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プログラマブル照明が、研究の未来を切り拓く
– Telelumen社 President インタビュー

全ての生き物に対し、健全で快適な光を提供できる未来が待っている。

近年「スマートライティング」という言葉が注目を浴びています。
照明に賢さを与えると、何が起こるのでしょう?
照明の光がもたらす多様な効果を研究している人たちが居ます。
特定の波長の、特定の強さの光が、学習・労働・心理・農業・畜産/養殖、ビジネス等、あらゆる分野で有益な結果をもたらす可能性があると考えられており、日夜研究が進んでいます。

賢い光は、人々が望むシーンに合わせ、安心・安らぎ・楽しさ・活力・休息を与えることでしょう。
たとえば、照明の光の波長・強度を時間経過で変化させることが出来れば、地下や深海といった自然の光の届かない世界で、朝焼けから昼のギラつく太陽、落日、そして月の光までも再現することが出来るはずです。
サーカディアンリズム(体内時計)の研究においてもベストなソリューションとなり得ます。

研究者様が狙った光を作り出し、「照明として用いる」ことが出来れば、研究は大きく前進すると考えます。
そのような「可視光を簡単・自在に精度高く作り出し、照明として用いることが出来る照明光源装置”ライト・レプリケーター”を開発製造しているTelelumen社の、PresidentであるSteve Paolini氏にお話をお伺いしました。

LIGHT・REPLICATORの開発を決定したきっかけは?

Steve氏:歴史を見て分かるのは、新しい技術が古い技術に取って代わるとき、最初に出てくる商品はこれまで市場に存在していた商品を模したものであるということです。例えば真空管がトランジスタに移行した時、最初に商品として出てきたのはラジオやアンプなど外観や機能が従来品と類似したものでした。

製品紹介

GUI

ライト・レプリケーターは、一言で言うと「プログラムで自在に光を出せる照明」です。
光の操作はWindowsプログラムのGUIで、明るさ、色温度、演色性といった指標でのコントロールが容易にでき、さらにスペクトルパワー分布をミキサーのように上下させ、直感的に光を作り出すことも可能です。

通常の照明と同様、天井に下向きに取り付けて部屋を照らす明かりとして用いることが出来ます。

時間経過で光を変化させることも可能で、生体リズムの研究や先進的・実験的な環境づくりに最適です。
また、分光器を使いスペクトルを記録し、再現することも出来ます。
例えば、南国の浜辺で1日の光を記録しておき、日本の実験室で再現することも可能です。

ライト・レプリケーターの主要機能のひとつ、「光を記録して再生できる」このユニークな機能の開発理由は?

Telelumen社President

Steve氏:我々は、日光と火の光は人間が進化を共にしてきた光源だと信じています。
これらの光源は、時間とともに変化するスペクトルをもっています。人にとっての健全で快適な照明光の第一歩を考えるにあたり、自然の光源を捉えるのが良いだろうと我々は考えました。
暮らしとともにある光はゆっくりと、しかし大きな変化をみせます。どの面が鍵となるのかが明らかで無いため、日光のような良く知られた光を再現するところから始めようと考えました。

Telelumenの製品のターゲットは?

Steve氏:弊社製品は研究者をターゲットにしています。新しいことを試して新たな可能性を探るのは研究者だからです。
我々の顧客は大学や政府研究所、照明企業、家電メーカーです。
最近ではヘルスケア研究所が、照明が患者に与えるポジティブな影響を発見したりしています。

ターゲット

どんな用途で使われることを想定していますか?

8チャンネルの「Telelumen Octa™(8バンド)」は、研究者に加えて、より多くの人が光を体験できるよう照明範囲の拡大を模索している開発者がターゲットです。

波長を変えることができる光源製品はこれまでもありましたが、それらとは大きく異なるように感じています。他のプログラマブル光源製品と比較して、異なる点は何でしょう?

Steve氏:弊社の製品には3つのキーポイントが組み合わされており、これは他社製品にはないものだと考えています。


3つのキーポイント

1

色の数が他社製品よりも多い

2

センサーだけでなく、人のための環境を照らすのに十分な照明を生みだす

3

スペクトル制御の際に、より多くのことを、より簡単にできるソフトウェア

産業用途・研究用途での事例にはどのようなものがありますか?

Steve氏:産業用途のひとつとして、他の照明製品の開発シーンで用いられています。
例えばある照明メーカーが衣服・果物・野菜を照らす光の開発に関心を持っていたとします。こういったケースでは、主要な製品の反射スペクトルから始め、たくさんの実験を行うために、多くのスペクトルを開発します。
結果として、人間工学による検証から興味深い項目が得られます。衣服などの商品の場合、見た目を良くするために蛍光増白剤が使用されます。これらの蛍光増白剤は約420nm以下の波長で活性青色化されます。この波長は、白色LEDの通常の青ピーク波長よりも短いものです。弊社のライト・レプリケーターは、複数の波長を持っています。

他にも、カメラなどのセンサーをテストする用途に用いられています。
通常、カメラには様々な照明条件に対する露光を調整するためのファームウェアが組み込まれています。弊社製品は、カメラのファームウェアの有効性をテストするために、ほぼ無限の種類のスペクトルパワー分布(SPD)を生成することができます。
研究用途の例としては、医療や労働現場において、照明スペクトルとそのタイミングが人の健康や生産性に与える影響を評価することが挙げられます。

当社の顧客も様々な用途で、御社製品についてご相談を頂いております。
最近の例では京都大学様に研究用途でのご導入をいただきました。
日本市場では特に研究用途のニーズが強いように感じていますが、グローバルで見ると企業や病院での「効果を来しての実用的導入」と「純粋な研究用途の導入」どちらの案件が増えていると感じますか?

Steve氏:世界中で様々な用途に使用されており、国によってはっきりと定まっているわけではありません。弊社顧客の多くは研究施設関連で、次に開発施設、そしてより大規模な事例研究が続きます。

Telelumenを起業する前はどのような仕事を?

Telelumen社President

Steve氏:自分は電気工学の学位を持っており、大学を卒業して最初に就いたのはHewlett PackardでのLED用テスターの設計の仕事でした。当時の主流は5mmのランプでした。
後に日本に異動になり、日本市場におけるLEDの開発センターの立ち上げに携わりました。次にマレーシアHPのLEDパッケージング工場で製品導入マネージャとして新たに働くことになり、その後また日本に戻ってオプトエレクトロニクスの日本担当マネージャとなりました。

2000年にHPが2社に分社し同時にLumiledsという照明市場向けのLED開発合弁事業を立ち上げたため、自分は知的財産担当マネージャとしてLumiledsに移りました。
そこで次に新事業開発マネージャとなり、最後は蛍光白色LEDの担当マネージャとなりましたが、その頃LumiledsがPhillipsに買収されたため一部社員は持ち株を現金化して別の道へと進み、自分の場合はTelelumenを創立したというわけです。

企画から生産まで、ライト・レプリケーターの商品化までにかかった時間は?

Steve氏:企画から生産までは約2年かかりました。
最初のころは、LEDのたくさんの波長を見つけることが非常に難しく、自分は色々な会社に出向いて特殊な波長を作ってほしいと頼んで歩きました。
次に高出力チップの実装をしてくれるパッケージング会社を見つける必要がありました。
さらにこの電気回路が難しい理由は2つ。
「1.我々はダイナミックレンジが100万~1と非常に広いものを求めていました」人間の目の可視域だからですが、通常ダイナミックレンジは256~1です。「2.光に時間軸を追加したかったこと」日光とはそういうものだからです。
そして、最後にソフトウェアの開発が必要でした。

光をコントロールするソフトウェアも非常に使いやすいと感じています。実現のために困難もあったのでは?

Steve氏:はい、一番の困難はソフトウェアでした。
RGBの3色しかない場合、任意のカラーを作るための解は1つしか存在しません。3色以上あれば解の種類は無限大となります。
いかに早く一つの良い解を選択するか、それが大きな挑戦でした。また、時間機能を追加するとハードウェアとソフトウェアの双方に波及効果が出てしまいます。
これら2つの領域についてうまく切り抜けることで、使いやすさを伴った製品が実現出来ました。

世界中のあらゆる場所から光の記録を採取したと聞きました。最も印象的だった場所は?

アビスコ

Steve氏:印象に残った場所はいくつかあります。富士山山頂で早朝の光を採取しましたが、山頂は非常に美しく東京よりもかなり空気が澄んでいました。
もう1つ面白かった場所はスウェーデンのアビスコです。
ここは北極圏内にあるため夏でも太陽の位置が非常に低いのです。
その逆がマレーシアのクアラルンプールで、ここは太陽が非常に空の高い位置にあります。天気やロケーションがそれほどよくなくても、世界中で日中これほどの違いがあるのを観察するのはやはり興味深いことです。
現在1000件を超える記録を採取しており、これからも追加し続ける予定です。

最近では光の色を変えることができる製品や「スマート照明」といった製品が出てきていますが、今後の照明の方向性は?

Telelumen社President

Steve氏:スマート照明とはどういうものであるべきなのかを市場が理解しようとしている、というのが大方の現状だと思います。明確な答えというのはまだありませんが、ある種のトレンドはあります。
建物の中にはたくさんの照明ノードがあるため、各照明にセンサーやインターネットをつけることでセキュリティといった新たに欲しい機能やプライバシーの問題といった望ましくないものに対する機能を提供する可能性が広がります。現代のシステムのほとんどは独自のもので操作が複雑です。
我々は広く採用されるにはより標準化され単純化されたインターフェースが必要だと考えました。Telelumenは、パワフルで誰もが使い方を知っている(音楽プレイヤーやビデオプレイヤーといった)プレイヤーのインターフェースをサポートしています。

貴社の開発ロードマップを教えてください。

Telelumen社President

Steve氏:今年は再度ソフトウェアをアップデートし、機能をいくつか追加する他、顧客が独自コードを開発するための制御性を高める予定です。
IR波長や蛍光変換LEDの追加要望も受けています。具体的な要望があれば是非教えてください。

これからも是非ご協力させてください。本日は誠に有難うございました。

Telelumen社President

詳しいデモンストレーションは、Youtube動画にてご用意しております。

製品紹介

Telelumen Octa™(8バンド)

Telelumen Octa™(8バンド)

Telelumen Octa™は、最大2,500ルーメンのフル・スペクトル動的照明を提供します。1,400K~50,000Kの範囲で照明をコントロール出来、可視範囲の大部分に対応するカラー・ポイントを実現します。また、「LumenScripts」を使用して、静的に光を発光するか、動的に光を演出することができます。

製品詳細
波長可変光源ページ