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KLV大学 マシンビジョンコース

産業用カメラの選び方  (3)必要な画角編

カメラやレンズを選定する際には、画素数、画角(ワーキングディスタンス)、露光時間(FPS)など、さまざまなパラメータを考慮する必要があります。
そして、これらの要素を適切に考慮しないと、期待する性能が得られない、過剰なコストをかけてしまうなど、プロジェクト全体に影響を及ぼす可能性があります。

ケイエルブイ大学 マシンビジョンコースでは、以下の項目に関して、計算ツール、選定方法、計算の方法などを解説します。

  1. 必要な画素数編
  2. 必要なFPS編
  3. 必要な画角編(本記事)

カメラの選定にお困りの際には、ケイエルブイまでお問い合わせください。

【計算ツール】必要な画角を自動で計算

視野幅とワーキングディスタンスが与えられれば、 以下のツールで必要な画角が計算できます。

視野幅とワーキングディスタンスから画角を計算
視野幅とワーキングディスタンスから画角を計算

画角:

【概念】画角と視野幅・ワーキングディスタンスの関係

視野幅とワーキングディスタンスは、カメラを設置する上で非常に重要であり、必要な視野幅やワーキングディスタンスを実現するには画角が重要になります。
まずは、視野幅とワーキングディスタンスの関係について解説します。

視野幅とワーキングディスタンスの関係

視野幅とワーキングディスタンスを図示すると以下のようになります。

calculation_Angle_of_view_1.jpg

視野幅とは

視野幅は、カメラが撮影できる範囲(幅・高さ)のことです。

視野幅が広いほど広範囲を撮影できますが、解像度が下がる傾向にあるため、検出対象のサイズや画素数と密接に関係します。
詳しくは、産業用カメラの選び方  (1)必要な画素数編をご確認ください。

ワーキングディスタンスとは

ワーキングディスタンスは、レンズの先端から撮影対象までの距離を指します。

カメラの設置位置や撮影条件で決まることが多いです。
例えば、装置内にカメラを設置する場合には、距離の制約がありこれによりワーキングディスタンスが決まります。

ワーキングディスタンスが、自由に決められる場合は、必要な視野幅とカメラによって決まる画角から必要なワーキングディスタンスを求めることも可能です。

画角とは

画角は、カメラのレンズによる視野の左右・上下への広がり角を指します。単位は度(°)で表されます。

画角が広ければ、カメラと対照が近くても広い範囲を撮影できるようになります。
逆に、画角が狭いと、遠くの対象を拡大して撮影することができます。

calculation_Angle_of_view_1.jpg

ここまでの内容から、三角形の底辺である「視野幅」と三角形の高さである「ワーキングディスタンス」が決まれば、三角関数で「画角」を計算することが可能であることがわかります。
では実際に、画角の計算に関して紹介していきます。

【選定方法】視野幅とワーキングディスタンスを満たすための画角

画角・視野幅・ワーキングディスタンスの関係式

まずは三角関数の基本から考えます。

図のような三角形があった場合、AとBとθの関係はタンジェント(tan)を使用して、次の式で表すことができます。

tan ( θ ) = A B

次に、実際の画角・ワーキングディスタンス、視野幅と直角三角形の関係は以下の図のようになります。

calculation_Angle_of_view_1.jpg

ここで、先ほど示した三角関数の直角三角形との関係を考えると以下のようになります。

(先ほど三角関数の式で紹介した直角三角形を時計回りに90度回して左右反転させると形が一致します。)

  • θ = 画角/2
  • A = ワーキングディスタンス
  • B = 視野幅/2

よって、それぞれの項目を代入すると、次の関係式を立てることができます。

tan ( 画角 2 ) = ワーキングディスタンス 視野幅

この式を、画角を求める形にすると、以下のようになります。

画角 = 2 arctan ( ワーキングディスタンス 視野幅 )

このように求められた式が、視野幅とワーキングディスタンスから画角を求める式となります。

画角の計算例

視野幅が100mm、ワーキングディスタンスが300nmの例を考えると次のように画角を求めることができます。

画角 = 2 arctan ( 100 300 ) = 2 arctan ( 0.1667 ) 18.92 °

この例では、画角が約19°程度となるカメラとレンズを選択すれば、必要な画角とワーキングディスタンスを満たすことができることがわかります。

【確認箇所】必要な画角を実現するカメラとレンズの選び方

画角は、カメラの仕様やカメラ用のレンズとの組み合せの仕様として掲載されます。
このように、画角が明確な場合は、必要な画角にあったカメラとレンズを選ぶことは容易です。

ただし、カメラの種類やレンズの種類が多い場合、レンズには画角が記載されておらず、焦点距離のみが記載されていることがあります。
このような場合、使用するカメラのセンサーサイズと画角から、必要なレンズの焦点距離を自分で計算する必要があります。

最後に、カメラのセンサーサイズと画角から、選ぶべき「レンズの焦点距離」を求める方法をご紹介します。

画角とセンサーサイズから焦点距離を計算

カメラの内部は、以下のようにセンサーサイズと焦点距離の関係が、視野幅とワーキングディスタンスの関係と同じになっています。

calculation_focal_length.jpg

そして、対頂角により「画角」と「カメラ内部にできているセンサーサイズを底辺、焦点距離を高さとする三角形の頂点の角度」は同じになります。
よって、三角関数の基本式を使用すると、画角・センサーサイズ・焦点距離には次の関係があります。

tan ( 画角 2 ) = センサーサイズ 焦点距離

今回は、この式を焦点距離を求める式の形に直すと、以下のように、画角とセンサーサイズから焦点距離を求める式にすることができます。

焦点距離 = センサーサイズ tan ( 画角 2 )

これにより、必要な画角を満たす焦点距離のレンズを選ぶことが可能です。

焦点距離:

ここまでを踏まえて実際の製品の仕様を見ていただければと思います。

Optikron社のカメラは、Cマウントのレンズが装着できるため、非常に多くのレンズからお客様の必要な画角に合った焦点距離のレンズを選択することが可能です。

小型なのに高性能 産業用小型カメラ

Optikronカメラ製品画像

ケイエルブイは、組み込み・開発に最適な高解像度の超小型カメラを取り扱っています。

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  • フルHD画像の撮影可能
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など

デモ機のご用意もありますのでお問い合わせください。

超小型カメラシリーズOptikron製品ページ>

用語集

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