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スペクトル(Spectrum)とは、光や信号などの波を成分に分解し、成分ごとの大小(強度)を見やすく配列したものです。 スペクトルは、以下のような2次元の図で表され、その形によって連続スペクトルや線スペクトルなど呼ばれます。
本記事では、代表的なスペクトルの種類として、[1]分光スペクトルと[2]周波数スペクトルの2つを説明します。
光を波長毎に分解し、波長ごとの強度を示した図です。 主に分光器などで測定した結果として得られるX軸に波長、Y軸に強度(Intensity)で表されるグラフで、「分光分布図」とも呼ばれます。 以下に、太陽光と照明のスペクトルを示します。太陽光や照明は、いろいろな波長の光の集まりなので、スペクトルを見ることで、それぞれどのような波長の光を有しているかが一目でわかります。
そして、分光スペクトルを読み取ることで、物質固有の性質などを見ることができます。 測定対象の分光特性はデータベースを用いて調べることが可能です。
2021.08.04
また、分光スペクトルは、分光法の種類によって、特有の呼び方をします。今回は代表的な分光スペクトルの種類を3つ紹介します。
ある物質に照射された光(リファレンス光※)から、反射された光のスペクトルのことを言います。 個体によって吸収する光の波長/反射する光の波長が異なるため、スペクトルを確認することで、成分分析や物質の同定を行うことができます。
ある物質に照射された光(リファレンス光※)から、透過した光のスペクトルのことを言います。 光を物質に透過させた際に、対象物に含まれる成分の濃度によって特定の波長で発生する吸収の量が変化することから、物質の成分量の測定が可能です。 液体のように透明度が高く光を透過しやすい物質に対して使用します。
リファレンス光のスペクトルから反射スペクトルまたは透過スペクトルを引くことで算出できる物質が吸収した光のスペクトルのことを言います。 物質には固有の吸収スペクトルがあるため、この情報を得ることで物質の成分量測定や同定をすることができます。
測定する試料(媒体+試料)の分光スぺクトルを得るために使用する光で、媒体のみスペクトルをレファレンス光といいます。
媒体には気体(大気、ガス等)、液体(水、溶剤)、固体(ガラス、基板等)などがあります。未知試料の透過、吸収、反射等の分光スペクトルを測定する場合、予めレファレンス光のスペクトルを測定しておき、キヤンセリングすることで測定する試料のみの分光スペクトルを算出できます。
具体的なリファレンススペクトルの例をご紹介します。 ”測定したいスペクトルが何か”ということを念頭においてリファレンススペクトルを選択することが重要です。
分光スペクトル測定に使用する光源は、測定波長をカバーしたものを選択する必要があります。一般的には、波長と強度の経時的なバラつきが少ない白熱級、ハロゲンランプ、D2ランプ、LEDなどが使用されます。
信号を周波数毎に分解し、周波数ごとの強度を示した図です。 信号をフーリエ変換して、X軸が周波数、Y軸に強度(振幅)で表すことでグラフを作成します。 周波数スペクトルから、特定の周波数のノイズまたは異常値を検出することができるため、異音の検知や監視目的として利用することができます。
分光スペクトルを取得することができるのが分光器。分光器の原理、種類、用途などをわかりやすく解説します。
光学製品を専門で扱っているケイエルブイでは、分光にまつわるコンテンツをわかりやすくお届けしています。 分光に興味のある方は是非、【KLV大学 分光コース】にお越しください。
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