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カメラのセンサーサイズによる違いとは

センサーサイズは、デジタルカメラやビデオカメラの中核を担うイメージセンサーのサイズで縦横や対角線の長さで表されます。

デジタルカメラやビデオカメラの小型化には欠かせなくなっているセンサーサイズの小型化ですが、センサーサイズは小さければ小さいほど良いのでしょうか?

センサーサイズとは

本記事では、「センサーサイズ」に注目し、イメージセンサーの「センサーサイズの違い」、「センサーサイズの種類」を詳しく解説します。

イメージセンサーとは

イメージセンサーは、「光をデジタル信号化する部品」です。

イメージセンサーには、CMOSとCCDという2つの種類があり、フォトダイオードで受講した光を電荷に変換した後の電圧変換をする部分の構造が異なります。

電荷を読み取り回路まで運んでから電圧に変換するのがCCD、電荷をその場で電圧変換して読み取り回路で読み込むのがCMOSです。
現在では、消費電力、処理速度、価格の観点でCMOSセンサーが主流になっています。

イメージセンサー

ご存知の通り、近年の民生用・産業カメラは、ほとんどがデジタル化しており、イメージセンサーの高性能化はカメラの高性能化に直結するといっても過言ではありません。

カメラのセンサーサイズとは

カメラのセンサーサイズは、カメラのイメージセンサーの大きさです。
イメージセンサーの大きさはカメラの性能、カメラ本体やレンズの大きさに直結するため、大変重要な項目の1つです。

イメージセンサーとイメージサークルの関係

カメラのレンズを通して結像する画像の大きさを「イメージサークル」といいます。
イメージサークルはレンズが通常円形であることから円形になります。そして、原則として、このイメージサークルに内接する四角形がイメージセンサーのセンサーサイズとして設定されます。
したがって、内接したイメージセンサーの四角形の対角線の長さとイメージサークルの直径が等しくなります。

イメージサークル

ただし、実際のカメラシステムの設計では、イメージセンサーのセンサーサイズを決定した後に、イメージサークルの大きさを決めるのが一般的です。
そして、このイメージサークルの範囲がすべて問題なく結像するようにレンズなどの光学系が設計されます。

センサーサイズの違いによるメリット・デメリット

センサーサイズは、カメラの大きさや、画素数、感度、許容されるノイズ等によって複合的に決められます。

センサーサイズが大きい場合、小さい場合、それぞれで特徴があるので、違いを表で紹介します。

センサーサイズ
画素 多い 少ない
画角 広い 狭い
焦点深度 浅い 深い
感度 高い 低い
ノイズ 少ない 多い
ダイナミックレンジ 広い 狭い
重さ 重い 軽い

1) 画素

イメージセンサーの1画素のセンサーサイズが同じであれば、イメージセンサーのサイズが大きいほど、画素の数を増やすことができるため、高解像度の写真を撮影することができます。

35mmのセンサーサイズのデジタルカメラでは、約6000万画素を超えるイメージセンサーも存在しています。

2) 画角・焦点深度

イメージセンサーから焦点までの焦点距離が同じ場合、センサーサイズが大きいほど、センサー端から焦点までの角度が急になります。
そのため、画角が広くなり広範囲の画像撮影に向いていることがわかります。

センサーサイズと画角

逆に、画角が同じ場合、センサーサイズが大きいほど、イメージセンサー全体に画像を入れるためには、焦点距離を長くする必要があります。
このことから、一般的には、センサーサイズを大きくすると、センサーだけではなくカメラ全体のサイズが大きくなることがわかります。

センサーサイズと画角

3) 感度・ノイズ・ダイナミックレンジ

センサーサイズが大きい場合、画素数が同じであれば、イメージセンサーの1画素のセンサーサイズも大きさが大きくなります。
そのため、1画素で取り込める電荷の量が多くなり、画素毎のノイズが少なく、感度が高くなり、画質が良くなります。

4) 重さ

センサーサイズが大きい場合、イメージセンサ自体の重さが重くなります。ただし、それよりもイメージサークルが大きくなり、レンズなどの部品も大きくする必要が出てくるため、カメラ全体のサイズが大きくなり重さが重くなるという影響があります。

メリット・デメリットのまとめ

カメラの大きさや重さを気しないのであれば、画質の観点でセンサーサイズの大きいものを選択するのがおすすめです。
一方、スペースが限られている場合には、小型化と画質のトレードオフや画角のことを考えてセンサーサイズを選択する必要があります。

優先する事項を決めて、「必要な画素数、画角、感度などを明確にした上で、小さいものを選択する」、「許容できるサイズの中で、より良い画素、画角、感度になるものを選択する」が一般的な選択方法です。

カメラのセンサーサイズの種類

センサーサイズの規格には様々な種類があります。ここでは、主なセンサーサイズについて紹介します。

民生用イメージセンサー

民生用の一般的なカメラのセンサーサイズには、「35㎜フルサイズ」や「APS-C」、「フォーサーズ」、「1インチ」等が あります。

センサーサイズ一覧

①35mmフルサイズ・イメージセンサー

センサーサイズ:36 mm×24 mm

基本的に大きさは昔のフィルムカメラの大きさを引き継いでいるサイズであり、レンズの性能や焦点距離を考えるうえで、基準となっている規格です。
例えば、35㎜フルサイズ以外の規格を採用したカメラに使用するレンズ等では、焦点距離の表示は「35mm換算で何㎜」という表示がなされる場合があります。

このセンサーサイズのメリットとしては昔からの35㎜カメラのレンズや写真機材がそのまま使える点です。
また、センサーサイズが大きいため、イメージセンサの設計の自由度が高く、画素数、感度、ノイズの低さ等で有利になります。

ただし、近年ではより小さく性能の良いイメージセンサーも登場しているため、そのようなカメラと比較してカメラやレンズが比較的大型化するという点でデメリットもあります。

②APS-C・イメージセンサー

センサーサイズ:23.4mm×16.7mm

APS-Cは35㎜規格の「大型化」「高コスト」という問題を打破するために制定された規格で、35mmフルサイズよりも小さいセンサーサイズです。

この規格は元々はアナログカメラ(銀塩フィルムカメラ)の規格でした。銀塩フィルムは一眼レフカメラの低コストと小型化を狙って制定されましたが、当時はあまり普及しませんでした。イメージセンサーの時代になり、非常に性能の高いイメージセンサーの小型化が進んだため、普及が進みました。

③フォーサーズ・イメージセンサー

センサーサイズ:17.3mm×13mm

フォーサーズもAPS-Cフォーマットと同様な考えのもと、デジタル一眼レフカメラの共通規格としてオリンパスとコダックによって提唱された規格です。

APS-Cよりも若干小さいサイズで、縦横の長さが35mmフルサイズのちょうど半分ぐらいのサイズになります。

④1インチ・イメージセンサー

センサーサイズ:13.2mm×8,.8mm

1インチは、コンパクトデジタルカメラによく採用されている規格です。

「1インチ」という表示のため誤解されがちですが、イメージセンサの大きさが1インチの大きさがあるわけではありません。
これは、昔のビデオカメラに使用されていた撮像管と呼ばれるイメージセンサーに相当する部品(アナログで真空管です)の直径がちょうど1インチだったことに由来しています。つまり、1インチの撮像管のイメージサイズがちょうど今の「1インチ(デジタル)イメージセンサ」の規格のイメージサイズと同じということです。

デジタルカメラで撮影された画像は、センサーサイズよりもはるかに大きな写真に引き延ばされますが、現在では、1インチのイメージセンサーでも十分な画質を得ることが可能になっています。

産業用イメージセンサー

産業用のカメラ(ビデオカメラ)では、1インチの場合と同様に撮像管の直径換算で何インチという表示でイメージセンサーのサイズを表します。

・1インチより大きいイメージセンサー

1インチより大きいイメージセンサーには、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.75インチなどがあります。

・1インチより小さいイメージセンサー

1インチより小さいイメージセンサは、1インチを基準に、1/〇インチという表記で表されます。
1/1.1インチから、分母が大きくなるほどイメージセンサーは小さくなり、小さいものでは1/18インチのイメージセンサーもあります。

例えば、携帯電話やスマートフォンに内蔵されているカメラは、1/2.5インチほどの小さなイメージセンサーが使用されています。また、内視鏡で使用されるセンササイズはより小さなものになります。

工場や装置などで用いられる産業用のビデオカメラも、以下のような用途での小型化が進んでおり、そこでは、1/3〜1/16インチのイメージセンサーを使用した小型カメラの需要が高まっています。

  • 小型の装置や製造工程などで狭い箇所を観察
  • ロボットアームの先端への設置(ロボットビジョン)
  • 医療分野での内視鏡の小型化

製品の外観検査装置の設計では、カメラを固定して、製品を順次コンベアなどで流しながら検査を行うのがこれまでの一般的な考え方でした。しかし現在では、ロボットでの行程が多くなり、ロボットのアームにカメラを搭載するロボットビジョンなどでの需要が大きくなっています。
ロボットジョンは、カメラが移動するためカメラ自体の大きさや重さが小さい方が、装置全体の小型化や部品点数の削減の観点から有利です。

また、内視鏡に関しても、小型化により観察できる箇所が多くなる、患者への負担が小さくなるという観点でセンサーサイズもより小さなものが求められています。

まとめ

本記事では、カメラのセンサーサイズについて紹介しました。
カメラの構成要素でイメージセンサーのスペックは、画質に関わる重要な項目であるということがいえます。

特に産業用カメラでは、センサーサイズ小型化の進展によって小型化が進んでいます。画質とコスト、大きさのバランスを考えながら、目的にあったセンサーサイズを持ったカメラを選択することが重要です。

製品紹介

ケイエルブイでは、様々なセンサーサイズの産業用小型カメラを扱っています。
小型カメラをお探しの方は是非お問い合わせください。

Optikron超小型カメラ
シリーズ XSシリーズ Sシリーズ Mシリーズ Lシリーズ
写真 XSシリーズ Sシリーズ Mシリーズ Lシリーズ
主な特徴 シリーズ最小の超小型サイズ Ф2.75mm〜のラインナップ豊富な超小型モジュール 中間サイズのシリーズ。
HD画質が得られる。
機能豊富でハイスペックながら小型
センサー
サイズ
1/18インチ 1/10インチ 1/4インチ
〜1/9インチ
1/2.9インチ
〜1/4インチ
カメラ
サイズ
Ф1.8×12mm Ф2.75×22mm,
Ф3.2×22mm
Ф4.2×14mm,
Ф6.5×30mm,
6.5×6.5×30mm等
16×16×35mm,
20×20×40mm,
22×22×40mm,
20×20×60mm
画質 400×380 400×400 HD~フルHD フルHD

用語集

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