FiSens(フィセンス)社は弊社取扱のFBGとインテロゲータの製造メーカーです。
FiSens社の強みは「技術力」にあります。
FiSens社の技術力
- フェムト秒レーザー加工技術
- 特許技術「Aspheric chirped grating」
このFiSens社の優れた技術力は、お客様にとっても重要な「コスト」の課題を解消しました。
では、これら2つの技術力がどのように低コスト化に貢献したのでしょうか?
今回はFiSens社の製品が「低コスト」な理由を、FiSens社の優れた技術力と併せてご紹介致します。
「フェムト秒レーザー加工技術」がFBGの低コスト化を実現
コストカットと言うと「品質や性能を落としたのではないか?」という疑念をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、FiSens社の革新性は「技術力で無駄な工程を省いた」という点にあります。
無駄な工程とは「光ファイバー加工時に発生する無駄な工程」です。
この光ファイバー加工時に発生する工程を、FiSens社の「フェムト秒レーザー加工技術」が大幅に短縮しました。
では「工程の短縮」において、どのように「FiSens社の技術力」が貢献したのでしょうか?
これは「従来の加工工程」と比較するとわかりやすいでしょう。
従来の加工工程
「加工工程」とは「光ファイバーのコアに書き込み」を指します。
そもそもFBGは「光ファイバーのコアに書き込まれた回折格子」ですので、お客様のニーズに合わせて光ファイバーのコアへとFBGを描画する必要があります。
従来の描画方法では、コーティングを剥がしたファイバー(コアとクラッド)に紫外線レーザーを照射して書き込んでいました。
コーティングを剥がす
FBGをレーザーで書き込む
再度コーティングを施す
ご覧いただければ分かる通り、この工程では「一度剥がしたコーティングを再度施す」という無駄な工程が発生します。
これは通常のレーザー加工ではコアを剥がさないとコーティング出来ないためです。
フェムト秒レーザー加工技術を用いた場合
フェムト秒レーザー加工は周囲のクラッドやコーティングと干渉することなく、光ファイバーのコアにFBGを直接刻み込みます。
端的に言えば「コーティングされた状態でのFBGの書き込みが可能」であるということです。
従来の方法では、コーティングを剥がさないとコアへのFBG書き込みはできませんでした。
一方、フェムト秒レーザー加工ではコーティングされたファイバーに直接FBGを書き込むことができます。
よって、FBGの書き込みのためにコーティングを剥がす必要はなくなります。
コーティング、クラッドと干渉しないFBG描画技術、それが「フェムト秒レーザー加工技術」です。
FiSens社はこの技術によって「コーティングを剥がす」、「再度コーティングを施す」という2つの工程を省き、コストカットを実現しました。
また「フェムト秒レーザー加工」は、光ファイバー全体で20nm未満の精度を発揮します。
- 高精度でのFBG書き込み
- 工程の省略による製造コスト抑制
FiSens社のレーザー加工技術はこれら2つを同時に実現しました。
そのため「低コスト」で「高品質」なFBGを提供できます。
特許技術による低コスト化
FBGは光ファイバーのコア中に存在する「検出素子」ですので、光ファイバー単体ではセンサーとして機能しません。
光ファイバー(FBG)をセンサーとして用いるためには、測定器である「インテロゲータ」が必要です。
- 光ファイバーへな光を入射する役割
- 反射光を測定する役割
さて、FiSens社の特許技術「Aspheric chirped grating」が用いられているのは「反射光の測定」時です。
インテロゲータはFBGの「反射光」の波長と強度を測定しています。
測定された光の情報は「温度」等、人間が読める値へと変換されます。
そのためFBGがセンサーとして機能するためには、インテロゲータとの接続と、インテロゲータによる反射光の測定が不可欠です。
FiSens社は特許技術によって「反射光」を測定するための部品数を減らしたことによって、インテロゲータの小型化と低コスト化を実現しました。
特許技術による部品数の最小化
反射光を測定するためには、波長を割り出すための「分光」や「検出」が欠かせません。
そのため一般的なインテロゲータには、次のような部品が組み込まれています。
- 検出器
- スリット
- グレーティング
- レンズ
- ミラー
他にも光学素子・パーツが組み込まれていますが、特許技術「Aspheric chirped grating」によって、2つの部品のみで、分光・検出が可能になりました。
「Aspheric chirped grating」は、インテロゲータ内部のファイバー側面から分光された光が照射される構造になっております。
このため、ファイバーとCMOS検出器のみで分光と検出が可能です。
部品数の削減によって低コスト化されたインテロゲータの販売が叶いました。
FBGとインテロゲータのセット販売
フェムト秒レーザー加工技術によって「光ファイバー(FBG)の低コスト化」が、特許技術によって「インテロゲータの低コスト化」が実現しました。
これまで、FiSens社の製品が低コストな理由を解説してきましたが、実はもう一つ理由があります。
弊社「FBG」は光ファイバー(FBG)とインテロゲータをセットで取り扱っています。
このセットでの販売形式そのものが「低コスト」な理由の一つです。
一般的にFBGは光ファイバーとして単体で販売されています。
勿論インテロゲータも同様です。
ではセットで取り扱うことでどのようなメリットがあるのでしょうか?
セット販売のメリット
一つのセンサーで複数のセンサーとして活用できる点が大きなメリットです。
これはセット販売のメリットというよりは「FBGによる光ファイバーセンシングのメリット」に近い内容ですが、FBGは複数のセンサーとして機能します。
例えば「温度」を測定するにはサーモパイル等の温度測定に最適化されたセンサーが、「ひずみ」を測定するにはひずみゲージが必要ですが、FBGによる光ファイバーセンシングの場合、次の値を測定できます。
FBGによって測定できる内容
- 温度
- ひずみ
- 加速度
何故、これ程多くの値を測定できるのかというと「波長シフト」から、これらの値を割り出しているからです。
直接「温度・ひずみ」を測っているのではなく、インテロゲータはあくまで「光」を測定しています。
FBGの反射光(ブラッグ波長)は、敏感に温度やひずみによる変化を感じ取るため、光の変化を見ることで温度やひずみを測定できます。
そのためFBGによる光ファイバーセンシングは電気設備のモニタリング用途など幅広い業種のモニタリング用途にて活用されています。
とはいえ上述した通り、一般的にはFBG、インテロゲータは個別で販売されているため、別々に揃えて頂く必要がありますが、当社ではFBGとインテロゲータのセット販売に対応しております。
(付属の専用ソフトウェアによってひずみ、温度シフトの自動計算が可能です。)
稼働中の設備のモニタリングをお考えの方や、複数の値を多点測定をご希望の方は、是非FiSens社のFBGセンシングシステム(FBG, インテロゲータ)の活用をご検討ください。
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