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用途に適したLD電源を選びたい。 とはいえ「電源」でありながら、その機能・仕様・用途が異なっている製品は、たくさんあります。
当ページでは、当社製品の紹介と「LD用パルスジェネレータ搭載電源」の選び方を解説します。
「LD用パルスジェネレータ搭載電源」とは、パルスジェネレータとしても動作するLD電源のことです。 「レーザのパルス発光を綿密に制御したい」という場合、パルスジェネレータを搭載した電源が役に立ちます。
電源は、光源・機器の動作に欠かさないエネルギーを供給するために用いられています。
「LD電源」の場合、レーザ発振に関わる半導体素子へと電気エネルギーが供給されることで発光します。
LDはレーザーダイオード(Laser Diode)を指しており、「半導体レーザ」とも呼ばれる光源のことです。 LDが発光するためには、まずは半導体素子への「電流」の供給が必要です。 LDはレーザ発振(光の共振と増幅)によって発光しますが、これはLD内の半導体素子に、しきい値を超えた電流が入ることで始まります。
LDは光源のため、電源が供給した電気エネルギーは「光エネルギー」に置き換えられ、光として照射されます。 端的に言ってしまえば「電源が送り込む電気エネルギーが、光になる」といえます。よって、送り込む「電気エネルギー」を制御することで、望んだ光を放射させることが可能になります。
「LDをパルス発光させたい」という場合、電源の側から供給する電気エネルギーを「パルス(電気信号)」を送り込むことで、LDをパルス発光させることができます。
パルス信号と発光のイメージ図
「パルス発光」など、制御された光を求める場合は、パルスジェネレータが必要になります。
電気エネルギーと光の関係から、電源によって光を制御することができること、つまり制御された光を求める場合、それに適した電源を選ぶ必要があるということがわかりました。
では「電源からLDへのエネルギーの供給」は、どういった流れで行われているのでしょうか。これは簡略化して整理すると次のようになります。
2の過程において「電源から光源へのパルスの出力」があります。 これが上述の「電気エネルギー」です。電気エネルギーは「パルス」という電気信号の形で、LDへと供給されています。
パルスジェネレータ搭載電源を用いることで「電源からLDへ出力される(供給される)パルス」を制御できます。
では「電源がどのようなパルスを出力することができるのか」を知りたい場合はどうすれば良いかというと、次の「指標」を見るといいでしょう。
ここで、電源を選ぶ場合に必要な「指標」の一部をご紹介いたします。 これらの指標は、多くの場合「仕様表」に記載されています。
パルス幅とは、パルスの「時間間隔」を指します。 「間隔=どこからどこまでの間」なのかというと、
これら、半値点から半値点の間が「パルス幅」です。
周波数は「周期的なパルスの繰り返し率」をいいます。 パルスは単発ではなく、一定の周期でもって繰り返されます。
「パルスの立ち上がり〜次のパルスの立ち上がりまで」を「周期」といいます。 これに対し、電気信号の周波数は「1秒に繰り返される回数」を指し、単位は、ヘルツ(Hz:hertz)で記載されます。
これは、言い換えるならば「1秒間に、何回、周期が繰り返されるか」を意味します。 例えば、次のような場合、
図では1秒間に「4回」、パルスが繰り返されています。 周波数は「1秒間に、何回、周期が繰り返されるか」ですので、この場合は4回=「4Hz」となります。 (「高周波パルス」という場合、高周波=繰り返し回数が多いパルスと認識できます。) 受信側の許容周波数よりも小さい場合でも、周波数を間引くための分周器を使う事で対応が可能です。
立ち上がり時間(立ち下がり時間)は、設定した電圧レベルの10%から90%に到達するまでにかかる時間の事で、性能には傾きである[sec/V]が使用されます。 立ち上がり時間(立ち下がり時間)が長ければ長いほど目標電圧レベルに到達するまでの時間が掛かる為、必要なタイミングでパルスを得ることが出来なくなります。 早い立ち上がり時間で、高い電圧レベルの波形を得ようとすると、オーバー、アンダーシュートやリンギングなどの波形の歪みが発生する点に注意が必要です。
ジッタはパルスを発生させる際に起きる時間的なズレの事です。 ジッタが小さい程より正確なタイミングでパルスを発振させる事が出来ます。
これは、仕様表に記載されている「電圧」や「電流」の出力を見ることで判断できます。
レーザーに供給する電圧には、一般的にはTTLの0~5V、LVTTLの0~3.3Vが多く用いられます。 駆動するレーザーが必要な電圧レベルを供給出来なければ、レーザーが駆動しないため、電圧レベルが足りない場合は、電圧レベル変換器で電圧レベルを変換する必要があります。
電流と電圧は比例関係にあります(オームの法則)。 電流が大きくなると、比例して電圧も大きくなるため、仕様表における「電流」か「電圧」の値を見ることで、電源としての「出力」を判断することができます。
ここからは、当社取扱の「LD用パルスジェネレータ搭載電源」4製品を、用途や仕様別に適切な光源をご紹介いたします。
Tombak
SHAPER
CC-S
CC-M
半導体レーザ(LD)の開発や、LDを組み込む(使用する)装置の開発など、様々なテストを行う際は、必要なテストに応じた機能を持つ電源や、電子機器が必要です。しかし当製品の場合、様々な機能が1台に収められているため、
といったメリットがあります。
当製品の動作モードの一つとして「ディレイジェネレータ(遅延発生器)」があります。 (近年、登場したパルスジェネレータには「ディレイジェネレータ」の機能も搭載されており、海外では新しいパルスジェネレータ 「パルスディレイジェネレータ」として普及が広がっています。)
パルスジェネレータは「パルス」を制御して発生させる装置ですが、デジタルディレイジェネレータ(遅延発生器)の場合は「パルスの入力から出力までの遅延(ディレイ)」を制御することができます。 「ディレイ」は、ソフトウェアにて「10ps〜262ns」の範囲で任意の値に調整することが可能です。 もちろんパルス幅も調整可能。(詳しい仕様は製品ページにて、ご覧ください。)
製品詳細
ナノ秒レーザーを任意のパルス形状で直接変調できるファンクションジェネレータです。
方形波や正弦波のパルスの生成が可能です。
ファブリ・ペローバタフライLDを使用した100nsパルス
3nsパルス(ゲインスイッチ抑制機能なし)
また当製品にはゲインスイッチ(ゲイン切り替え:gain switching)の抑制機能がついているため、
などの用途でお使いいただけます。
0.5ナノ秒パルスから、CW(連続波)の出力が可能です。 細かいパルス幅でのパルス信号出力が求められる用途にも対応できます。
またパルスの「立ち上がり/立ち下がり時間:500ps未満」というレスポンスの早さも当製品の強みです。 (具体的に「電気信号に対し、どの程度のレスポンスで発光しているか」というのは、個々の製品(半導体レーザ)によって異なっています。)
また当製品は純粋に「パルスジェネレータ」として特化させた製品です。 上記2製品の場合、パルスジェネレータに加え、ディレイジェネレータなどの機能がついており、その分、多様なテストに対応できますが、それらの機能が不要で「純粋にパルスジェネレータのみが欲しい」という場合に当製品が最適です。
パルス幅を調整できる、精度の高い「パルスジェネレータ」を求めてる方にお勧めです。
当製品は「36V/21A」の高出力のため、電力消費の大きいLDを接続させることもできます。 また、そのパワー故に「複数LDの接続」も可能です。
「複数のLDをタイミングを合わせて、協調させて動作させたい」という用途にも応えられます。
スタンダードとハイパワー2つのモデルがありますが、どちらのモデルも、出力電圧・電流を調整できます。 詳細な仕様は製品ページをご覧ください。
パルスジェネレータ搭載電源の選び方
パルスレーザーとは
1064nm帯レーザー
KLV大学レーザーコース