IoTにおける五感!
センサーの重要性と導入法
2018.07.05 | IoT, センサー
なぜセンサーが重要か
IoTの台頭と比例して、センサーの重要性も高まってくることでしょう。
IoTは情報を、インターネットを介して伝えることができますが、この情報を感知するためには、センサーが必要不可欠となってきます。
IoTデバイスには、センサーが組み込まれていることが前提となっているため、IoTの需要が伸びるにつれて、必然的にセンサーの必要性も上昇することでしょう。
しかし、それは必要性であって、重要性ではありません。
IoTにとってセンサーが、どうして重要か。
それは、 センサーが意識されていなかった情報の価値を高める役割を担っているからです。
センサーが集めるのは、光や音、振動といった人間が無意識に受け取っている情報です。
人間はこういった情報を、五感を使って集めています。例えば、目が光情報を感知すると、その情報は網膜によって電気信号に変換され、視神経を通して脳へと送られます。光という情報を、認識できる形へと変換することで、人間は世界を知覚しているのです。
センサーも人間の五感と同じです。見えない情報を、人間が認識できる信号へと変換しています。
これだけでは、センサーの重要性は見えてきませんが、センサーがIoTへと組み込まれることを想定して考えると、その大切さが見えてくることでしょう。
私たちは普段、さまざまな種類の膨大な情報を無意識のうちに認識し、処理しています。
無意識に認識しているからこそ、これらの情報はあまり重要視されていません。
しかし、IoTセンサーは、この無意識の情報を、信号に変換します。
つまり、私たちが普段、受け流している情報を可視化する手助けをしてくれます。人間にとって、無意識の情報に価値を与える、それこそがIoTセンサーの役割です。
これまで意識されてなかった情報を「見える化」することで、ぼんやりとしか認識されていなかった課題を明確にしたり、取得した情報を活用することで新しい価値を生み出したりするなど、センサーから得られる情報の価値は無限大です。
IoTにとって、もっとも価値が高いのは、IoTによって得られる情報・データです。
人間が五感によって、世界を認識し、改善したり、新しいものを創造したりするように、IoTはセンサーによって、必要な情報を収集し、私たちの課題解決や価値創造のベースとなるデータを可視化してくれます。
つまり、センサーは IoTにとっての五感なのです。
それだけでなく、人間が認識できない情報もセンサーは得ることができます。私たちは赤外線を見ることができませんが、赤外線センサーであれば、赤外線を感知できます。 私たちが今まで得られていなかった情報を得るための目や耳として、また五感以上の情報を得るために、センサーを活用しましょう。
センサーの導入法
― 「なぜIoTを導入するのか」が大切
では、IoTにおいて、どのようにセンサーを活用すればいいのでしょうか。
IoTデバイスにセンサーを組み込む場合、「どんなセンサーを組み込むか」「どんなデバイスに組み込むか」ではなく、
「IoTによって何をやりたい・実現したい・成し遂げたいのか」といった目的を定めなければなりません。
というのも、モノにフォーカスしてしまうと、「IoTによって情報を収集・活用し、課題解決や価値創造へとつなげる」というIoT本来の価値が失われて、単なる「インターネットにつながったモノ」となってしまうからです。
IoTはそれ自体に価値があるのではなく、私たちが IoTを活用することで、初めて価値を生み出すことができます。 そのために、まずは「なぜIoTを導入するのか」といった、IoTを導入する目的を設定する必要があるでしょう。
― センサーは欲しいデータ別に選ぶ
目的が定まったら、次にその目的を達成するために、どんなデータが欲しいか考えると良いでしょう。
そして、そのデータを得るために、測定対象を見極めます。そしてようやく、どんなセンサーが必要かを考える段階へと至るのです。
例えば、生産設備が故障し、製造ラインがストップしがちな工場であれば、「製造ラインのストップする回数を減らしたい」という目的を設定するでしょう。
従来は管理者が設備を目で見て確認するやり方がとられており、設備に設置されている表示灯のランプで異常に気づく、という状態でした。これを改善するために、設備をIoT化します。設備のモーターの異常を観測するためには、「振動を感知するセンサー」と「温度を感知するセンサー」が必要です。これらを生産設備へと取り付けました。
センサーにより「正常な状態のモーターのデータ」と「異常な場合のモーターのデータ」の情報を集めることができるようになります。
そして、センサーから出力されるデータから特定のパターンを導き出すことで、設備の故障を事前に察知し、迅速に対応することで、当初の目的であった「製造ラインのストップする回数を減らしたい」を達成することにつながるのです。
何のために、どんなデータが欲しいか、これをふまえて、センサーを選ぶことで目的を達成するためのIoTを実現することができるのです。
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