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IoT×近赤外分光法
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食品産業での活躍が期待できる IoTセンサーが登場

2018.11.02 |  IoT , 近赤外分光センサー , 食品産業

近年、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)が広がりをみせています。あなたの家の家電製品から、大きな工場に至るまで、世界中のあらゆる場所でIoT化が進められています。

IoTはしばしば「モノのインターネット」と訳されますが、この言葉通り、IoTはモノをインターネットにつなぐことから始まります。

インターネットに接続されたモノたちは、それぞれが獲得した情報を送信したり、また受信したりします。そしてインターネットにつながるモノ、すなわちIoTデバイスの五感としての役割を果たすものがセンサーです。

私たちに五感がなければ、景色を見たり、音を聴いたりすることができないように、IoTデバイスもセンサーがなければ、必要な情報を取得することができません。 そのためセンサーは、IoTの導入には欠かせない存在です。

そうした中、IoTデバイスへの組み込みを想定して作られた、超小型近赤外分光センサーが登場しました。

IoT組み込みを想定して作られたセンサー ご覧の通り、手のひらに乗る小型サイズですが、高い性能も兼ね備えています。

ですが「そもそも、近赤外分光センサーを知らない、聞いたこともない」という方も多いと思います。

近赤外分光センサーとは、近赤外線を使用して、対象物の性質を把握するセンサーで、食品業界でも注目のセンサーなのです。

IoT化を見据えて開発された超小型センサー

スペクトラル・エンジンズ社が開発し、2017年にEUのHorizon Prizeを受賞した「超小型近赤外分光センサー」についてご紹介いたします。

センサーの使い方

【参考】Spectral Engines NIRONE sensor

とても簡単なように見えますが、獲得できるデータは精密そのものです。 センサーで測定することで、物体の光の波長情報がわかります。

例えば、品種の違うAとBの果物を見分けたい。とはいえ、同じ果物のため、見た目では違いがわからない。 そんなとき、このセンサーが役に立つかもしれません。

センサーで果物AとB、それぞれの波長情報を獲得します。 実は、この波長情報、それぞれの物質ごとに違っています。 そのため、人間の目ではわからない品種AとBの違いを見分けることができるようになります。

センサーが品種を見分ける

果物に限らず、そば粉と小麦粉の違いなどを見分けたい場合にも活用できそうです。

見た目では違いがわからないといったケース以外にも、

  • 製造ライン上で、混じり合った材料を選り分けたい
  • 通常の食品と劣化した食品を見分けたい

といった場面で近赤外分光センサーの活躍が期待されます。 さらに「近赤外分光分野」においては、様々な研究が進められています。

IoT×食品製造業の未来

― 現在進められている取り組み

こちらの研究では、米菓の水分量を測定できること、さらに波長情報の温度変化から製品ごとの「湿気りにくさ」を定量化できるとの結果が報告されています。

特に着目すべき点は「袋に入ったまま測定できる」という点です。

測定したい物を分解する必要がないため、商品価値を損なうことなく測定可能です。 こちらの研究でも述べられている通り、製品の工程管理や、市場で保管されている製品の水分量管理に有用です。

【参考】
竹山舞子,高橋朋也,菊地良栄,熊谷昌則,天野敏男,藤原一彦,小川信明 「ポータブル近赤外分光分析装置を用いる米菓の水分測定」
(最終閲覧日:2018/09/12)

加工食品だけでなく、メロンや桃といった果物の糖度測定など、様々な食品の成分情報を獲得する試みが進められています。

― センサー活用の可能性

近赤外分光センサーは、測定対象を分解することなく非破壊で測定でき、商品価値を損なわない測定が可能です。 しかし近赤外分光センサーはIoTデバイスに組み込むにはサイズが大きく、さらに高価格であるため、IoT化は難しい状態でした。

今回紹介した、小型かつ低価格な近赤外分光センサーが開発されました。 食品とは相性が良いセンサーのため、食品製造業界におけるIoT活用が期待されています。

近年は「スマートファクトリー」というワードも広まり、特に製造業の分野で工場のIoT化がトレンドとなっています。 食品製造工場においても、IoT化が進んでいくことが予想されます。

センサーを上手に活用することで、欲しいデータを獲得し、コストカットや新しい価値の創造などへとつなげていくことができるでしょう。

NIRONE Sensor

NIRONE Sensor

当製品は超小型近赤外分光センサーです。 食品業界での活用を意識し、開発されています。
重さ15g、大きさ25×25×17mmという軽量・コンパクトなボディでありながら、研究室で使用されているセンサーと同等の高い性能を有しています。

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