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KLV大学 ハイパースペクトルカメラコース

ハイパースペクトルカメラによる
カーボンニュートラル実現に向けた技術革新の効率化

地球温暖化による様々な影響は世界各国で問題視されており、その対策としてカーボンニュートラルへの取り組みは重要なテーマです。
日本においても多くの企業へ社会的要請として、再生可能エネルギーの使用や省電力化などの活動が進められています。

ここでは、ハイパースペクトルカメラを用いてカーボンニュートラルを促進させる取り組みについて、具体的な活用方法も併せてご紹介いたします。

見えないものを可視化する「ハイパースペクトルカメラ」

ハイパースペクトルカメラとは、目には見えないものを可視化するカメラです。
人の目や一般的なカメラでは識別できない差異を発見することができます。

例)食品の傷み具合の測定

ブルーベリーの腐敗部位
(右の画像の赤色部分)を検出

ハイパースペクトルカメラを使用することで、カーボンニュートラルを実現するためのキーテクノロジーに関する技術開発を前進させる可能性があります。

カーボンニュートラル研究をハイパースペクトルカメラで前進

カーボンニュートラルの実現に向け、さまざまな分野で技術開発が進んでいます。

中でも、エネルギー関連産業における再生可能エネルギーの導入拡大が求められますが、日本では人手不足や地理的要因などによる資源の制約上、課題があります。
そこで製造業や資源循環の分野における、省エネルギー化への取り組みも重要視されています。

ここではそれらの技術開発における課題と、ハイパースペクトルカメラを活用してどのように改善可能性があるかについてご提示いたします。

次世代パワー半導体の実用化

あらゆる電化製品やスマートフォンなどに搭載されている半導体は、今やなくてはならない存在です。
しかし、半導体の電力損失量の多さが問題視されています。というのも、電子機器全体の電力損失のうち大部分を半導体が占めています。
カーボンニュートラルの観点から、それらの電力損失を削減する動きが進んでいます。

そこで研究開発が進められているのが、電力の損失が少ない次世代パワー半導体です。
次世代パワー半導体の実用に向けた課題の一つに、品質の担保が挙げられます。

成膜工程の品質管理

半導体製造における成膜工程では、膜厚の平坦性や表面ダメージの有無が品質に影響を与えるため、検査が必要です。

この膜の品質検査にハイパースペクトルカメラが有効です。
対象をハイパースペクトルカメラで撮影すると、膜の厚みを測定できるだけでなく、ムラや傷の有無も発見することができます。

厚みが不均一な箇所を可視化

従来の検査方式では「点」で測るものでした。ハイパースペクトルカメラを使って「面」で膜厚測定を行うことで、ベストな成膜品質の条件出しの模索に役立ちます。

量産フェーズでは全数検査の実施も可能であり、品質の確保に効果的です。
このように膜厚測定の工程を効率化することにより、次世代パワー半導体の開発を促進させ、カーボンニュートラルの実現することに繋がっていきます。

バイオプラスチックのさらなる普及

植物など再生可能な有機資源を原料としたバイオマスプラスチックや、微生物による二酸化炭素と水への分解が可能な生分解性プラスチックといった、バイオプラスチックが注目されています。

バイオプラスチックは、焼却しても大気中のCO2を増加させないため、カーボンニュートラルに貢献する新素材として注目されています。

バイオプラスチックは現在、普及段階にありますが、従来のプラスチックから置き換えるには品質面での改善が求められます。

バイオプラスチックの品質管理

バイオプラスチックは、強度や機能性を確保するための管理が求められます。
特に生分解性プラスチックは耐久性や強度が弱い傾向にあるため、生産ラインでの品質検査が重要です。

強度を確保するためには、一定の厚みを保つ必要があります。
こうした厚みの管理に役立つのがハイパースペクトルカメラです。
ハイパースペクトルカメラは、物質の厚みを非接触で測定することができ、部分的に薄い箇所なども発見することが可能です。

㎛単位の厚みの差異を一瞬で識別

また、食品の鮮度評価を行うことができるハイパースペクトルカメラは、バイオプラスチックの劣化判定にも活用が期待できるでしょう。

リサイクルのための選別

新たな素材を活用・循環していくためには、プラスチックの種類を判別し、適切な処理をもとにしたリサイクルが重要です。
しかしバイオプラスチックの導入により、従来のプラスチックに比べて材質や特性が多様化するため、選別はより複雑化します。

肉眼では全て同じものに見えるプラスチックですが、ハイパースペクトルカメラで撮影すると、素材の違いで分類することができます。

プラスチックを素材ごとに識別

プラスチックの分別にハイパースペクトルカメラを活用することで、より品質が高く再利用回数の多いリサイクルプラスチックの製造が可能となります。
リサイクルプラスチックの利用促進は環境への負荷を軽減し、カーボンニュートラルへの未来を切り開いていきます。

水素社会の実現

エネルギー分野においては、水素社会の実現がカーボンニュートラルに深く関わっています。
これまでは化石燃料がエネルギー源の大部分を占めていましたが、水素を中心としたCO2を排出しないエネルギー利用が進められています。

水素社会の実現において鍵となるのは、再生可能エネルギー、水電解、燃料電池です。
風力や太陽光により発電したエネルギーを用いて、水を電気分解することで水素を生成・貯蓄します。
生成された水素は、燃料電池によって電気エネルギーとして活用されます。

各工程に必要な設備・装置の研究開発が進められていますが、量産に向けて技術開発や資源確保の課題があります。

触媒層の品質検査

水素社会を支える装置である、燃料電池、水電解装置、ペロブスカイト太陽電池などは、「触媒層の形成」が製造のコア技術として挙げられます。
この技術は、対象に触媒を塗布することで膜を形成します。
塗膜の仕上がりは装置の性能にも影響を与えるため、品質検査が必要です。

ハイパースペクトルカメラは、薄膜の厚みの均一さやひび割れの有無を測定できます。
そのため、触媒層の品質管理に使用できる可能性があります。

また触媒には高価な材料が使用されることもあるため少量で効率的に活用する必要があり、より薄い塗膜形成の研究が行われています。

㎛単位で塗膜の厚みを測定できるハイパースペクトルカメラを研究開発の加速に検討してみてはいかがでしょう?

レアメタル・レアアースの探査

水素社会を形成する設備・装置の製造には、レアメタルおよびレアアースが必要です。
これらは金属の中でも採取できる量が少なく、供給の安定性について懸念されています。

ハイパースペクトルカメラは、岩石の分析用サンプルを元に、含まれる資源の特定が可能です。
それにより、採掘や鉱物の特定・分類をより効率的に行うことができます。

このように水素社会に必要な材料を効率的に分析することも、カーボンニュートラルの実現に繋がります。

まとめ

カーボンニュートラル実現に向けて、あらゆる分野で新たな技術の開発が求められています。
これまで人の目で見えなかった・見ていなかった部分について、ハイパースペクトルカメラを活用することで高精度に観測することができます。

ハイパースペクトルカメラは、次世代技術開発の効率化や課題解決に役立つ可能性を持っているのです。

ここまでご紹介してきたアプリケーションはほんの一例です。
ハイパースペクトルカメラを活用した研究・開発の取り組みや検討をお手伝いいたします。
「こんな使い方は可能か?」「これを識別することはできるか?」など、是非一度ご相談ください。

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