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産業用カメラでは狙った像を撮影するために、露光時間を厳密に制御する必要があります。 カメラで露光時間を調節する場合、シャッターが重要です。そのため産業用カメラの選定において、シャッターは一つの選定基準となります。
今回はシャッターの役割や、ローリングシャッターとグローバルシャッターの違いについて解説します。
シャッター(shutter)は、カメラで撮影する際、感光剤(フィルム)や撮像素子(イメージセンサー)への露光時間を制御する開閉装置です。
シャッターは「露光時間を調節する役割」を担っています。
「露光時間を調節する」ということは、センサーに当たる光の量を調節するということです。 カメラは「シャッター」によって、光を遮っています。いわば、人間でいうところの瞼(まぶた)です。
シャッターが開いている時には、レンズから光が入り、センサーが光を受け取ります。
シャッターが閉じると、レンズから光は入らないため、センサーも受光しません。
シャッターが開いている間は「センサーが受光している」ということ。 つまりシャッターの開閉によって露光時間(センサーに光が当たっている時間)を調節することができます。
もしもシャッターがない場合、センサーは光を受け取り続けるため、永遠に像を生成し続けます。 シャッターによって、光が遮られるからこそ「狙った瞬間」の像を撮影できるのです。
シャッターはその位置や制御方式によって様々に分類されますが(*)、デジタルカメラの制御方式には、次の2種類があります。 * Wikipedia「シャッター (カメラ)」参考
まずは双方の違いを明確にしましょう。 双方の大きな違いは「一度にスキャンするか」「徐々にスキャンするか」にあります。
撮影された画像を基準に考えるとわかりやすいのですが、グローバルシャッター(Global shutter)は、画像全体をスキャンします。
「スキャン」と言うとわかりにくいかもしれません。 要は人の視界のように「一定範囲の光を一度に取り込む」ようにシャッターを制御する方式(=グローバルシャッター)を指します。
一方ローリングシャッターは、一定範囲の光を一度に取り込むのではなく、順に取り込んでいきます。
ローリングシャッターについては馴染みのない方も多いと思いますので、次の項目で詳細に見ていきましょう。
フローリングシャッター(Rolling shutter)は、垂直方向(もしくは水平方向)にフレーム全体をスキャンするキャプチャ方法であり、シャッターの制御方式です。
ローリングシャッターの最大の特徴は「同じ瞬間を撮影しているわけではない」という点です。
スキャニングそれ自体は、高速で行われますが、フレームを一度に撮影するグローバルシャッターとは異なり、順に走査していくことで撮影対象に時間差が生じます。
このように垂直方向に撮影した画像をワンフレームに収めているため、フレーム内の画像には時間差があるという点がローリングシャッターの特徴です。
ローリングシャッター特性上、ワンフレームで時間的なずれがあります。 そのため動く対象を撮影する場合は、撮影画像に特徴的な歪みが生じます。
こちらは回転するプロペラを撮影した場合の想定アニメーションです。
Wikipedia「Rolling shutter」を参考に作成
回転する対象の場合は、このように撮影時間のずれによって、複雑な画像になります。 「回転」だけでなく「横方向の移動」の場合も歪みは生じます。
例えば車や自転車、電車等、水平方向に移動する対象を撮影した場合は、スキャニングが始まった地点から、撮影終了までに移動しているため、スキュー歪みが発生します。
撮影開始から終了までで車は、AからBまで移動しています。 車の位置の変化に合わせて、画像のように車が歪みます。
動く対象を撮影する際は、特徴的な歪みを引き起こしますが、現在普及しているCOMSセンサーのデジタルカメラではローリングシャッターが採用されています。
一つは歪みの修正に関して活発な研究が行われており、対象物、環境への適合が進んだためです。適切に使用することでこうした問題は回避できます。
もう一つは「コストバランスの良さ」が挙げられます。 ローリングシャッターは、シャッター部が回転する単純な構造になっており、比較的安価に製造できます。 高度な機構を有しないため生産時のコスト抑制につながります。
「ローリングシャッター」の採用により、コスト抑制を実現した「超小型カメラ」です。
製造はドイツの光学機器メーカーOptikron(オプティクロン)社。同社の超小型カメラは医療技術、計測技術、マイクロレーザー技術、高度な技術力が要求される分野で活用されています。
最小「Φ1.8mm×12mm」の超小型サイズの「XSシリーズ」から、フルHD画質の「Lシリーズ」まで様々なニーズに対応できます。
それぞれの製品ごとに強みがございます。 詳細はシリーズページにてご確認ください。
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