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IoTデータ×AIによって広がる
新たなビジネスの可能性

2018.07.05 | AI, IoT

データの活用が鍵

近年、IoTとAIを組み合わせたビジネスが注目を集めています。

IoTは「Internet of Things(モノのインターネット)」の省略形です。IoTが広がることによって、あらゆるモノがインターネットにつながり、モノと情報をやり取りすることができるようになります。
しかし、モノをインターネットにつなぐだけでは、IoTはその真価を発揮しません。

大切なことは、IoTに自らの状態や環境を把握することができるようセンサーを組み込み、ネットワークを介して、こうしたデータを収集していくこと、さらに 集めたデータを価値あるものとすることです。

そのためには、IoTからデータを集め、蓄積していくだけでなく、そうしたデータを分析する必要があります。

例えば、あなたの家のエアコンがIoT化されていたら、内蔵されたセンサーで、人の位置や体温、部屋の温度や湿度、明るさなど、さまざまな情報を読み取ることでしょう。 こうしたエアコンは、室内を快適な状態にする手助けをするだけでなく、読み取った情報を送信することもできます。このIoT化された家庭用エアコンが普及した場合、設置されている部屋の情報や、そこに居座る人々の情報まで、さまざまな情報を読み取って送信します。

2017年時点で、二人以上の世帯におけるエアコンの普及率は91.1%(※)。もしも、これらのエアコンがIoT化された場合、膨大なデータを収集することが可能になります。そして、集められたデータを分析することで、「この温度・湿度のとき、室温がこのぐらいだと人々は心地よく感じる」という具合に、人間にとって最適な設定温度を導き出すことができるようになるのです。
のみならず、さらに細やかに「赤ちゃんにとっての最適な設定温度」や「入浴後の最適な設定温度」といった年齢や状態に合わせた室温も把握できるようになるでしょう。
(※)e-Statのデータを参照

このように、IoTにおいては、データの分析が鍵となります。
IoTはデータを収集することが得意です。では、集められたデータは、どのように分析するのでしょうか。
この「データ分析」の場面で、AI(人工知能:Artificial Intelligence)の活躍が期待されています。

IoTによる情報の流れ

AIは人間のように学習し、データを処理・分析することができます。
つまり、IoTから集められた膨大なデータを蓄積(ビックデータ化)し、こうしたデータをAIが分析することで、企業は新しい価値を創出し、より良いサービスや商品を提供できるようになるのです。

AIが人間には思いつかないような業界同士を結びつけ、新しいサービスを創り出すこともできるかもしれません。また、既存の商品をIoT化する道もあるでしょう。商品から収集されたデータを、AIが分析することで、商品に付加価値が生まれる可能性もあります。
例えば、IoT化された車の情報を集め、AIが分析することで、渋滞の法則を見つけることも可能でしょう。渋滞が起こりやすい箇所がマッピングされた地図を作成し、このデータをもとに、該当地域ではコンピュータが車を自動制御することで渋滞を予防する、という未来が訪れるかもしれません。

では、AIはどこまで発展しているのでしょうか。
次は、AIの可能性と課題について、考えていきます。

AIの可能性と課題

― ディープラーニングにより広がる可能性

AIをIoTと組み合わせ、データを活用することによって、さまざまな可能性が広がります。

近年、ディープラーニングが注目を集めています。
ディープラーニングとは、AIが大量のデータをもとに、自ら学習を進めることにより、人間の指示なしにさまざまなことを行えるようになるシステムです。

2016年3月、AI「アルファ碁」が世界トップクラスの棋士に勝利しました。
囲碁は人類が発明した最も難しいゲームといわれており、これまでAIが人間に勝つことは不可能とされてきました。 これを可能にしたのが、AIによるディープラーニングです。

まず、AIに囲碁のルールと、強い棋士の対局に関するデータを2940万通り、読み込ませます。そしてこれらの対戦結果と同じ手を打てるように、アルファ碁を学習させます。 この学習に、ディープラーニングが使われました。
その結果、過去の対戦データと同じ手を打てるようになり、高い確率で次の一手を予測することが可能になったのです。
アルファ碁は、ディープラーニングに加え、機械学習や強化学習も組み合わせて実現されています。それによって、強い棋士の次の一手を予測するだけでなく、最終局面までの動きや勝率を予測します。 現在のAIは、こうした ディープラーニングと機械学習などの技術を組み合わせることで、目的に特化したAIが実現されているのです。

また、ディープラーニングを用いることで音声認識や画像認識の精度が格段に向上しました。
音声認識に関しては、iPhoneのSiriなど私たちが生活の中で使用できるレベルに達しています。
これに対し、画像認識は実用的なレベルにまで達しているものもありますが、発展途上の分野でもあります。しかし、製造業や医療分野において、AIによる画像認識を用いた技術への期待は高まっています。

こうした技術の実現は、遠い将来の話ではありません。今から約30年後、つまり2045年は、AIが人間の知能を超える 技術的特異点(シンギュラリティ)とされています。 なかなか現実味が感じられない話のように感じられますが、GoogleやAppleなどは、すでにAIの強化へと乗り出しています。

【参照】
古明地正俊, 長谷佳明 2017『AI(人工知能)まるわかり』(日本経済新聞出版社)

― AIの課題

AIをIoTに利用する場合、どのような課題が残されているのでしょうか。 データ量の確保が、ひとつの課題となっています。

スマートフォンであれば、購入後、簡単な設定をすませると、すぐに使えるようになりますが、AIの場合はそうはいきません。
AIを使うためには、大量のデータを投入して学習させることで、能力や精度を上げていくことから始めなければなりません。そのため、継続的に大量のデータを与え、AIに学習をうながすことのできる資本のある企業が優位になります。

また、新しい価値・ビジネスを想像する場合、ひとつのモノや、特定の業界など、限られた情報だけでは、AIの学習には不足しています。
例えば、企業同士で連携し、データを共有するといった手法もありますが、データの流出といったリスクも伴うため、現状では難しいかもしれません。

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