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KLV大学 ハイパースペクトルカメラコース

人手不足の現状と次世代の省人化技術、
ハイパースペクトルカメラの可能性

近年人手不足は大きな問題です。
少子高齢化が進む日本において、今後さらに人材確保はより厳しさを増していくでしょう。

各企業は「自動化・省人化」に取り組んでいますが、一般的なカメラでは「人の目を越えられない」というハードルがありました。

その問題を抜本的に改善する可能性を持つ、「ハイパースペクトルカメラ」について、その概要と、各分野での人手不足に対する問題解決例をご紹介いたします。

人の目を越える?ハイパースペクトルカメラとは

ハイパースペクトルカメラは、人の目に見えないものを可視化するカメラです。

例えば、目視や従来のセンサーでは出来なかった下記のようなことが可能です。

  • 微細な異物を発見する
  • 見ただけでは違いが分からない差異を識別する

そのため成分の分析や異物の検出などの用途で活用されています。

ブルーベリーの腐敗部位
(右の画像の赤色部分)を検出

では、なぜこの技術が今省人化に役立つものとして注目されているのでしょう?
それぞれの業界の状況と、ハイパースペクトルカメラの適用例をご紹介いたします。

人手不足の課題とハイパースペクトルカメラの可能性

人手不足による影響は様々です。
ここでは特に課題を抱えている業界について、引き起こされている課題を解説いたします。

製造業

製造業は集約労働的性質があるため、労働力の確保ができなければ、事業継続が危ぶまれます。
そのため人から機械への置き換えや、テクノロジーを用いた製造の効率化が必要です。

異物検査

生産ラインにおける異物混入の検査は、精度を確保するため多くの人手を要しています。

ハイパースペクトルカメラを用いると、目視では発見することが難しい異物を検出することが可能です。
人の目をハイパースペクトルカメラに置き換えることで、異物検査の自動化を実現します。

コーヒーフロート内に埋もれた
プラスチック片(右の画像の赤色部分)の検出

膜厚測定

膜厚が重要な分野は多く存在します。
多くは単一の点で検査を行ないますが、点での検査では後段で不具合が発見されることもしばしばあります。
ラインの停止、不適合品の回収、ラインの調整等で多くの人手が取られる上、生産性も低下します。

ハイパースペクトルカメラを用いた膜厚測定では、「非接触」かつ「面での測定」が可能です。
そのため、これまでできなかった広範囲の全数検査が可能になり、トラブルの低減、トラブル対応人員の抑制など、省人化に貢献します。

㎛単位の厚みの差異を一瞬で識別

水分量測定

食品や薬品などの製造工程で行われている水分量の測定は、多くが手作業です。
中にはアナログな手法もあり、相応の時間を要していることがあります。

ハイパースペクトルカメラは、非接触かつ短時間で測定が可能であり、そのため生産ラインでの全数検査にも適応できます。
こちらも品質の安定化というプラスの貢献価値があります。

製薬

製薬分野も製造業と同様、生産ラインの維持のため人手が必要です。
特に検査の工程において、ハイパースペクトルカメラの活用による省人化が期待されます。

品質管理

医薬品は、有効成分や添加剤などが決まった割合で混合されて作られます。
生産ラインでは最終製品の抜き取り検査が行われており、医薬品の成分分析に人手を要しています。

ハイパースペクトルカメラを生産ラインに導入することで、リアルタイムで全数検査を行う事が可能になります。省人化と同時に品質の担保を実現します。

混同防止

製薬工場では、複数種類の錠剤を生産することがあります。
薬効の異なる錠剤の混同を防ぐためにも、人による成分分析が行われています。

ハイパースペクトルカメラは、形状や大きさの同じ錠剤も、成分の違いにより区別することが可能です。

目視では分からない2種類の錠剤の違いを判別

建設業・インフラ業

建設業は作業者にとって身体への負担が大きい業務もあり、長年人手不足に悩まされている業界の一つです。
加えて近年は、道路・橋・上下水道などのインフラ設備の老朽化が進み、メンテナンスの需要が増加しています。

メンテナンスの実行判断のためには、定期的な設備点検の実施が求められます。
しかし点検は技術者の目視により行われることが多く、人材不足により点検の実施が追い付いていない課題があります。

コンクリートの劣化測定

橋やトンネルの建設にはコンクリートが用いられています。
コンクリートの劣化原因は様々ですが、特に深刻なのは目に見えない内部から劣化するケースです。

一般的にコンクリート内部の劣化を調べるには、建造物の一部を破壊し採取したサンプルを化学分析します。
そのため点検には多くの人手と時間がかかります。

そこでハイパースペクトルカメラを用いると、インフラ設備の点検をより少ない人員で容易に行うことが可能になります。
ハイパースペクトルカメラの撮影データからコンクリートの成分を分析することで、建造物を非破壊・非接触で点検できます。
またハイパースペクトルカメラをドローンに搭載することにより、人が立ち入るのは危険な箇所の点検やより広範囲の点検を実現します。

農業

日本では食料自給率の低さが長年の課題となっている中、近年の人口減少・少子高齢化による就農者減少の影響も懸念されています。
そこで解決策として、リモートセンシングが注目されています。

生育状態の把握

広範囲な農地で、農作物の生育状態を目視で確認するには、多くの人手と時間を要します。

ハイパースペクトルカメラをドローンに搭載し農地を撮影することで、人手を割かず短時間で広範囲のデータを取得できます。
撮影データから得られる情報をもとに、農作物の生育状態を把握し、収穫量の予測も可能です。
就農者の負担を少なくするだけでなく、数値データに基づく生育状態の把握を実現します。

広範な土地の植物の生育状況を可視化

まとめ

人材不足の対応として、あらゆる業界・分野で省人化が求められています。

人の目を機械の目に置き換えて、これまで見えなかったものを可視化するハイパースペクトルカメラは、人手不足の解消に役立つ可能性を秘める画期的な技術です。

撮影した撮影データに対し、ハイパースペクトル用の標準的な画像認識アルゴリズムを使うことで、ご紹介した撮影例のような画像認識処理できるレベルのデータが得られます。

ここまでご紹介してきたものはほんの一例です。
ハイパースペクトルカメラを活用した新たな省人化の取り組みや検討をお手伝いいたします。
「こんな使い方は可能か?」「これを識別することはできるか?」など、是非一度ご相談ください。

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