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FBGセンサーとは

FBG(Fiber Bragg Grating:ファイバ・ブラッグ・グレーティング)とは、光ファイバーのコア内に短いセグメントで構築された屈折率変調(回折格子)を指します。

またインテロゲータと組み合わせることで、温度やひずみ、圧力などを測るセンサーとして機能します。

FBGの基本

まずはFBGがどういう物か次の3つの視点から整理していきます。

  • FBGはどこに形成されるか?
  • FBGの役割は?
  • FBGは何か

それでは、詳細に移りましょう。

FBGはどこに形成されるか?

まずFBGは「光ファイバーの内部に形成される」ということをご理解ください。
さらに詳細に言うと「コア」に形成されます。

光ファイバーは屈折率の高い透明な「コア」と、屈折率の低い「クラッド」の二重構造になっています。

FBGはこの「コアの内部」にあります。

コアとクラッドと被覆とFBG

ファイバーへの入射光はコアを全反射しながら進むため、コアは「光の通り道」とも言えます。
つまりFBGは「光の通り道」に形成される訳ですが、図を見ていただくとわかる通り、光を遮るように作られていることがわかります。

実際は「光を遮る」訳ではないためこの表現には語弊がありますが、ある種の「フィルタリング」がFBGで行われています。

さて、光ファイバーは「光を通す物」ですが、わざわざこのような構造を埋め込むのは何故でしょうか。
これが「FBGの役割」と関わってきます。

FBGの役割は?

FBGはコア内で透過する光を選別する役割を担っています。

コア内にFBGを形成することで、FBGを「透過する光」と「反射する光」が出てきます。
(先ほどフィルタリングと言ったのはこういう意味です。)

反射光が重要

民生用の光ファイバーの場合、光を伝送する役割を担っているため、特別な目的がない限り光を反射させる構造を形成することはありません。

ですが光ファイバーセンシングでは「反射光」にこそ大きな意味があります。(詳細は下記にて解説)
そのため「反射光」と反射せずに通過する「透過光」を選り分けるために、FBGが光ファイバーのコアへと形成されているのです。

FBGは何か?

FBGは、光の通り道である「コア」に形成され「光を選別する」役割を担っています。

では具体的に「何」がコア内に存在し、反射光と透過光を選り分けてしているのでしょうか?

ここで冒頭の説明に戻りますが「FBGとは、光ファイバーのコア内に短いセグメントで構築された屈折率変調(回折格子)を指します」と記載しました。
つまり「何」にあたるものが「FBG」、すなわち「屈折率変調(回折格子)」です。

FBGのGはグレーティング(Grating)を表していますが、これは和訳すると「回折格子」です。

具体的には「ファイバーのコアへの書き込み」です。

FBGはレーザーなどの強力な光源によって、コアに屈折率を変化させる「書き込み」や「刻み込み」によって製造されます。 この「書き込まれたもの」がFBGに該当します。

レーザー加工でFBGを書き込む
光ファイバーセンサー

FBGによる光ファイバーセンシング

さて、ここまでの内容でおおよそ「FBGが何か」や「どんな役割を担っているか」は掴めました。
ここからは「FBGがどのようにセンサーとして機能するのか」について、お伝えしていきます。

FBGはあくまで「検出素子」

(コア内部にFBGが書き込まれた)光ファイバーはセンシング用途で使われます。

ただしセンサーとして使うためには、光ファイバー単体ではなくインテロゲータをセットで使用する必要があります。

センサー(インテロゲータと光ファイバー)
センサー(インテロゲータと光ファイバー)

この時、FBGはあくまで光ファイバーセンサーの「検出素子」であるという点にご注意ください。

「光ファイバー」はあくまで光を通す物ですので、光を通さないことには機能しません。
そのため「センサー」として用いるためには、少なくとも次の2つが必要です。

  • 光ファイバーに光を通す「光源」
  • 光ファイバーの検知した変化を計測値に変換する「測定器」

インテロゲータは、端的に言えばこの2つがセットになった機器です。
そのため「FBGが形成された光ファイバー」と「インテロゲータ」がセットになることでセンサーとして機能します。

どのように測定するか?

FBGセンサー*は、温度、ひずみ、圧力を検出できます。
(*)FBGセンサー:ここでは光ファイバーとインテロゲータがセットになったものという意味で用いています。

一つ例を挙げますと、温度を測定したい場合は、図のように「FBG」へと押し当てます。

温度測定
熱した鉄パイプの温度を図る場合

注意していただきたいのは、あくまで温度、ひずみ、圧力に反応するのは「FBGの部分だけ」という点です。
「ファイバー全体」ではなく「コアにFBGが形成されている部分のみ」が検出します。

測定ポイントを増やしたい場合は、FBGの連装で実現します。(詳細は下記にて解説)

何を測定するか?

FBGセンサーは「光」を測定します。
正確に言うならば、反射光の変化を見るために「各波長の強度」を検出します。

上述の通り、FBGセンサーを用いることで、温度やひずみ、圧力を計測できますが、これは「光の情報」を「温度」「ひずみ」「圧力」として導き出すことで検出できます。 そのためFBGは、ひずみや温度の直接検出直接素子として機能します。

測定の流れ

測定の大まかな流れは次の通りです。

測定の流れ

  1. インテロゲータから光ファイバーへと光を入射する。
  2. 光は全反射しながらコアを進み、FBGへ到達する。
  3. FBGによって「反射光」と「透過光」が分けられる。
  4. 「反射光」はコアを逆行し、インテロゲータへと戻る。
  5. インテロゲータが「反射光の波長強度」を数値化。
  6. 波長の情報から係数によって「温度」や「ひずみ」を導き出す。

最終的には温度やひずみを測定できますが、あくまで検出素子であるFBGによってもたらされる情報は「反射光の波長」です。

では何故「FBG反射光の波長強度」によって温度やひずみがわかるのでしょうか?

「反射光の変化」がポイント

FBGセンサーは「FBGの反射光の波長強度」を測定します。

さて上記「FBGの役割」でお伝えした通り、FBGには「波長を選り分ける役割」がありました。
つまりFBGは「特定の波長のみ反射させる」フィルターとしての役割を果たしているのです。

「特定の波長のみ反射させる」とは

ごく簡単な例として「サングラス」を挙げます。(厳密な理論ではなく、あくまでイメージを掴んでいただくための説明である旨、ご理解ください。)

サングラスの中には「紫外線(UV光)」をカットする製品がありますが、あれも「特定の波長を反射させる」という機能を持っています。
「紫外線」の波長は大体「280〜400nm(UVA〜UVB)」の範囲です。UVカットのサングラスはこの範囲の波長が通過しないように作られています(もちろん製品ごとに差異はあります)。
ですが、サングラスを掛けて「すべてのものが見えなくなる」訳ではありません。これはサングラスが「紫外線はカットしているが可視光はカットしていない」ためです。

FBGも同様に「この範囲の波長は透過しない(反射光)」という構造になっていますが、サングラスと違う点は「反射光する波長が変化」することです。

サングラスの場合、決められた範囲の波長しか反射しません。
例えば、UVA、UVBカットのサングラスの場合「280〜400nm」の波長を透過しないように作られています。

ですがFBGは、外側からの刺激によって、反射光の波長が変わります。
そのため温度やひずみ、圧力を測定できるのです。

外側からの刺激によって反射光が変化する

FBGは光ファイバーコア中にあります。そのため光ファイバーに刺激が加わった場合、コア内部のFBGにも当然影響があります。

例えば、圧力が加わった場合を考えてみましょう。

外側からの刺激

圧力が加われば、光ファイバーは変形します。
するとコアがゆがみ、FBGの間隔が変わります。

個々の間隔が変わることで「反射光の波長」も変化します。

反射光の波長
  • 入射光:インテロゲータから光ファイバーへと入射した光
  • 反射光:FBGで反射した光(インテロゲータに戻って強度が測定される)
  • 透過光:FBGを透過した光

情報を整理すると「入射光=反射光+透過光」であるということが見えてきます。
この点を意識してグラフを見ると「透過光のグラフの窪みの形」と「反射光のグラフの山の形」がぴったり一致すると理解できます。

つまり「透過光」のグラフの窪んでいる部分が、FBGを透過しなかった光、すなわち「反射光」を表しています。

FBG間の距離が変化することで、反射光の波長が変化します。

それぞれのグラフの横軸は「波長(nm)」、縦軸は「強度」を表しますが、間隔が広がったことで「グラフの山の位置」が横にスライドするように移動しました。つまり「強度(縦軸)」は変わらず、反射した「波長(横軸)」のみが変化した、ということがわかります。

インテロゲータは「反射光の波長」を測定しています。これを温度、ひずみとして解釈することで、各種値を測定できる「センサー」として機能します。

FBGの反射光の波長は「ブラッグ(Bragg)波長」、波長の変化は「波長シフト」と言います。

インテロゲータは個々の波長の強さを計測することで、ブラッグ波長のシフトを見ます。
そして波長の情報から温度やひずみを導き出すという仕組みです。

ブラッグ波長は、温度やひずみに敏感に反応します。
反射光の温度依存性やひずみ依存性が利用出来るため、FBGはセンサーの検出素子として有効活用されています。

FBGの連装

複数の測定ポイント

FBGは「光ファイバー1本につき1つ」という制約はなく、複数箇所に書き込み出来ます。

上述の通りFBGがセンサーの検出素子ですので測定ポイントを増やしたい場合は、複数の箇所にFBGを書き込むとよいでしょう。

FBGを連装することで、温度やひずみ等の同時測定が可能です。(例えば測定ポイントAで温度を測る、Bでひずみを測る、ということも可能です。)
尚、複数箇所に回折格子が書き込まれた場合「FBGアレイ」と呼ばれます。

FBG(温度・ひずみセンサー)

FBGセンサー

「FBGが書き込まれた光ファイバー」と「インテロゲータ」がセットになった製品です。(光ファイバー単体での販売も行っております。)

光ファイバーはカスタマイズ可能。FBGを任意の位置に、狙った間隔(最小幅1mm)で書き込むことが出来ます。
FBG及びインテロゲータの詳細な仕様については、製品ページよりご確認ください。

製品詳細
光ファイバーセンサー