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KLV大学 ハイパースペクトルカメラコース

膜厚測定

膜厚測定とは、対象物の面に形成された膜の厚さを測定することを指します。
膜厚測定が必要なケースはアプリケーションにより様々ですが、例えば半導体製造プロセスでの成膜工程でムラの無い均一な成膜ができているか確認します。

半導体製造の成膜工程では、PVD、CVD、スパッタリング、熱酸化などの方式があります。
他の業界ではフィルム、コーティングなどの分野でも膜厚測定が行なわれています。

膜厚測定の際には、測定対象に応じて様々な方式の膜厚計や測定システムが使用されます。
ここでは原理別に膜厚測定の方法を広く解説し、高精度な膜厚測定を実現するソリューションについてご紹介いたします。

膜厚測定の方法は、大きく「破壊式」と「非破壊式」の2つに分類できます。

破壊式膜厚測定

破壊式の方法は、対象を切断・加工するなど破壊することで膜厚を測定します。
そのため測定を行った対象は、製品として使用することはできません。

顕微鏡を用いた測定

対象を切断し塗膜の断面を露出させ、顕微鏡を用いてその厚さを計測する方法です。
計測に電子顕微鏡(SEM)を使用することで、㎛単位の精度で測定することが可能です。
しかし断面を露出させるための作業は非常に繊細で、作業者の高い技術を要するうえ、作業に時間もかかります。

電解式測定

電解液と電流により塗膜を電解することで、剥離までに要した時間から膜厚を求める方法です。
㎛単位の厚さで測定が可能かつ、下地や塗膜の素材に応じて電解液を使い分けることで様々な膜厚測定に応用できます。
しかし電解を行うには平らで一定の面積が必要なため、形状の複雑なものや小さな対象物の測定難しいとされています。

破壊式膜厚測定の課題

これらの破壊式膜厚測定は、主に研究開発における測定や、生産工程での抜き取り検査を前提としています。そのため、全数検査には適していません。
また作業者の手間や所要時間を考えると、生産時にはより効率的な測定方法が求められます。

非破壊式膜厚測定

対象を破壊せずに膜厚測定を行う方法は、さらに接触の有無でも分類することができます。

接触式

マイクロメーターを用いた測定

塗膜を形成する前と後の対象の厚みをマイクロメーターで計測し、その差から膜厚を測定する方法です。
簡易に測定が可能ですが、薄い膜を対象とする場合は精度が足りず、正確な測定が難しいことがあります。

電磁式測定

下地が磁性を持つ場合、下地と磁石の引き合う力と、その間にある塗膜の厚さが引力を妨げる現象をもとに膜厚を算出する方法です。
つまり膜厚が薄いほど引き合う力は強く、膜厚が厚いほど引き合う力が弱くなります。膜厚は計算により算出することができます。
ここの方法を使用するには、下地が磁性体であり、塗膜が非磁性体であることが条件となります。

渦電流式測定

下地が導電性を持つ場合、対象物に通電し、渦電流の強さを測定して膜厚を求める方法です。
電磁式測定と似ており、膜厚が薄いほど渦電流が強く、膜厚が厚いほど渦電流が弱く観測されるため、それを利用して膜厚を算出します。
この方法を用いるには、下地が非磁性金属であるかつ塗膜は絶縁性の物質であることが条件です。

超音波式測定

対象に超音波を当て、塗膜と下地の境目で跳ね返ってくるまでの時間から膜厚を求める方法です。
事前に塗膜を通る際の超音波の音速を計測しておき、それをもとに跳ね返りの時間で膜厚を算出します。
様々な種類の塗膜を測定するには、準備や計算に時間を要すことがあります。

非接触での測定

重量測定

塗膜を形成する前と後の対象の重さを測定し、その差から膜厚を算出する方法です。
非常にシンプルな測定方法ですが、塗膜が均一であることを前提としており、膜厚にばらつきがある場合には正確な測定ができません。

分光干渉式測定

対象に光を照射し、塗膜表面で反射する光と下地表面で反射する光の波長を分析することで膜厚を算出する方法です。
異なる位置で反射した光が重なり合い、干渉が発生します。
この干渉が起こる間隔と、反射点の距離(すなわち下地と塗膜の距離)には相関関係があるため、それをもとに膜厚を算出することができます。

分光干渉式測定

対象の膜厚を非破壊で測定する方法は様々ですが、非常に薄い膜を扱う場合、膜を傷つけず変質させない非接触の測定が望ましいです。
そのため近年注目されているのは、分光干渉式測定です。
また膜の厚さをピンポイントに測定するだけでなく、対象物全体にわたる膜厚のばらつきを評価することも重要になっています。

面で測る、非接触の膜厚測定。ライン組み込みも可能な方式。

これまでの分光干渉式膜厚計や測定システムは、対象物の一点に光を照射し反射光を分析することで膜厚を算出します。
塗膜全体の厚みのばらつきを正確に把握することが難しいとされてきました。

そこで弊社ではハイパースペクトルカメラを用いた膜厚測定をご提案しております。

原理は分光干渉式と同様ですが、最大の違いはラインスキャンにより、面(多点)で測定できることです。
対象物の一点ではなく、膜厚を面全体として測定できるため、塗膜のばらつきやムラを可視化します。また従来に比べ、傷などを発見することも容易になりました。

ハイパースペクトルカメラの膜厚撮影

弊社では様々な機種・モデルのハイパースペクトルカメラを取り扱っております。
またハイパースペクトルカメラを用いた膜厚測定に有効なデータ処理ソフトウェアなどもご用意しております。

測定対象により、適したハイパースペクトルカメラやシステム構成は異なります。
弊社ではお客様のご要望に合わせて、最適なシステムをご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

ハイパースペクトルカメラコース

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