ケイエルブイは、ハイパースペクトルカメラ・光学部品・光源など世界中の光学機器を取り扱う専門商社です。

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Webセミナー QA集

ハイパースペクトルカメラの質問に答えます

2021年3月2日に実施した”ハイパースペクトルカメラの導入から解析手法まで一気にわかるWebセミナーでいただいた質問の内容とその回答一覧の【ハイパースペクトルカメラ版】です。

【多変量解析版】はこちら

原理

Q1

ハイパースペクトルカメラに使われているセンサーはすべてInGaAsですか?

A. Si、InGaAs、MCTがあり、波長帯によって異なります。

可視光(400~1000nm)モデル:Si(CMOS)
近赤外(900~1700nm)モデル:InGaAs
近赤外(~2500nm)モデル:MCT

Q2

波長は色フィルターで分離されているのでしょうか?

A. 分光方式には色々な種類があり、機種によって分光の方式が異なります。

ラインスキャンタイプ:反射型グレーティング
エリアタイプ(Cubert):波長可変フィルタ
エリアタイプ(Hinalea):MEMS型波長可変フィルタ

Q3

ハイパースペクトルカメラの受光素子の仕組みをおしえてください

A. ケイエルブイに問い合わせください。

ミーティングの中で各カメラの原理も説明させていただきます。

Q4

ハイパースペクトルカメラとマルチスペクトルカメラと違いを教えて下さい。

A. バンド数(波長数)が異なります。

明確な定義はありません。
一般的には25バンド程度までがマルチスペクトルカメラ、それ以上がハイパースペクトルカメラと呼ばれています。

性能・仕様

精度・感度

Q1

波長精度はどのようにして保証しているのでしょうか?

A. 出荷前にメーカーがNIST等に準拠した機器を用いて校正を行っています。

Q2

感度や波長帯域の機差が大きいと聞きますが、いかがでしょうか?

A. 機差はありますが、出荷前の構成により中心波長がおなじになるように校正を行っております。

Q3

長波長領域で、最高の空間分解能は、どの程度でですか?

A. 1×640ピクセル(ラインスキャン方式)が最高となります。

詳細なスペックは、Resonon社のPikaNIR-640を参照ください。

Q4

環境温度変化による波長シフト、ノイズの増加などはありますか?
また、どのカメラが冷却でどのカメラが非冷却ですか?

A. 温度変化により、多少の波長シフトが発生します。

冷却に関しては、Hyspex社のカメラは冷却式で、それ以外のカメラは非冷却となります。

Q5

タングステンランプなどの光源の波長毎の強弱は、カメラ側で補正できますか?

A. できます。

反射測定の場合、標準反射板でリファレンスを取ることで、波長ごとの強度補正を行います。
反射板を使用できない場合は、メーカーにて出荷時にラジオメトリック校正を行い、測定データに対し数値補正することも可能です。

Q6

カメラの感度は通常のものと比較し低いのでしょうか?
(蛍光検出の場合、光量が懸念されます。)

A. モノクロカメラと比べた際、内部に分光機器や迷光除去のフィルターが入っている分感度は低くなります。

感度が低い場合は、露光量を上げる(露光時間を長くする)などして対応することが可能です。

波長・バンド

Q1

バンド=波長のことですか?

A. バンド=波長です。

資料内で、数百バンド=数百波長の意味で記載しています。

Q2

350nm~1050nmまで5nmごとに141バンドの測定が可能、このバンドの意味は?

A. 141波長のスペクトルが取得できます。

5nm刻みなので、350nm,355nm,360nm,365nm......という形で141ポイントの計測を行うことが可能です。

Q3

各カメラの一回での計測できる波長帯域を教えて下さい。

A. 機種にもよりますが、例えばHyspexのカメラでは、可視: 600nm、赤外:1570nmの波長帯域を1回で測定できます。

可視:600nm(400nm~1000nm)
赤外:1570nm(930nm~2500nm)

その他

Q1

対象物の測定の深さはどの程度ですか?
内部情報は一切測定できませんか?

A. 対象物にもよりますが、表面から数mm程度は測定可能です。

対象物及び波長に依存して、深さが変わりますので、デモ等で一度測定することを推奨させていただいています。

Q2

微細な対象はどの程度のサイズまで対応可能ですか?
(最小検出寸法のMinはどの程度からですか?)

A. 空間分解能の縦は、撮影エリアと解像度、空間分解能の横はステージ速度と撮影速度で決まります。

【例】
縦方向
50cmのエリア1000pixの解像度のカメラで撮影した場合、0.5mmの分解能になります。
横方向
ステージの移動速度が40cm/secで撮影速度が800fpsの場合、0.5mmの分解能になります。
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Q3

カメラとファイバースコープとを繋ぐことができますか?

A. 機種によって接続が可能です。

Cubert社の製品であれば、ファイバースコープがCmount接続に対応していれば使用可能です。

Q4

データ転送速度はどの程度ですか?

A. インターフェースに依存します。

各社のカメラのインターフェースは以下です。
Resonon:USB3.0
Hyspex:GigE , Cameralink
Cubert:GigE✕2
Hinalea:USB2.0 , USB3.0

Q5

カメラのカスタマイズはどこまで対応していただけますでしょうか?
(例えば波長を絞った廉価版など)

A. カスタム対応も可能です。

詳細は、金額と数量、仕様に応じてメーカーとの相談となります。

Q6

消耗部分はどこでしょうか?

A. 消耗品は、”ランプ”と”ステージ駆動部”と”冷却部”です。

カメラ本体は特に消耗品はございません。

Q7

将来、装置の性能はどのように進むとお考えですか?

A. 以下3つの方向性を考えています。

1.波長範囲が広がる(UV~IR)
2.測定スピードの向上
3.ソフトウエアの進化

Q7

KLV取り扱い製品と他社製品の差別点を教えてください。

A. 準備中

光源

Q1

光源で長寿命で長波長域に渡って強度が一定のものはありますか?

A. ハイパースペクトル用のLED照明を数社が販売しております。

長寿命ですが、光出力面ではまだハロゲンランプに劣ります。LED照明は、ご検討内容に応じて紹介させていただきます。

Q2

近赤外のLED照明はありますか?

A. 準備中

Q3

ラインタイプでおすすめのライン照明はありますか?

A. 測定対象の形状や設置条件などによって最適な照明をご提案させて頂きます。

Q4

MCT(1700~2500nm)に対応する光源はありますか?

A. タングステンランプを推奨しています。

Q5

既存光源が生産終了になった場合、代替光源で再度、調整が必要になりますか?

A. リファレンスを取ることで光源の差による影響を減らすことが可能です。

撮影前のリファレンスは撮影条件が変わるごとに取得を推奨いたします。

Q6

照度(ルクス)は、どの程度必要ですか?

A. 準備中

Q7

測定スペクトル範囲を広げた場合に光源はどのようにかわりますか?

A. 準備中

アプリケーション

①食品

 
Q1

ブルーベリー等、食品のハイパースペクトル撮影に光源は何を使用しますか?

A. ほとんどの場合では、ハロゲンランプが使用されております。

熱の問題や、メンテナンス観点でハロゲンランプが使用できない場合はハイパースペクトルカメラ用のLED照明も採用されています。

Q2

線虫検出の事例では、検出率は目視と比較しどれくらい上昇したのでしょうか。

A. ー

公開されていない情報のため、正確な値は開示できません。

②材料判別・プラスティック

 
Q1

プラスチック樹脂の種類を分ける時に使用した機種とその価格を教えてください。

A. PikaNIR320を使用した事例があります。

ハイパースペクトルカメラの仕様一覧(価格つき)から仕様・価格一覧ががダウンロード可能です。

Q2

同品種のプラスティックでの劣化有無/リサイクル前後の分類事例はありますか?

A. 現状、事例はありません。

弊社でデモ撮影が可能ですので、よろしければお問い合わせいただければと思います。

Q3

アスベスト事前調査で使用できるのでしょうか?

A. 調査の内容に依存します。

ご紹介させていただいた事例は破壊後の建材の表面のスペクトルを撮影した事例のため、非破壊での調査は判断ができかねます。
ハイパースペクトルカメラは対象の表面の情報を取得するため、表面にアスベストが露出した状態であれば可能性がございます。

③異物・キズ

 
Q1

透明体のキズ(0.1mm以下)を検知は可能ですか?

A. サイズなどの条件にもよりますが、ハイパースペクトルカメラで測定することは可能です。

透明体のキズの場合、反射光の角度が変わる事によるスペクトル変化を計測する形となります。正常な部位との差は観測可能と考えられますが、キズ毎のスペクトルは一定とはならないと思われます。

Q2

金属片・プラスチック片の対象物の表面に透明なコーティングがある場合でも
判別可能ですか? 

A. コーティングの厚さがスペクトルに影響を及ぼさなければ判別の可能性があります。

どの程度の厚みから影響が出るかはコーティングの材質に依るためデータはございません。
弊社でデモ撮影が可能ですので、よろしければお問い合わせいただければと思います。

Q3

微小な対象物内の気泡、糸クズ、曇りなどの検知は可能ですか?

A. 異物のサイズに依存します

カメラ自体は顕微鏡接続も可能なため、ある程度のサイズには対応しています。

Q4

内部に混入した髪の毛の検出は可能ですか?

A. 不可能ではありませんが、髪の毛は検出が困難な事例になります。

髪の毛の検出に関しては2つの点で実用化がなされておりません。
1.髪の毛の色:様々な色の髪の毛が存在するため、色ごとにライブラリを作成する必要がある。
2.空間分解能:ハイパースペクトルカメラは一般的なカメラと比較して空間分解能が劣っており、50ミクロン程度の髪の毛を検出しようとした場合、数cm程度の視野幅しか確保出来ません。

④農業・ドローン

 
Q1

フィールドやドローンのケーススタディを教えてください。

A. 上空からの農作物や植生の観察、資源探査等の事例があります。

弊社ウェブ上に事例や論文集のリンクを掲載しておりますので、詳細に関しては以下をご参照ください。
ハイパースペクトルカメラ事例集

 
Q2

小麦等の収穫時期の判別はどうやって行っているのですか?

A. 窒素量や草丈との相関データなど様々な手法が試みられております。

詳細に関しては以下の論文のリンクをご確認ください。
Cubert事例
Resonon事例

Q3

フィールド/ドローンの場合、同じ被写体でも天候が解析結果に影響しますか?

A. リファレンスにより、影響を低減することが可能です。

測定結果は異なりますが、標準反射板などを同時に撮影することにより、天候による測定結果を補正することにより解析結果を同一にすることが可能となります。

Q4

田んぼの中の稲と雑草の分布(割合)を見ることはできますか。 

A. 可能性があります。

同様の研究を行った論文がございますので、こちらもご参照いただければと思います。
事例リンク

Q5

田んぼの土壌中のN量、分布などを見ることはできますか?

A. 可能性があります。

同様の研究を行った論文がございますので、ご参照ください。
事例リンク

Q6

測定環境が変化するような状況でも撮影した物質の定性は可能ですか?

A. 補正を行うことで、物質の同定や定性分析の事例もあります。

測定環境の変化に対して、照度センサーなどを搭載し、補正をかけることが可能となっています。

⑤膜厚測定

 
Q1

膜厚を干渉で見る場合に、事前に各干渉波長を調べる方法はありますか?

A. フレネルの法則に従って計算することが可能です。

膜の屈折率や膜厚を入れることで自動的に計算してくれる便利なサイトもあります。
リンク

 
Q2

膜厚計測に関して事例や解析アプリケーションはありますか?

A. 膜厚解析の機能が充実したソフトウェアがあります。

以下の用途例をご参照ください。
ハイパースペクトルデータ処理ソフトウェア fluxTrainer/ fluxRuntime用途例
薄膜厚み測定 「半導体ウエハの厚み検証」

Q3

水面のバイオフィルムの膜厚測定は可能ですか?

A. かなり難しいですが可能性はあります。

バイオフィルム上で反射する光と水面上で反射する光の干渉を測定する形になります。下地に反射面がある場合に比べて反射光の量が少ないため干渉の測定の困難度は高いと思われます。

⑥顕微鏡

 
Q1

条件によっては、数nmの距離にあるものを区別できますか?

A. 可能です。

顕微鏡接続可能なモデルがあります。
実績としては数十nmまでとなっていますが、対物レンズによっては数nmも可能性はあります。

 
Q2

顕微鏡タイプとラボタイプ(ステージ取り付け)を共用使用することは可能ですか?

A. 可能です。

機種によってレンズの入替可能モデル(高倍率レンズ/マクロレンズ)があります。倍率によりますので、お問い合わせください。

⑦その他

 
Q1

透過測定の事例はありますか?

A. あります。

フィルムの透過特性の検査で使用されています。

デモ測定

Q1

サンプル評価は無料で行っていただけるのか?

A. サンプル測定は原則有償となっております。

お問い合わせから対象サンプル情報頂ければ詳しくご案内させて頂きます。

Q2

デモ測定はどのような形で実施されるのでしょうか?

A. デモ測定に関する資料を用意したのでご確認ください

ハイパースペクトルカメラ デモ測定のご紹介

価格

Q1

フィールド(ドローン)で近赤外(~2500nm)を測定することは可能ですか?
また、高額になるのでしょうか?

A. 赤外モデルもドローンに搭載できる機種があります。

ドローン用の機材と一緒にご紹介させていただくことが可能です。可視と比較すると高額になります。

Q2

今後ハイパースペクトルカメラの低価格化の見通しはありますか?

A. 一部のメーカーにおいて機能限定した低価格モデルの発売計画があります。

波長数が数十バンドのマルチカメラ(低価格)のご紹介も可能です。

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