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FTIRとは

FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy:フーリエ変換赤外線分光法)とは、測定対象物固有の赤外線の吸収スペクトルを読み、対象物の特性を分析する赤外分光法の一種です。
FTIRは固定鏡と移動鏡を用いて干渉波を作り対象物に当て、透過または反射した干渉波をフーリエ変換し赤外線スペクトルを測定します。

FTIRの構成

FTIR

FTIRは大きく分けると、

  • 光源
  • 干渉計
  • 検出器
の3つで構成されています。

FTIRの原理

光源から連続スペクトルがビームスプリッターに向かって照射されます。

FTIR

ビームスプリッターに到達した光は、半分はそのまま透過し、残りは反射し別々のミラーへ向かいます。

FTIR

固定鏡はビームスプリッターまでの距離が固定され、反射した光は常に一定の周波数を持ちます。これを参照光とします。

一方、移動鏡はビームスプリッターまでの距離が時間で変化し、反射した光は固定鏡からの光とは異なる光路の光となります。

FTIR

固定鏡と移動鏡から反射された光はビームスプリッターに向かい合成され、サンプルへ向かいます。2つの光は異なる光路差を持つため、合成した光は位相差を持つ光になります。

FTIR

サンプルに反射または透過した光を検出器で受光します。この光の干渉波をフーリエ変換することで波長(または波数)として表します。

FTIR

分散型の分光法との比較

回折格子等の分散素子を用いた分散型の分光法と比較した場合、FTIRの構成、測定原理から次のことがメリットとして挙げられます。

測定時間の短縮

FTIRではすべての波長を含む干渉波を検出するため多波長を同時に測定することが可能です。そのため、回折格子を走査してスペクトルを取得する分散型の分光法と比較して測定時間を短縮することが可能です。

高S/N比

FTIRでは分散型で用いられているスリットを使用しません。
そのため、光源からの光を十分に得られるため、S/N比が高くなります。

波数(波長)分解能が高い

分散型の分光法で波数分解能を上げる場合、スリット幅を狭めてS/N比を落とす代わりに波数分解能を上げられるのに対し、FTIRは移動鏡の移動距離を延ばすことで波数分解能を上げることができるため、S/N比を下げることなく波数分解能を上げることができます。

FTIRは高感度、高分解能で高速に測定できる分析手法として、広帯域の赤外スペクトルを測定する場合や、複雑な混合物の中から物性を同定する場合など応用範囲が広まっています。

FTIRのアプリケーション

医薬品

FTIRは世界各国の薬局方で標準化された分析方法として、製薬業界で広く使用されています。
個体や液状の医薬品の成分の濃度測定ができ、研究開発や品質管理の用途として使用されています。
FTIR分析装置メーカーでは薬局方で定められた基準に準拠した仕様・プログラムを提供しています。

FTIR 医薬品

食品

食品に混入した異物の成分分析を行い、異物の特定や混入経路を調査する用途として使用できます。

FTIR食品

油分分析

エンジンオイルや潤滑油に含まれる炭化水素の結合は赤外線領域に強い吸収スペクトルを持ちます。FTIRを使うことで油に含まれる成分を定量測定し、例えばオイルの劣化や状態などを見分けることが可能です。

 
FTIR油分分析

ガス分析

各分子固有の赤外線領域の吸収スペクトルを選択することで、共存する他のガスや水の干渉を受けずにガス計測することが可能です。FTIRは広い赤外線領域を包括できるため、複数ガスの同時測定・モニタリングに適しています。


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