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KLV大学 ハイパースペクトルカメラコース

「ハイパースペクトルカメラ」と「マルチスペクトルカメラ」の違い

産業用途・研究用途で多く用いられているハイパースペクトルカメラとマルチスペクトルカメラ、それぞれ複数の波長による撮影を行なうカメラとして有名ですが、その違いは何なのか?わかりやすく解説いたします。

デジタルカメラの種類

私たちが普段目にするデジタルカメラは「RGBカメラ」と呼ばれています。
撮像素子を用いて、光を電気信号に変換しデータを得ます。
RGBカメラだけでなく、光の波長成分(スペクトル)をさらに細かく分析できるカメラとして「マルチスペクトルカメラ」と「ハイパースペクトルカメラ」があります。

これら3つのカメラは「波長情報を認識する」という点では共通しています。
しかし「得られるイメージ」と「バンドの細かさ」という2つの点においては違いがあります。

RGBカメラと、多波長分光カメラ(ハイパースペクトルカメラ、マルチスペクトルカメラ)の違い

違いは、撮影して得られるデータの形式が「2次元か、多次元か」

RGBカメラ

2次元の画像データ

RGBカメラでは、人間の視覚情報に近いイメージを取得できます。
x, y方向の2次元の平面データを色や光の強度で表現します。

マルチスペクトルカメラ/ハイパースペクトルカメラ

分光カメラの画像データ(データキューブ)

マルチスペクトルカメラ、ハイパースペクトルカメラは「分光カメラ」であるため、x, y方向の2次元の平面データに加え、波長の情報も加わります。波長情報が加わったイメージはデータキューブと呼ばれています。
データキューブとは、x, y方向の2次元の平面イメージが分光された波長ごとに層を成しているイメージを指します。

RGBカメラでは、人間の視覚情報に近い2次元のイメージが得られます。

一方、マルチスペクトルカメラとハイパースペクトルカメラは、データキューブという分光された波長情報も含めたイメージを生成できます。
このように得られるデータ形式によって、RGBカメラと、マルチスペクトルカメラ、ハイパースペクトルカメラは区別されます。

各カメラは、バンド数が違う

RGBカメラ

RGBカメラのバンド数

RGBカメラは、3バンドの波長情報を獲得します。

マルチスペクトルカメラ

マルチスペクトルカメラのバンド数

マルチスペクトルカメラの波長情報は10バンド程度です。

ハイパースペクトルカメラ

ハイパースペクトルカメラのバンド数

ハイパースペクトルカメラのバンド数は非常に多いです。

データキューブイメージを得られるマルチスペクトルカメラとハイパースペクトルカメラは「バンドの細かさ」という点で区別されます。
マルチスペクトルカメラが10バンド程度であるのに対し、ハイパースペクトルカメラは100,200バンド以上の波長情報を取得できます。

波長のパターンを分析することで、目視ではわからないデータが得られます

バンド数が「少ない」/「多い」とはこういうこと

マルチスペクトルカメラのスペクトル曲線
マルチスペクトルカメラの場合
ハイパースペクトルカメラのスペクトル曲線
ハイパースペクトルカメラの場合

これはイチゴ(品種:あまおう)のスペクトルデータです。

右がハイパースペクトルメージングを用いた場合のスペクトルデータです。
ハイパースペクトルイメージングでは非常に多くの波長データを取得できるため、このようにスペクトルパターンの特徴も明らかになり、それを活用した研究や産業界での活用等が行なわれております。

他方、左側は4バンドの波長情報を取得するマルチスペクトルイメージングの場合の例です。

ハイパースペクトルカメラ・マルチスペクトルカメラの用途・活用分野

マルチスペクトルカメラは、農業、生物医学研究、食物選別、園芸、精密色検出などに用いられています。
もちろん、ハイパースペクトルカメラもマルチスペクトルカメラと同様あるいは類似した分野で活躍しています。
分野だけでなく、用途にも大きな差異はありません。人間の目には見えない微妙な色の違いや、サンプルの成分の違いを捉えることができるため、品質管理、異物検査といった場面で活躍しています。

マルチスペクトルカメラもハイパースペクトルカメラも、光を波長ごとに分光しイメージングする「分光カメラ」であるという点は同じです。

上記の通り、2つのカメラの大きな違いは「得られるバンド数」にあります。

つまりハイパースペクトルカメラの方が多くの波長イメージを取得できるのです。
そのため、精緻なスペクトルパターンを得たい場合は、ハイパースペクトルカメラを用いる必要があります。
例えば、リモートセンシングによって農地を上空から撮影し、生産物の違いを見分けるといった場合は、生産物それぞれのスペクトルパターンの特徴を割り出さなければならないため、ハイパースペクトルイメージングを用いる必要があります。

マルチスペクトルカメラの活用シーン

他方、マルチスペクトルカメラは「工場などのラインにハイパースペクトルカメラを組み込みたい」というシーンで輝きます。
「数バンドから十数バンド」のみの撮影で目的が達成される場合は、ラインセンサ型のマルチスペクトルカメラがお勧めです。

詳細は下記記事にて解説しています。

まとめ

このように、ハイパースペクトルカメラとマルチスペクトルカメラには、それぞれに特長や利点があります。

用途や目的に合わせ、使用する分光カメラを選択すると良いでしょう。

弊社はハイパースペクトルカメラ、マルチスペクトルカメラの導入実績が豊富です。
お客様の用途に合わせてご紹介いたします。お気軽にご相談ください。

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