蛍光顕微鏡が壊れているかもしれない。
もし実験の最中に、蛍光顕微鏡の不具合に気づいたとしたら、どうでしょう。
- 蛍光顕微鏡の調子が悪い
- 以前の検査結果と異なっている
こうしたケースでは、メーカーに問い合わせるしかありません。
切羽詰まった場面で蛍光顕微鏡が壊れてしまったら、実験や作業は中断し、現状の復旧に時間を割かなければならないでしょう。
しかし、こうした事態は普段から蛍光顕微鏡の「品質管理・精度管理」を行っていれば防げるかもしれません。
品質管理は手間がかかる?
とはいえ、蛍光顕微鏡の品質管理は難しいというのが実情です。
蛍光ビーズでの精度管理は手間がかかります。
データをどのように管理していくのかという点も難しいところです。
また蛍光顕微鏡は機器それ自体の「校正の基準」が存在しないという特殊な製品です。
例えば「校正基準」がある場合、それと比較して、
- この数値がずれているから、顕微鏡に問題がある
- 校正したところ問題がなかったため、試料・サンプルがおかしい
このように、適切な判断を下すことができます。
しかし蛍光顕微鏡においては、そうした判断材料となる「校正の基準」が定まっていないために、定量化された品質管理が難しいという事情があります。
ですが、蛍光顕微鏡の品質を日常的に管理していくことは不可能ではありません。
海外では、業務の一環として蛍光顕微鏡の品質管理が日常的に行われています。
品質管理ツールのご紹介

こちら「蛍光システム用スライド ARGOシリーズ」です。
「基準なき世界に基準を与える」革新的な品質管理ツールです。
このツールは、海外のみならず、日本国内でも蛍光顕微鏡のイメージングに関わる先進的な研究者様の間では、一部既に取り入れられている精度管理の方式です。
「スライド」という名称の通り、顕微鏡の試料台の上に設置して使用します。
あとは、スライドの画像を撮影し、ソフトウェアで分析すると、結果を管理することができます。
こちらのツールを使うことで、
- 簡単に測定できる
- データはソフトウェアで管理できる
そのため、簡単に蛍光顕微鏡の品質管理を行うことができます。
こちらを、ご覧ください。
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(a)40×/ 0.95 乾式 | (b)20×/ 0.8 乾式 | (c)63×/ 1.4 オイル |
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こちらは、3種類の対物レンズにより取得されたターゲットの広視野顕微鏡画像の画像です。
蛍光顕微鏡における「同焦点性と同心性」をツールで確認した際に取得しました。
ツールによって、オイル対物レンズが同焦点性および同心性の不良(画像: c))が明らかになりました。
撮影画像の詳細
同焦点性と同心性は、対物レンズが切り替えられたときに、対象物をそれぞれ同じ焦点と同じ横方向位置に保持する機器の能力を指します。
上述の画像は、同じタレット上に配置した3種類のプランアポクロマート対物レンズ
- (a)40×/ 0.95 乾式
- (b)20×/ 0.8 乾式
- (c)63×/ 1.4 オイル
のGFPチャンネルでのターゲットの広視野顕微鏡画像です。
プランアポクロマート40×/0.95乾式対物レンズを基準として取得しました。
この品質管理ツールを用いることで「異なる対物レンズ間での同焦点性の不良を確認・補正」することができます。
品質管理ツールは、スライドを顕微鏡の試料台の上に置き、パターン画像を撮影し、専用ソフトウェアで解析するという手順でご使用いただけます。
上述の「同焦点性と同心性を確認したい」というケースの場合、具体的な手順は次の通りです。
異なる対物レンズ間での同焦点性の不良を補正する手順
- 開口数が最大の乾式対物レンズを使用して基準焦点を定義します。
- 高い開口数から低い開口数へ乾式対物レンズを切り替えます。各対物レンズについてZステージを使用して焦点差を補正します。
- サンプル上に液浸媒体を一滴落した後、液浸対物レンズに切り替えます。Zステージを使用して焦点差を補正します。
同焦点性と同心性だけでなく、視野の歪みや、照度の均一性なども確認することができます。
ARGOLIGHTはハードウェアだけでなく、専用のソフトウェアが搭載されています。そのため、撮影した画像を選択するころで自動で結果を算出する事ができます。
代表的なパラメータはこちらの9つです。
専用ソフトウェアで分析できるパラメータ









機器の品質を定期的に管理することで、いち早く不具合に気付けたり、ライフサイエンスの実験で生じるバイアスを除去できるなど、多くの恩恵を受けることができます。
