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異常検知と機械学習・センサーとの関係!
過酷環境との適合は?

2020.06.26 |  FBG , 光ファイバー

異常検知とは、通常とは異なる振る舞いをするデータを検出する技術を指します。

一口に「異常検知」といっても、健康異常の検知や、クレジットカードでの不正利用の検知など、幅広い分野で利用されていますが、今回は製造現場や設備のモニタリングや故障の予兆監視で用いられる異常検知を中心にご紹介します。

異常を検知するとは?

そもそも「異常」とは何を指すのでしょうか?

言葉の意味としては「通常と異なる状態=異常」です。
具体的には、通常にはないデータが混入していたり、故障と直結するような機器の問題であったりするでしょう。

このように機器が通常と異なる動作をしているケースについて、私たちは「異常」と表現します。
しかし異常検知ではこのように「具体的な問題」を取り扱うのではなく、数値に置き換えられたデータの中から「異常」を探します。
これが異常検知の基本です。

温度や電圧、振動など全てを数値に置き換えデータ化します。
データから異常を探す場合は「正常なデータ」と「異常なデータ」を区別します。

つまり、異常検知における異常とは「正常とは異なる振る舞いをするデータ」を指します。

例えば次のようなデータです。
明らかに他のデータとは距離がありますよね?

距離のあるデータ

このようなデータを「正常とは異なる振る舞いをするデータ」、つまり「異常」と言います。

他にも、外れ値(outlier)、珍しい物(novelty)、雑音(noise)、変動(deviation)、例外(exception)などとも呼ばれています (Wikipedia「異常検知」を参考

具体的に、何が「異常」かは、タスクによって異なります。
設備の温度が高い・低いケース、必要以上の電圧がかかっているケースを「異常」と判断するかもしれません。

これらは全てデータに落とし込んで評価されます。
あらかじめモデル化された分布に適合しない場合「異常」と見なされます。

つまり「異常」の判断には、判断材料となるデータが必要なのです。

「異常」を検知するには「正常」を知る必要がある

「正常」がわからないと「異常」を見つけられません。
「正常とは異なる振る舞いをするデータ」を見つけるためには、そもそも「正常」な状態を把握しなければならないでしょう。
また「どこからどこまでが正常で、これを超えたら異常」という線引きが求められる場合もあります。

近年、機械学習を利用した異常検知システムの開発や普及が進められています。
異常検知が機械学習と関連した文脈で語られたり、異常検知システムに欠かせないものとされているのは、測定データから異常を識別する必要があるからです。

測定データを分析することで、正常・異常の判別を行うパターンを見つけたり、アルゴリズムを形成します。
この測定データの分析に機械学習が用いられます。

機械が自動的に正常・異常を判断するためには、判断の元となるデータと、判断するためのアルゴリズムが欠かせません。

異常検知と機械学習

従来であれば、機械にセンサーを設置し、人間がセンサーの値を見ながら判断することで異常を見抜いていました。

現在模索されている「異常検知」では、人間ではなく、機械が異常を識別します。
人間の判断を介在せずに異常を見抜くためには、機械に人間と同様の判断能力が求められます。そのために機械学習が必要とされます。

機械学習では大別して2つの方法が用いられます。

教師あり学習

教師あり学習とは、名前の通り「教師」が必要な学習です。
端的にいうと、人間が教師となって機械に「正解」を教えることで、機会が学習を行う方法です。

例えば、猫の画像を読み込ませる際に「猫」とラベリングします。アルゴリズムはこのラベルに基づいてトレーニングを行い、データを予測していくことで、猫を判別できるようになっていくというものです。

異常検知の場合も同様で、異常・正常のラベリングが行われたデータセットと、それに基づいたトレーニングが必要になります。

教師あり学習のポイントは「異常データが必要」という点です。
機械は過去の異常データから学習することで、異常と正常を判別するモデルを構築します。

またこの方法では、機械が予め学習した異常のみしか検出できません。
未知の異常を見つけるというタスクにおいては「教師なし学習」が優れています。

教師なし学習

「教師あり」との比較で言うならば、「教師なし学習」は、正解のラベルを必要としない学習方法です。

「教師あり学習」では、異常を見分けるためには「異常データ」が必要でした。

ですが、上述の通り「正常」を知っていれば異常は見分けられます。
「正常に当てはまらない例外」として異常を検出する方法が教師なし学習によるものです。

「正常データ」をモデリングし、このモデルに当てはまらないデータを「異常」と判断します。

正常なデータについては、類似性・規則性に基づいて機械が自分で分類することによって、モデルを構築します。

モデル化された「正常なデータ」から外れたデータを異常とみなします。そのため「未知の異常」に対しても対応できるという点が強みです。

異常検知の方法

異常検知には大きく分けて3つの方法があります。

  1. 外れ値検知
  2. 変化点検知
  3. 異常部位検知

これらは「何を異常とするか」が異なります。

外れ値検知

外れ値(Outlier)とは、統計学で用いられる言葉で「逸脱した値」を指します。

外れ値検知

外れ値(はずれち、英: outlier)は、統計学において、他の値から大きく外れた値のこと。測定ミス・記録ミス等に起因する異常値とは概念的には異なるが、実用上は区別できないこともある。

Wikipedia「外れ値」より引用

つまり、外れ値=異常とみなす方法です。
他のデータから逸脱した振る舞いをするデータを検知することで異常を見抜く方法です。

変化点検知

「変化点」を見ることで、異常を検知します。
データに異常が起こること=通常とは異なる急激な変化をすると捉えると、この「変化」が起こったポイントを見ることで異常を見分けられます。

変化点検知

どうやって「変化」を割り出すのでしょうか。
例えば、ホテリング理論を用いた方法では、過去のデータから予測値を割り出し、その予測値と測定値にどれだけ差異があるかで割り出すというものがあります。

異常部位検知

異常を外れ値と言うのは上述の通りですが「異常部位」は「時系列データ」の中の「外れ値」を指すとお考えください。

連続してデータを取得すると「通常とは異なるデータ」が部分的に発生します。
これを「異常部位」とし、検出する方法です。

異常部位検知

異常検知とセンサーの関係

さて、機械学習や異常を検知するための手法はわかりました。
しかし、そもそも「分析するための元となるデータ」がないとアルゴリズムを形成することはできません。

では、データはどうやって集めるのでしょうか?
そのためには「センサー」が必要です。

異常検知におけるセンサーの役割

  • データを集める
  • 異常を検知する

センサーによって測定された温度や音響などのデータが数値化されて「異常」が検知されます。
正常・異常の線引きをする元となるデータ収集時から、稼働設備のモニタリングを行う時まで、センサーは欠かせません。

異常検知の全体像

ここまででおおよそ、異常検知の全体像や、センサー、機械学習それぞれの役割が掴めたことと思います。

  1. センサーによるデータの収集
  2. 異常を識別するためのアルゴリズムの形成(機械学習)
  3. 稼働設備をモニタリング

センサーでなくとも構いませんが、まずは機械の判断材料となるデータが必要です。
なお、機械学習の方法(教師あり・なし)によって、必要なデータは変わってきます。

実際に稼働中の機器・設備をモニタリングする段階では、センサーが機械に判断させるための情報を提供します。

この情報は、取得されるセンサーによって異なります。
温度のデータが欲しい場合は、温度センサー。音響データが欲しい場合は、音響センサーというように、検知したい異常に応じて設置すべきセンサーも違ってきます。

機械はセンサーによって収集されたデータに基づいて、異常を検知します。
異常が検知された場合、必要に応じてアラートを出すことで人間に問題が起きていることを知らせます。

「過酷環境への適合」という課題

異常検知では「正確なデータ測定」が重要です。
そのための課題として「過酷環境への適合」が挙げられます。

正常データと異なる振る舞いをするデータは「異常」として検知されます。
その中でもデータにノイズが入りやすい環境や、高温などセンサーそれ自体に耐久性が求められる環境を当記事では「過酷環境」と呼んでいます。

過酷環境における異常検知では「異常とノイズの判別」が一つの課題となっています。

例えば、電磁ノイズ。
常日頃から電磁ノイズが入る環境の場合、当然センサーや検出機器も電磁ノイズの影響を受けます。
すると、センサーによって取得されたデータもまた「ノイズの影響を受けたデータ」となります。

測定データにノイズが入ることでそもそも正常時のデータパターン割り出しが困難だったり、実際に異常を検知する場合にこの「ノイズ」が「異常」として判断されるなどのケースが考えられます。

さらに問題があるのは「ノイズ」よりも「異常」が小さかった場合です。
例えば音響(音圧)や振動を取得し、それが通常と異なる場合は異常として検知されますが、異常がノイズよりも小さいと埋もれてしまいます。

ノイズか、異常か。
これを「ソフトウェア側」で区別する試みも進められています。
一方で「センサー」を工夫することで、ノイズを抑制するという方法もあります。

つまり「測定ノイズの抑制」です。
ノイズそれ自体を小さくして、測定データにノイズが混ざらないようにするという方法です。
過酷環境下でノイズが大きい場合には、いかにセンサーのノイズを少なくできるかという点も重要です。

ソフトウェア側でノイズを判断するのではなく、異常を検知する「センサー」で問題を解決する方法として「光ファイバーセンサー」の活用があります。

過酷環境の異常検知なら「光ファイバーセンシング」

光ファイバーをセンサーとして機能させることを、光ファイバーセンシングと言います。

光ファイバーセンシングにおける大きなメリットは「過酷な環境でも正常に動作する」という点です。

光ファイバーセンシングでは、センサーの検出素子に「光ファイバー」が用いられます。
光ファイバーは熱や歪みに強いだけでなく、電磁ノイズや防爆への耐性もあります。

実際に富士通株式会社では、測定が難しい過酷環境において「光ファイバー」を用いた予兆監視モデルを発表しています。

FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics 予兆監視モデル for 光ファイバー温度検知ソリューション(以下、ODMA予兆監視for光ファイバー)は、配管やケーブルなどの設備や製造装置に広範囲に張り巡らせた光ファイバーにより、精密かつリアルタイムな温度測定を行い、専用AIにより温度データを相関的に分析することで、精密な異常検知を行います。

富士通株式会社「光ファイバー、AI技術を活用した精密な異常検知により設備・製造品の保守作業品質を向上」より引用(最終閲覧日:2020/06/15)

こちらのページで紹介されている通り、配管の漏えいや設備監視、製造業の品質管理でも光ファイバーセンサーは活用できます。

光ファイバーセンシングのメリット

  • センサーへの「電磁ノイズの影響」を最小限に抑制
  • 防爆性に優れ高温環境へも適応
  • 短い間隔(10cmなど)でセンサーを配置

光ファイバーセンサーには上述したノイズの問題だけでなく、高温な環境にも適応できるという強みがあります。

また「光ファイバーセンサー」の場合、1本の光ファイバーで多点測定が可能です。
他のセンサーのように「測定したい箇所に個別にセンサーを設置」する必要はありません。

1つのファイバーでの測定が実現するため、複数個のセンサーを用いるよりも、管理がしやすいという特徴があります。

こちらは光ファイバーを用いた「音響(音圧)センサー」です。

音響センサー Myotis 1400ht 高温タイプ マイクロフォン

他社製マイクロフォンでは対応できない過酷な環境下でも集音できるよう設計!

【PhonOptics】音響センサー Myotis 1400ht 高温タイプ マイクロフォン

PhonOptics社のマイクロフォンは高温環境、強電磁場環境にも対応可能。
さらに、防爆性に優れているため、火花の発生もありません。
また、PhonOptics社は、音響の他にも光ファイバーを用いて、動圧、振動、距離、ポジションを測定するセンサーを作る技術も有しています。
光ファイバーを用いてセンシングしたいものがある場合は、製品ページからお問い合わせください。

また光ファイバーの強みである「多点測定」が活かせるセンサーもございます。

FBG(温度・ひずみ・圧力センサー)

長距離測定・複数箇所の同時測定が可能!特許技術により低コスト化が実現!

【FiSens】FBG(温度・ひずみ・圧力センサー)

光ファイバーはその構造上、曲げに強く柔軟であるという特徴を持ち合わせていますが、これらのセンサーは双方とも「磁場の強い環境」でも、電磁ノイズの影響を受けることなく稼働します。

防爆に優れているという特性を持ち合わせた、耐久性の高い製品です。