ハイパースペクトルデータ処理ソフトウェア fluxTrainer/ fluxEngine用途例
医薬品 | 薬剤成分の定量化
製造業では「対象に含まれる成分の量を計測・監視したい」という一般的な課題があります。
医薬品においても、同じ成分を含む薬剤でも大人向けの分量を子供に投与するなど、量を間違うと重大な事故を引き起こしかねないため、薬剤の「成分量」のリアルタイム測定は重要な測定項目になります。
本事例では、NIR/SWIRのハイパースペクトルカメラで坐剤を撮像して取得したスペクトルデータから、解熱鎮痛坐剤に含まれる「パラセタモールの成分量(125mg, 250mg,500mg, 1000mg)」を測定するプロセスについてご紹介いたします。
ハイパースペクトルデータ処理ソフトウェア fluxTrainer/ fluxEngine製品詳細
1.背景のマスキング
閾値を設定してマスクすることで、背景と坐剤を分離します。
2.スペクトル処理
パラセタモールは近赤外分光法で1100nm付近に吸光を示すため、1050-1230nmに処理波長範囲を限定します。
次に、高周波成分を維持しながら平滑化を行いノイズ成分を除去します。
全スペクトル範囲
スペクトル範囲限定
平滑化と一次微分
さらに、平均値が0、標準偏差が1となるよう正規化することで、坐剤の3次元構造が原因で発生するスペクトルの強度の違いを排除します。
正規化前
正規化後
3.グループの割り当て
既知のパラセタモールの成分量から、以下のようにグループを割り当てます。

4.可視化
グループ色を指定し、散布図と処理画像を表示することにより、パラセタモールの量を可視化することができました。

関連製品情報
ハイパースペクトルデータ処理ソフトウェア fluxTrainer/ fluxEngine
膨大な撮像データから波長分類(特徴量を抽出)、機械学習を用いたモデル学習・検証ができるソフトウェア。産業分野で活用可能。
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