こちらは「出力波長をコントロールできる」光源、波長可変光源です。(今回はLEDMOTIVE社製「Spectra Tune Lab」を使用)
波長可変光源は名前の通り、自在に波長をコントロールできる光源です。
専用ソフトウェアにて各波長の数値を調整することで、狙ったスペクトルの光を出力できます。
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お問い合わせハイパースペクトルカメラは、工業分野において「種類・品質の選別」や「異物混入の検出」等で注目が高まっています。
当ページでは、ハイパースペクトルカメラPikaを用いて工業分野にまつわる材料等を当社で撮影した事例について、解説を挟みながらご紹介いたします。
尚、各種画像(RGB画像、SAM画像等)については、ページ最下部に「用語解説」をご用意しております。必要に応じて、ご参照ください。
本ページで紹介している事例に関して、以下から解析ツールと撮影データをダウンロードすることが可能です。
ハイパースペクトルカメラは、布に滴下した液体も判別することができます。
今回は水、IPA、油の3種を共通の布に滴下しました。
RGB画像では見分けがつきませんが、専用ソフトウェアの処理によって「濡れている部分を可視化」し各液体ごとに分離することで、見分けることができます。
IPA、油、水のスペクトルデータ
こちらはそれぞれのスペクトルグラフです。
それぞれが「異なったスペクトルを持つ液体」であることがわかります。
ハイパースペクトルカメラは、このように波長の情報を厳密に数値化することによって、液体を判別します。
液体に限らず、異なる物質で構成されている撮影対象(ガラスとプラスチックなど)であれば、見た目上の差異が小さい、あるいはほとんどない対象でも判別できます。
ハイパースペクトルカメラで撮影すると、ガラス上の液体も判別できます。
水、IPA、油、乳液の4種を共通のガラス板に滴下しました。
こちらも「布に滴下した液体」の事例と同様に、専用ソフトウェアの処理によって、「濡れている部分を可視化」し「各液体ごとに分離」して液体を判別しています。
グラフをご覧ください。
ハイパースペクトルカメラによって、水とIPA、油と乳液といった成分的に近しい液体もしっかり判別されています。
水、IPA、油、乳液のスペクトルデータ
それぞれの曲線の色は次の通りです。
スペクトル上で見ると、水と乳液はグラフの傾きが類似していることから、近い分光データを持っていることがわかります。
こちらの事例から分かる通り「水」と「油」の判別が可能です。
ハイパースペクトルカメラによって、接着剤が塗布されているかどうかを見分けることができます。さらに「塗りムラ」の判別も可能です。
透明なガラスに塗布した接着剤は、見た目では「塗ってあるかどうか」はわかっても、塗りムラや塗布範囲は、判別し辛いでしょう。
ハイパースペクトルカメラの場合「塗りムラ」はバンド比を見ることで判別できます。(band ratio画像)
また「塗布範囲」については、SAM画像ではっきりと識別できます。
こちらの「範囲」は撮影波長による「分光データ」によって厳密に数値化されているため、正確な判別が可能です。
接着剤有り/無しの部分のスペクトルデータ
ハイパースペクトルカメラを使用することで、9種類の樹脂を区別できます。
各樹脂のスペクトルデータ
このように9種類の樹脂を数値(分光データ)によって識別できます。
そのため、ハイパースペクトルカメラは選別用途でのご使用も可能です。
実際に「ゴミの分別ライン」にて使用された事例もありますし、色識別の用途でも使われているケースもございます。
ハイパースペクトルカメラは金属もスペクトルによって判別できるため、金属の選別用途でもご使用いただけます。
各金属のスペクトルデータ
色合いが似ている金属もグラフ上では明確に区別されています。
このようにスペクトルデータを見ることでそれぞれの金属を判別できます。
布、ガラスだけでなく、金属上の液体もハイパースペクトルカメラの撮影で見分けられます。
次のグラフ(スペクトル画像)の通り、それぞれスペクトルによって厳密に区別されています。
3種類の金属(銅・鉄・アルミ)の上に、水と油を滴下し、それらをハイパースペクトルカメラによって区別した画像です。
グラフはそれぞれの金属(銅・鉄・アルミ)ごとのスペクトルデータを示しています。 band ratio画像)
ハイパースペクトルカメラは「波長」を撮影するカメラです。水や油といった液体、金属のような固体を始め様々な対象を撮影できますが「光」も例外ではありません。
ハイパースペクトルカメラを用いることで光源から発せられる光の分光データを取得することができます。
ハイパースペクトルカメラによる「光の撮影データ」の正しさを証明するために、撮影時に特殊な光源を使用しました。
こちらは「出力波長をコントロールできる」光源、波長可変光源です。(今回はLEDMOTIVE社製「Spectra Tune Lab」を使用)
波長可変光源は名前の通り、自在に波長をコントロールできる光源です。
専用ソフトウェアにて各波長の数値を調整することで、狙ったスペクトルの光を出力できます。
次のように、ソフトウェアで「光」を設定します。
光源のスペクトル設定
画像右上の「スペクトルグラフ」をご覧ください。こちらが、光源によって出力される光の値です。
これからハイパースペクトルカメラで、この値の「光」を測定します。
つまり、こちらのグラフと、撮影されたデータが一致していれば、ハイパースペクトルカメラによって正しく撮影できていると証明できます。
光源を白色板に当て、反射スペクトルを撮影します。
撮影した結果がこちらです。
光源のスペクトルデータ
光源で設定した光と、撮影した光のスペクトルデータによる波形が類似した曲線を描いています。
このように、光源で「設定した光」とハイパースペクトルカメラで「撮影した光」がほぼ一致しました。
つまりハイパースペクトルカメラは光源装置の検査にも使用することができます。
今回撮影で用いた「ハイパースペクトルカメラPika」をご紹介いたします。
ここからは用語解説です。
当ページで用いられている「画像」と関わる用語について、解説いたします。
RGB画像とは、光の三原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)を組み合わせて色を表現した画像を指します。
産業用・民生用問わず出回っている一般的なカメラで撮影される画像は「RGB画像」です。つまり「私たちが目にしている世界」に最も近い色彩で表現されます。
光には様々な情報がありますが、RGB画像では「可視光」を撮影しています。言い換えるなら「人間が目にできる範囲の波長で表現された画像」ということです。
ハイパースペクトルカメラの場合、「可視光」の他にも人間が目にすることができない赤外線・紫外線の撮影も可能です。
次はハイパースペクトルカメラの撮影情報と関わりの深い画像の用語解説です。
見た目では単なる白黒画像に見えるかもしれませんが、「band ratio画像」はハイパースペクトルカメラで撮影した内容を「ソフトウェアで処理した画像」です。
「band ratio」は「バンド比」を表しています。つまり「band ratio画像」は、撮影された波長を比率によって表現した画像を指します。
SAMは「スペクトルアングルマッパー : Spectral Angle Mapper」の頭文字を取った略称です。スペクトルアングルマッパーとは、ごく簡単に言うならば「スペクトルの分布」です。
ソフトウェアで特定の分光データを指定することで、該当する分光データが画像中にどのように分布しているか、特定の色で表現した画像です。
SAM画像は「スペクトルアングルマッピング」というソフトウェアの処理によって作成される画像です。
ソフトウェアによる処理過程を見ると、より理解が深まるでしょう。詳細は「こちら」のページに記載されておりますので関心がある方はご覧ください。
また「SAM画像」につきましては、弊社の他ページや資料等では「疑似カラー画像」「カラーマッピング画像」とも呼び表しています。呼び方は異なっておりますが、内容は全く同じものです。
当ベージでは、撮影対象の分光データを「横軸:波長」「縦軸:反射強度」として数値に落とし込みグラフとした内容をスペクトルデータと呼び表しています。グラフデータを見ることで「どの波長(横軸)がどの程度強いか(縦軸)」を見ることができます。
横軸は波長の分布を示しています。他方、縦軸は反射強度ですので、値が高ければそれだけ光が強いということを示しています。
こちらは「ハイパースペクトルカメラ専門サイト」の「事例集」です。(下のバナーをクリックすると移動します。)
工業分野を始め、食品、医療等幅広い分野の事例を多数掲載しております。
弊社(ケイエルブイ株式会社)は、ハイパースペクトルカメラ販売企業の先駆者として、ハイパースペクトルカメラの専門サイトやメディアサイトを立ち上げ、積極的な情報発信に努めております。
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