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FluidInspectIR® インラインオイルコンディションアナライザー用途例

金属加工における潤滑油(切削油)のリアルタイム測定

金属加工における潤滑油(切削油)のリアルタイム測定

鉄鋼・スチール・アルミニウムの加工では、摩擦を抑えて熱を発生させないようにするために切削油という潤滑油が使用されます。Spectrolytic社のオイルアナライザーは、リアルタイムで正確に潤滑油の状況を確認することで、品質の維持やコスト削減に貢献します。

FluidInspectIR® インラインオイルコンディションアナライザー製品詳細

切削における潤滑油(切削油)の重要性

切削において、加工する箇所に潤滑油を流すことは、以下のような観点で重要です。

  • 熱を防いだり、添加剤濃度を適切に保つことで加工の精度を高める。
  • 切削工具の摩耗を抑える。
  • 出てきた削りカスを洗い流す。

よって、金属加工では使用される潤滑油が劣化すると、以下のような問題が発生します。

潤滑油(切削油)の劣化で発生する問題

  • 鉄鋼・スチール加工
  • 時間経過にともなう潤滑油中の水分量や乳化剤の蓄積による圧延エマルションや冷却液・クーラント侵入

鉄鋼・スチール加工
  • アルミニウム加工
  • アルミニウムの表面処理に必要な添加剤の濃度のばらつきによる製品の品質ばらつき

アルミニウム加工

このような問題の発生を防ぐためには、潤滑油の状態を正確かつリアルタイムに確認し、劣化を判断することが必要になります。

潤滑油(切削油)のリアルタイム測定

潤滑油の状態を常に知るには、毎日のサンプリングと分析が必要になりますが、これにはさまざまな課題があります。

現状の潤滑油測定における問題

  • 分析に時間がかかる(一般的な解析は24時間以上の時間がかかる)。
  • 作業者の負担が大きい。
  • コストがかかる。
  • ヒューマンエラーにより、見逃しが発生する(最悪の場合は機械が故障して修理費用がかかる)。

FluidnspectIRを用いた潤滑油のリアルタイム測定

Spectrolytic社のFluidnspectIRはこれらの問題を解決することができるオイルアナライザーです。

ポータブル
オイルコンディションアナライザー
FluidnspectIR
ポータブルオイルコンディションアナライザー

製品詳細

インライン
オイルコンディションアナライザー
FluidnspectIR
インライン オイルコンディションアナライザー

製品詳細

FuildInspectIRの特長

特長 1データの信頼性が高い

潤滑油の劣化の原因となるパラメータの測定方法・データはASTM規格で定義されており、FluidInspectIRが出力するデータとの相関性があります。
パラメータは従来の分析装置と同じ単位・精度で出力されますので、作業者はデータの読み理解することが簡単に行えます。

特長 2ヒューマンエラーが発生するリスクを削減

ポータブルタイプは携帯し現場まで持ち運ぶことが可能で、潤滑油をサンプリングしてすぐに測定を行うことができるのでヒューマンエラーが起こるリスクを削減することができます。
また、インラインのタイプは作業者が直接サンプリングする必要がないため実質的にサンプリングによるヒューマンエラーは発生しません。

特長 3リアルタイムで潤滑油のモニタリングが可能

インラインタイプはデータを常に監視する事が可能で、異常が発生した瞬間に自動的にアラートを発生させることができます。第三機関に分析を受託するよりも速く情報が手に入りますので、メンテナンスの最適化やトラブル解決の高速化を図れます。

潤滑油(切削油)のリアルタイム測定の事例

事例 1アルミニウムのフライス加工と圧延

アルミニウムのフライス加工プロセス

アルミニウムのフライス盤にセンサーを搭載し、アルミニウム板のフライス加工プロセスで重要となる低濃度の添加剤と界面活性剤をモニタリングしました。

以下のグラフは、特定の界面活性剤(wt%)のプロセスコントロールを示しています(0~0.1w%または0~1000ppm)。赤い矢印はいつ基油に添加剤が追加されたかを表しています。センサーは<100ppmのオーダーで変化をモニタリングします。

アルミニウムのフライス加工プロセス

アルミニウムのフライス加工プロセス:
界面活性剤(wt%)のプロセスコントロール

センサーを導入前は、2日毎にオイルをサンプリングし分析を第三機関に依頼しお金を支払う必要がありました。センサーが出力するデータと従来の分析データが一致したので、センサーを導入し、作業者の負担とコストを削減しました。

事例 2鉄鋼・スチールの形成と圧延

鉄鋼・スチールの形成と圧延

FluidInspectrIRのインラインシステムを鉄鋼製造工場に導入し、圧延機に使用される潤滑油の水分量と、冷却液・クーラントの潤滑油への”漏れ”濃度を測定しました。

潤滑油中の水分量と乳化剤の2つのチャンネルで圧延エマルションの潤滑油への急速な侵入(赤い点線)を監視します。 導入したFluidInspectrIRは従来のサンプリング・分析を実施するタイミング(黒線)の2日前に水の侵入を検知しています。
また、潤滑油を遠心分離機・油水分離装置で処理することで、正常なレベルに戻っていることも確認できます(青の点線)。

圧延機に使用される潤滑油の状態監視

圧延機に使用される潤滑油の状態監視:
(潤滑油の水分量(上)と、冷却液・クーラントの潤滑油への”漏れ”濃度の測定(下))

FuidInspectIRを導入し、潤滑油の状態をリアルタイム測定することで、潤滑油の洗浄タイミングをより早く知ることが可能となり、潤滑油の劣化にともなう機械故障のリスクを下げる事に成功しました。

まとめ

鉄鋼・スチール・アルミニウムの加工では、潤滑油の状態を正確に速く分析することが品質の維持やコスト削減をする上で重要です。Spectrolytic社のオイルアナライザーは、これらの課題の解決に貢献することができます。

関連製品情報

FluidInspectIR<sup>®</sup> インラインオイルコンディションアナライザー

FluidInspectIR® インラインオイルコンディションアナライザー

オイルや潤滑油の劣化・汚染の原因となるパラメータを測定可能なインライン用分析器。ASTM/DINに相関性あり。

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