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NDIR式センサーの原理と
バイオガス分野における活用

2019.06.26 |  バイオガス分野 , 非分散型赤外線分光センサー

近年、バイオガス分野においてNDIR方式のセンサーが注目を集めています。

これまで、NDIR方式のセンサーは工業分野で、ガス検出器として活躍してきました。
今回は、そんなNDIR式センサーの原理とバイオガス分野における活用の可能性についてお話しいたします。

NDIR式センサーって?

NDIR(Nondispersive Infrared)とは、直訳すると「非分散型赤外線」となります。
そのためNDIR式センサーといった場合は「非分散型赤外線分光法を用いたセンサー」を意味します。

端的に言ってしまえば、NDIR式センサーは、赤外線を使った特殊な方法で測定するセンサーと言えるでしょう。

NDIR式センサーは何を測定する?

ずばり、気体です。

分子レベルでは、一酸化炭素、二酸化炭素などを測定できます。
そのため、赤外線を使って「ガスの検出」や「気体濃度の測定」を行う場合に用いられます。

NDIR式センサーは、もともとは工業分野におけるプロセスのモニタリング、コントロールに使用されてきました。
特に、二酸化炭素の測定に強みを持っています。
二酸化炭素濃度を高い精度で測定できることから、CO2濃度の測定には、NDIR式の測定機器が広く用いられてきました。

NDIR式センサーの原理とは?

さて、ここまでで、NDIR式センサーが、

  • 赤外線を使った特殊な方法で測定するセンサー
  • 二酸化炭素の測定に用いられてきた

ということは、ご理解いただけたかと思います。

しかし、赤外線を使って、どうやって目に見えない気体を測定するのでしょうか?

実は、NDIR式センサーは分子の性質を利用して、気体(分子)を測定しています。
ここからは、鍵となる分子の性質を3つ、まとめつつ、測定の原理をご紹介致します。

― 分子の性質1:分子は振動している

我々にとって馴染み深い、二酸化炭素(CO2)を例にとってみましょう。
ここで少し、心を学生時代......10代のあの頃にまで引き戻してください。
あの頃、酸素原子の元素記号はO、炭素原子はCと習ったのではないでしょうか?

  • 酸素:O
  • 炭素:C

そして、酸素原子が2つ、炭素原子が1つ結合することで、二酸化炭素分子(CO2)となると教わったかと思います。

実は、原子と原子が結合する時、この2つの原子の間は、常に振動しています

分子の振動

― 分子の性質2:振動の周波数は、分子ごとに違う

分子は振動していますが、この原子間の振動の周波数は、それぞれの分子によって異なっています。
そのため、分子の振動の周波数の特定=分子の特定となるのですが、さて、どのように周波数を特定するのでしょう?

分子の特定の手がかりとなる性質がこちらです。

― 分子の性質3:分子は自分と同じ周波数を持つ赤外線を吸収する

分子は自分と同じ周波数を持つ赤外線を吸収する

分子には分子の振動の周波数=赤外線の周波数のとき、自分と同じ周波数を持つ赤外線を吸収する、という性質があります。
そのため、吸収された赤外線のデータを取得することで、分子を特定できるため、ガスの検出や気体濃度の測定が可能になります。

NDIR式センサーは、いわば、異なる周波数の赤外線を測定することで分子を測定するセンサーと言えるでしょう。

まとめ

  • 分子には、放射された赤外線波長が、分子の共振波長と一致する場合、一致する波長を持つ赤外線を吸収する性質がある。
  • NDIR式センサーは赤外線の吸収を見ることで、分子を測定することができる。

バイオガス分野での活躍が期待できるNDIR式センサー

上述の通り、NDIR式センサーはCO2濃度を高精度で測定できるという強みがあります。
それ以外にも、一酸化炭素やメタンガスも測定することができるため、例えば、排気ガスの測定の際にも用いられました。

R.P.Murphy 玉置元則訳
「自動車排出ガスによる大気汚染 Air Pollution and the Motor Vehicle ─オーストラリアにおける汚染の現状と排出規制─」(最終閲覧日:2019/02/26)

こちらの研究では、一酸化炭素(CO)の測定にNDIRが用いられました。

またメタンの測定のために、試作機を作成し、陸上生態系におけるCH4濃度の測定などが行われたという研究もあります。

原薗芳信, 宮田明, 吉本真由美, 三笠元, 奥俊樹「移動型NDIRメタン分析計の試作と微気象学的手法による草地のメタンフラックスの測定」(最終閲覧日:2019/02/26)

過去には、こうした研究が行われてきましたが、近年では、バイオガス分野においてNDIR式センサーを活用する動きが広まっています。

バイオガスは新しいエネルギーとして、世界中で着目を集めており、日本でも2007年から、バイオガスを活用しようという動きが始まりました。

2007年には企業4社が、国内初の「バイオガス発酵プラントの余剰ガスをメタン精製して圧縮充填しガス供給する事業」を開始し、続いて、2008年1月、精製バイオガスを市場において一般流通させる日本初の試みとして、同4社を含む企業11社が合同会社バイオガスネットジャパンを設立し、都内で天然ガス清掃車50台で試験供給を行うことを発表した。
2・3年後には同社は株式会社に移行し本格的に事業を開始する予定である。 また2008年4月東京ガス、東邦ガス、大阪ガス4月下旬には西部ガスも加わった4社はバイオガスを都市ガス同じ品質、保安等確保することを条件に受け入れ申し込みを開始した。

Wikipediaより引用

電気と熱の新しい生産法として、今後もバイオガスの利用は進んでいくことでしょう。同時に、バイオガスを生産するプラントも、より重要になっています。
プラントの効率的な運用には、生産プロセスの管理・品質の監視が欠かせませんが、こうした場面でNDIR式センサーの活躍が期待できそうです。

微生物が餌となる産業廃棄物を食べることでメタンや二酸化炭素が発生しますが、NDIR式センサーは、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素を測定できます。 そのため、バイオガスプラントにおけるガス測定で活躍できるでしょう。
また研究段階においても、こうしたセンサーは有用です。

NDIR式センサーを用いることで、バイオガス分野における新しい可能性が拓けるかもしれません。

NDIR Sensor

NDIR マルチガス赤外線センサー

こちらはバイオガスプラントにおける導入に実績と強みのある、Awite Bioenergie社によるNDIR式センサーです。
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