパターンを生み出すことによるものです。

周波数の組み合わせ

2.周波数解析とは

周波数解析とは、信号や波形を周波数成分に分解し、その特性を解析することです。
周波数解析は、音響学、電気工学、物理学、地質学などの多くの科学技術分野で重要な役割を果たしています。例えば、音の周波数解析では、音を構成する異なる周波数成分を識別します。人間の耳が聞く音のほとんどはさまざまな周波数成分が複雑に組み合わさっているため、この解析は音の特性や起源を理解するために役立ちます。このような周波数解析は、電子機器の設計、音響システムの設定、地震波の解析、医療画像処理など、エンジニアリングの多くの分野で使用されています。

3.周波数解析におけるフーリエ変換

周波数解析には、様々な手法がありますが、その中でも代表的な手法がフーリエ変換です。フーリエ変換は、時間領域の信号を周波数領域に変換することで、その信号の周波数成分を解析することができます。
ある音の波形について考えてみます。この音にはさまざまな周波数が含まれていますが、フーリエ変換をすることでどんな周波数成分が含まれているのかを分解することができます。

周波数解析の例

この音には31Hz、55Hz、103Hzの3つの周波数の音が含まれていることがわかりました。

4.フーリエ変換の種類

離散フーリエ変換(DFT)

フーリエ変換がアナログ信号を周波数領域に変換する方法であるのに対し、離散フーリエ変換はデジタル信号を周波数領域に変換する方法です。離散フーリエ変換はコンピュータ上で効率的に計算できるため、デジタル信号処理において一般的に使用されます。

デジタル信号とは

アナログ信号は、連続的な波形で表されます。音声や画像などのアナログ信号は、連続的な波形で表現されるため、無限に多くの値を取ることができます。例えば、人間の声は連続的な波形であり、無限に多くの周波数や振幅を持っています。
一方、デジタル信号は0と1のようなデジタル方式で表現される信号であり、離散的な値を取ります。これらは音響センサーなどでアナログ信号を測定し、サンプリングして数値化することによって得られます。デジタル信号は0または1のような明確な境界がある状態で表現されるため、ノイズや干渉による影響を受けづらく、信号の正確性を維持することができます。

アナログ信号とデジタル信号の違い

離散フーリエ変換は、信号処理や画像処理などに使用されています。例えば、音楽や音声処理では、音声の圧縮やフィルタリングに使用されます。また、画像処理では、画像の周波数特性を分析し、フィルタリングやエッジ検出に使用されます。

高速フーリエ変換 (FFT)

高速フーリエ変換は、離散フーリエ変換を効率的に計算するアルゴリズムです。通常の離散フーリエ変換では計算量が多くなるため、高速化が求められます。高速フーリエ変換は、複数の小さなサブセットにデータを分割し、それぞれを独立に計算することで、全体の計算量を削減します。
高速フーリエ変換は、リアルタイムでの信号処理、音声認識、レーダー信号処理など、より計算速度が重要な分野で使用されています。

フーリエ変換

アナログ信号を周波数領域に変換する手法

離散フーリエ変換(DFT)

デジタル信号を周波数領域に変換する手法

高速フーリエ変換 (FFT)

離散フーリエ変換を効率的により早く計算する手法

5.周波数解析が活用される場面

周波数解析は、様々な分野で活用されています。ここではいくつかの活用例をご紹介します。

自動車産業における異音検知

自動車エンジンの異音検知への活用

自動車産業においては自動車に搭載されるエンジンやタイヤの音に含まれる様々な周波数成分を解析することで、異音や振動などのトラブルを早期に検知することができます。
例えば、エンジン内で部品の故障や損傷が発生すると、エンジンが正常に動いている時の音とは異なる音を出します。フーリエ変換を用いることで、エンジンからの音信号を周波数領域に変換し、特定の周波数での異常な振幅を検出することが可能です。

発電施設における異音検知

発電施設における異音検知への活用

発電施設のタービンや発電機、ポンプなどの回転機器は特定の周波数で動作し、正常な状態では一定の音を発します。しかし、機器に問題が発生すると、その音のパターンや周波数が変わることがあります。
例えば、軸受が摩耗している場合や、部品が適切に組み立てられていない場合、振動や音の周波数に変化が見られることがあります。
これらの変化を音の周波数解析によって検出し、それをトラブルシューティングや予防保全のための情報として利用します。これにより、故障が発生する前に問題を特定し、予防的なメンテナンスを行うことが可能になります。

6.最後に

この記事では、数式を使わずに周波数解析とフーリエ変換について解説しました。周波数解析は信号や波形を周波数成分に分解し、その特性を解析することで、様々な分野で使用されます。フーリエ変換はその中でも主要な手法で、信号の周波数成分を明らかにします。フーリエ変換を用いた周波数解析は、自動車エンジンや発電施設の異音検知で活用され、早期の異常発見に貢献しています。

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