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SLD光源とは

SLD(Super Luminescent Diode)光源とは、発光ダイオード(LED)と半導体レーザ(LD)の2つの特性を持った広帯域光源です。

SLDはLEDのように幅広いスペクトルを持ちながら、半導体レーザのように位相の揃った光を発することができるため、LEDと比較して高輝度な輝きを放ちます。
しかし、コヒーレントなレーザを発するLDと異なり、SLDは低コヒーレンスである点も特徴的です。

SLD光源は、例えば、OCT(光コヒーレンストモグラフィー)にて用いられています。
OCT(Optical Coherence Tomography)は光干渉断層計とも呼ばれ、医療分野で活用される高解像度で浸透性の高い断層撮影法です。
生体の断層画像を連続して撮影することで、3Dのイメージを取得できます。

同様の用途にMRIによる撮影がありますが、電磁波で撮影するMRIに対し、OCTは近赤外線で撮影するという違いがあります。
こうした用途に、広帯域かつ低コヒーレンスであるSLD光源は適しております。

SLDの発光原理

光を発する原理

あらゆる物質は原子によってできており、原子は原子核と電子で構成されています。
さらに、原子核の周囲を、電子が飛び回っています。
この原子が持つ最低エネルギーの状態を「基底状態」といいます。基底状態にある電子は、もっとも安定した状態です。

そして、この基底状態の電子に光などのエネルギーを加えることで、電子は基底状態より高いエネルギーを持つ状態「励起状態」へと移動します。つまり、電子の軌道が移り変わるのです。
エネルギーを与えられ、励起状態となった電子は、不安定な状態のため、安定した「基底状態」に戻ろうとします。このときに、エネルギーの差が光として放射されます。

電子が光を発する方法

原子は、エネルギーを受けることで、基底状態から、励起状態へと遷移します。

このように、外部からエネルギーを受けて発光することを「ルミネッセンス(Luminesence)」といいます。
そしてSLD光源は、半導体の中で、電気エネルギーを得ることにより発光します。こうした発光を「エレクトルミネッセンス(EL:Electroluminescence)」と呼びます。

次は、この半導体によるpn接合の発光原理について、お話いたします。

pn接合による発光

pn接合による発光

発光の原理がわかると、pn接合による発光原理も理解できます。
SLDは、LEDやLDと同様に、pn接合の順方向に電流を流すことによって発光します。
これは正の性質である「正孔」をもったp型半導体と、負の性質である「電子」をもったn型の半導体を結合させた構造が基本となっており、この電子と正孔がぶつかること(このことを再結合といいます)で、光を発します。

もともと電子と正孔の注入によって、励起状態が作られています。

この再結合の際、電子と正孔が励起状態(高いエネルギーの状態)から、基底状態(最低エネルギーの状態)へと戻ろうとします。
このときのエネルギーの差が光となるため、SLDは発光するのです。

LED/SLD/LDの違い

SLDは、LEDと半導体レーザ(LD)、2つの光源の持つ特徴を兼ね備えています。
ここでは、スペクトルとコヒーレンスという2点に着目し、どういった特徴がLEDやLDと類似しているのか見ていきます。

SLDはLEDと同様、幅の広いスペクトルを持っています。
しかし、SLDはLEDと異なり、光をそのまま放出(自然放出)するのではなく、自然放出光を増幅させてから放出します。そのため、波長と位相の揃っていないLEDと異なり、SLDは波長の定まったコヒーレントな光を照射できるのです。
同様に、LDの光もコヒーレンスです。しかし、SLDとLDでは、スペクトルの幅が異なります。

そのため、SLDは、スペクトルの幅が広いという点ではLEDに似ており、コヒーレントな光を発射できるという点ではLDに類似しているといえるでしょう。

発光ダイオード(LED) SLD光源 半導体レーザ(LD)
スペクトル 広帯域 広帯域 狭帯域
コヒーレンス 低コヒーレンス 高コヒーレンス

SLD製品のご紹介

SLD光源BeST-SLEDⓇ

BeST-SLEDⓇ

BeST-SLEDⓇは、近赤外波長範囲の堅牢でコンパクトな波長可変SLD光源(SLED)です。
全てのスペクトル範囲にわたって安定性の高い、高輝度な光を出力します。
また、OTCにおいても最適です。6つのLEDを独立制御できるため、医療分野での高度な要求にも応えられます。

製品詳細