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FAQ

当ページは、LEDに関する基礎情報や、EPIGAP社に関するご質問と回答をまとめたページです。
皆様の疑問点や興味関心に合わせて、目次から適切な内容をお選びください。

目次

1.LEDとは?

LEDは、不純物がドープされた不純物半導体で、電子が少ないP型半導体と、電子が多いn型半導体が接合された(pn接合)構造になっています。

p型にプラス、n型にマイナスの電圧をかけると、n型からp型へ電子が、p型からn型に正孔が移動します。n型では流れ込んだ正孔が多数のキャリア電子と、p型では移動した電子が多数キャリアである正孔と結合(再結合)し、平衡状態に戻ります。このときにエネルギーを熱や光として放出します。

LEDとは
参考:wikipedia

放射される光の波長、色は、pn接合を形成する材料の種類のバンドギャップに依存します。 LEDに使う材料は、近赤外、可視、近紫外光に対応するエネルギーのバンドギャップを持っています。LEDの開発は、ガリウムヒ素(GaAs)で作られた赤色、赤外素子から始まりました。
その後、材料の進歩によって、より短い波長の素子が作られ、様々な色の光を放射させることができるようになりました。

LEDは、通常、基板の上にn型が構築され、その上に積層されたp型に電極が取り付けられています。p型基板のものもありますが、あまり一般的ではありません。

市販されている多くのLED、特にGaN/InGaNには、サファイア基板が使用されています。 LEDに使用されている材料のほとんどが非常に大きな屈折率を持っているため、 材料と空気界面では放出された多くの光が材料内に反射して戻ってきてしまいます。 したがって、LEDの光を効率よく放出できるようにすることは、多くの研究対象になっています。

2.主な光学パラメータ

2.1波長

物理学において、正弦波で空間的に繰り返す1周期の長さを波長といいます。 波長の単位は、nmまたはµmで表されます

波長

2.2.ピーク波長、λp

出力されるスペクトル特性の中で、最も出力強度が高い波長をピーク波長と言います。

2.3.中心波長、λc

中心波長 λc は、広がりを持ったスペクトル特性の中心の波長を言います。対称のスペクトル特性を持っている場合は、 λc = λp となります。LEDの中心波長は、放射特性を特徴づける仕様となっています。

2.4.主波長(ドミナント波長)、λd

主波長(ドミナント波長)は、実際に人の目で感じるLEDの色を波長で表したものとなります。

3.どの波長がどのLED色/どの半導体材料に対応するのか?

LED は、さまざまな無機半導体材料から作られています。
次の表はLEDの色、波長範囲、順方向電圧(電圧降下)、半導体材料の種類を示しています。

波長(Nm)
電圧降下(VF)
半導体材料
赤外
900 < λ < 1650 (2700) VF < 1.3 V インジウムガリウムヒ素 (InGaAs)
リン化インジウムガリウムヒ素 (InGaAsP)
赤外
λ > 760 VF < 1.63 V ガリウムヒ素 (GaAs)
アルミニウムガリウムヒ素 (AlGaAs)
シリコン(Si)基板のインジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs) – 開発中
610 < λ < 760 1.63 < VF < 2.03 V アルミニウムガリウムヒ素 (AlGaAs)
リン化ガリウムヒ素 (GaAsP)
リン化アルミニウムインジウムガリウム (AInGaP)
リン化ガリウム (GaP:ZnO)
590 < λ < 610 2.03 < VF <2.10 V リン化ガリウムヒ素 (GaAsP)
リン化アルミニウムガリウムインジウム (AInGaP)
ガリウムリン (GaP)
570 < λ < 590 2.10 < VF <2.18 V リン化ガリウムヒ素(GaAsP)
リン化アルミニウムインジウムガリウム (AInGaP)
リン化ガリウム (GaP)
500 < λ < 570 1.9 < VF <4.0 V 従来の緑色:
リン化ガリウム (GaP)
リン化アルミニウムインジウムガリウム (AInGaP)
リン化アルミニウムガリウム (AlGaP)
窒化インジウムガリウム (InGaN) / 窒化ガリウム (GaN)
純粋な緑色:
ガリウムリン (GaP:N)
450 < λ < 500 2.48 < VF<3.7 V セレン化亜鉛 (ZnSe)
窒化インジウムガリウム (InGaN)
シリコンカーバイド (SiC) 基板
シリコン (Si) 基板 – 開発中
400 < λ < 450 2.76 < VF <4.0 V 窒化インジウムガリウム (InGaN)
マルチタイプ 2.48 < VF <3.7 V 青色/赤色の2色LED,
赤色蛍光体と青色発光LEDまたは、
紫色樹脂と白色LED
紫外
λ < 400 3.1 < VF <4.4 V and more 窒化ガリウム (GaN) (365 nm)
ダイヤモンド (235 nm)
窒化ホウ素 (215 nm)
窒化アルミニウム (AlN) (210 nm)
窒化アルミニウムガリウム (AlGaN)
窒化アルミニウムガリウムインジウム (AlGaInN)(- 210 nm)
λ < 400 VF ~ 3.3 V 1つまたは2つの蛍光体層と青色LED:
赤、橙、または桃色の蛍光体が加えられた黄色
最上部に桃色色素や染料が塗られた白色蛍光体
2つの異なるLEDチップを1パッケージに内蔵
広域スペクトル VF = 3.5 V 黄色に発光する蛍光体と、青色 / 菫 / UV LED
どの波長がどのLED色/どの半導体材料に対応するのか

4.スペクトルバンド幅 (FWHM)、 Δλ0.5

FWHM :半値全幅

スペクトルバンド幅

代表的なLED のスぺクトルバンド幅 (FWHM)
通常ピーク波長の上昇と共に上昇します (Δλ0.5 はλPの約5%です)。

表:LEDのスペクトルバンド幅の代表的な値

波長[nm]
スペクトルバンド幅[nm]
340 9
365 9…10
400 18
430 14
450 17
505 29
525 27
574 13…27
590…595 14
615 14
660 22
740 27
810 28
830 27…40
850 29
870…880 42
1000 55
1200 65
1322 78
1400 80
1458 81
1548 97
1600 100

5.その他のスペクトル特性

5.1.基板が異なる場合、LEDの特性の違いは?

結晶格子整合、不整合、熱的性質(熱伝導率)、機械的安定性は基板に関係します。

一般的に青色発光 LED は、サファイア(Al2O3)基板やシリコンカーバイド(SiC)基板で作られています。
その他、GaN、 AlN、 ZnO、Siの基板もあります。
GaAs 、 InPは、多くのIR-LED で使用されている基板です。

5.2.“グリーンギャップ(Green gap)”

535 … 570 nm の波長範囲では、 LEDの高出力化は難しいとされていますが、InGaN/GaN から作られる新世代の緑色LEDは、GaP やAlInGaPなどの非窒化材料系で作られており、従来の緑色LEDよりもはるかに効率が良く、明るくなっています。

5.3.放射波長純度

AlInGaP/GaAs、 AlGaAs/GaAs 基板のLEDでは、GaAs基板から生ずる第2の波長ピークがあります。高いスペクトル純度が必要な場合は、別の基板を使わなければなりません。

6. エネルギーパラメータ

6.1.放射パワー、放射束 (Φe 、単位 mW)

LEDによって放射される光出力です。単位はmWとなります。

6.2.放射強度 (Ie、単位 mW/sr)

ある一定の角度内にLEDによって放射される光出力です。
単位は、mW/sr (ステラジアン: 1.10.1. 参照)となります。

6.3.指向半値角 (Φ0.5、単位 度)

放射図において、放射強度が最大強度の50%以上となる角度です。
次の例では、この角度は約35°です。

放射強度が最大強度の50%以上となる角度

6.4.出力測定

LED の出力は、光出力によって表されるのが標準的です。
LED の放射量は、順方向駆動電流(IF)に依存するため、順方向電流(IF)に対して示されます。
また、温度が上昇すると放射出力は減少するため、周囲温度を一定にする必要があります。温度係数は一般的に-0.9%/Kとなっています。
光出力の測定には、次の2つの方法が使われています。

 6.4.1. 全出力 (PO)

全出力は、方向に依らずLEDから放射された全出力を収集して測定される値です。
通常この測定は、順方向に放射されるすべての光を収集するために積分球を使います。
または、非常に大きな面積の検出器を直接LEDの正面に置いて行われます。
全出力は W、mWの単位で測定されます。
全出力の測定では、LEDのパッケージによって生み出されるビームパターンの影響を無視しています。そのため、LEDの正面のある距離に置いた物体に当たる光がどれくらいかを予測できません。しかしながら、全出力の測定は繰返しが可能で、LEDを比較する上で非常に役に立ちます

 6.4.2. 軸上の光出力 (PA)

これはLEDの軸上輝度を表します。
LEDの放射パターンは、LEDからの距離に左右されるため(近視野と遠視野放射パターン)、このパラメータの厳密な測定には、LEDから検出器までの距離と、検出器を特定する必要があります。
放射照度 (Ee) は、直径(D)の表面上に入射する平方センチメートルあたりの平均出力密度のことを言います(mW/cm²)。 放射照度は、近視野のLEDビームパターンを測定するのに利用されています。LEDから距離“d”離れた直径“D”の開口を通る出力の測定は、多くの場面で応用されています。

LEDの軸上出力は、単位立体角あたりの平均出力である放射強度(Ie)として表され、その単位は、(mW/sr)となります。

任意の距離にある放射照度を計算するには、次の式が適用されます。

Ee = Ie/d2 (mW/cm²),

Ie = 放射強度 (mW/sr)
d = 距離 (cm)

Ee = 放射照度 (mW/cm²)

例えば、放射強度150 mW/srの LED は、距離5mでは放射照度は0.6 μW/cm²となります。
LEDと検出器の距離がLEDパッケージの直径の少なくとも10倍になっている場合は、上記の式にしたがって LED を点光源として取り扱うことができます。より短い距離に対しては、Eeを実際に測定する必要があります。

6.5.光変調特性

 6.5.1. LEDのスイッチング時間 (立ち上がり時間と立ち下がり時間) (PO)

LED は比較的応答速度の速い光源です。
立ち上がりと立ち下り時間は、半導体材料や構造、寸法、電気的容量によってナノ秒からマイクロ秒まで異なります。
応答速度Ιe は、10% から90% までを立ち上がり時間、90% から 10% までを立ち下がり時間として定義されます。

 6.5.2. カットオフ周波数

カットオフ周波数(遮断周波数)とは、LED の出力が半分または 3 dB にまで低下する周波数のことを言います。 LED のカットオフ周波数は通常 10 MHzです。

LEDの応答速度は、順方向バイアスをかけることで上げることができます。
特別なLED駆動回路が必要になります。

7.測光単位 (可視スペクトル)

7.1.光束 (Φv)  単位 ルーメン (記号 lm)

光束は、光源によって放射される可視光領域における光量のことを言い、単位はルーメン、記号lmで表されます。光束は、異なる波長に対する人の目のスペクトル感度が考慮されています。

7.2. 照度 (E) 単位 lm/m² または lux

照度の単位は luxで、1 lux は平方メートル当たり 1ルーメンとなります。

7.3. 光度 (Iv)  単位 カンデラ (記号: cd)

光度は、立体角Ω (単位 ステラジアン) 内の特定の方向に光源から放射された可視光(Φv  単位 lm) のことを言います。

Iv = Φv / Ω (1cd = 1 lm/sr)

7.4.色、色度座標

すべての色は2次元空間、CIE x, y 色座標 (Wikipediaからの図)で記述することができます。

色の2次元空間、CIE x, y 色座標
参照:Wikipedia

図: CIE 1931 x y 色空間は、様々な温度の黒体光源の色度と、相関色温度を示す。

7.5.色純度

色純度とは、色の飽和度を示します(白色から完全飽和色まで)。単色光の場合は色純度は1となります。

7.6.白色LEDではなぜ主波長ではなく色座標を使うのか?

LEDの白色光は、青色発光ダイオード(波長 450 nm ~ 470 nm)と、青色光によって励起される黄色の蛍光材料によって得られます。人の目は青色と黄色で混合された光を白色光として検知します。
この混合は単純な主波長によって記述できないため(下の図に示すように、スペクトル中に2つのピークがあります)、色座標を使う必要があります。
これらのxとy座標の値は色度座標(CIE)を使って計算されます。

白色LEDのスペクトル特性

図: 白色LEDのスペクトル特性

7.7. 相関色温度 (CCT)

相関色温度は、光源と最も近似している黒体放射の色温度のことをいい、絶対温度 (単位 ケルビン、 K) で表されます。

光源の相関色温度 (CCT) は、LEDの全体的な色の特性を示しますが、その特定の分光分布に関する情報は示されません。そのため、2つの様々な種類のLEDは同じ色に見えるかもしれませんが、物体の色に対する効果は異なる可能性があります。

7.8. 演色評価数 (CRI)

演色評価数は、理想的な光源(黒体)と比較し物体の色を忠実に表す能力を定量的に表しています。演色評価数の高い光源は、色が重要である写真や医療用の照明などに使用されています(Wikipedia)。

優れた蛍光体が使われている CRIの高いLED は、色温度が2700~4000 K で、CRIは92を上回ります。一般的な照明には、CRI 85 程度が使われています。

8.光学パラメータの依存性

8.1.ピーク波長の温度依存性

ピーク波長は温度に依存し変化します。温度上昇により長波長側に変化し、この依存性はほぼ直線性です。

8.2. ピーク波長の順方向電流依存性

ピーク波長λp は電流に対してもわずかに依存性があります。

ピーク波長対電流

8.3. 色座標の温度依存性

この依存性は全体的には小さいですが、緑色 LED においては依存性が大きくなる可能性があります。そのため、順方向電流、および温度を安定に制御しておく必要があります。

8.4.出力、光束、光度の温度係数

LEDの出力は温度上昇と共に減少します。また、LED出力は使用される材料にも依存し、 温度依存性は直線で近似することができます。

8.5.発光効率と駆動電流

発光効率は通常、電流の増加と共に下がります。

LEDの出力は順方向電流の増加と共に上昇します。順方向電流はLED内部で熱を発生させて、接合温度の上昇を引き起こします。接合温度の上昇につれて、効率は下がります(温度上昇は放射再結合率の減少を招きます)。 そのため順方向電流と出力の関係は飽和する傾向になりますが、LEDのタイプによってこの関係性は異なります。

発光効率と駆動電流の図

図. エネルギー変換効率と順方向電流との関係, Nikkiso 285 nm SMD 3535 UV LED.

9.ビニングパラメータ

発光効率は通常、電流の増加と共に下がります。
パラメータの広がりを小さくするために、一定のパラメータに入るLEDを(チップまたは部品レベルで)選択します。例えば、

- ピーク波長、主波長、または色座標

- 光出力、放射強度、等

例 ( 出典: EPIGAP-Optronic GmbH):

ビニングパラメータ

10. LEDの空間特性

10.1.立体角Ω,単位 ステラジアン(sr)

発光効率は通常、電流の増加と共に下がります。

立体角は、3次元空間内の角度のことを言い、SI単位ステラジアン(記号: sr)で表されます。
ステラジアンは、半径rの球の中心に対する立体角として、その面積、A、がr² に等しい球面の部分によって定義されます。

ステラジアンの説明

10.2.LEDの遠視野放射パターン

LED は点光源ではありません。しかしながら、 距離が長く離れた場合(d/D > 10) 、LEDは点光源として考えることができます。この場合は(放射分布が非一様である近視野とは対照的に) 遠視野と呼ばれます。遠視野範囲では放射は距離の2乗で減少します。

10.3.指向角

指向角(半値角)φ0.5 または θ0.5 は、放射強度が最大強度の半分以上となる角度のことを言います。半強度角の代表的な値は±3° ~ ±60° あるいはそれ以上です。

指向角

±60 (120) 度 LED。
多くのチップLED、SMD型LEDは、ランバーシアン分布が一般的です。

10.4.全角

全放射または全光束の 90% を含む角度のことを示します。

10.5. LEDの代表的な配光特性とは?

光学系がなく、集光しないLEDチップの状態では、一般的にランバーシアン配光特性、すなわち、φ0.5=120° (±60°)の特性を持っています。 レンズや反射部品を使うことで狭角にすることができます。標準のφ5 mmの エポキシパッケージのLEDでは、最小角度は約 6° (±3°)で、 一般向けの標準品では、15°、 20°、 30°、 50°、 70°、 90°となります。
エポキシ樹脂レンズ、ガラス球レンズ、フラットウィンドウ付きのステムタイプ( 2 ピンまたは 3ピン LED (TO-18, TO-46, TO-39) 金属-ガラス 金メッキパッケージ)では、様々な放射角の製品があります。

10.6.偏向角

偏向角は、機械的軸と光学的軸の間の角度を指します。

 10.6.1.偏向の必要性は?

いくつかのケースでは、偏向を持ったLEDのパッケージ設計がされることがあります。

偏向の必要性

偏向のないSMD LED 1206と偏向のあるSMD LED 1206
チップは中心または非中心の位置にあります。

光学的軸と機械的軸が異なる場合の3 mm可視光LEDの放射パターンの図
偏向角45度の配光特性.

 10.6.2.偏向が好ましくないのは?

通常LEDの機械的軸と光学的軸は同じですが、アライメントの不良であったり、その他の要因によって相違が生じる可能性があります。
これは特に狭角のLEDや、寸法の小さいLEDで現れることがあります。

これは光学的軸と機械的軸が異なる場合の3 mm可視光LEDの放射パターン

図: これは光学的軸と機械的軸が異なる場合の3 mm可視光LEDの放射パターンです。

11.EPIGAP社が提供する特殊サイズのLEDチップとは?

11.1.点光源 LED チップ

点光源LEDチップは、円形の均一な放射特性を持つ LED チップです。
他のLED と同様に、レーザーダイオードで示されるようなスペックルは示しません。
EPIGAPの点光源LEDチップは、カスタマイズも対応可能です。
また、ほとんど電力を消費したいため、バッテリー駆動の機器への使用にも理想的な光源です。
スポット径は、25 ~ 200 µm 、波長範囲は、630~850nm, 形状は、ベアチップ、TO-CANパッケージ、CoB などがあります。

アプリケーション:
光走査/ 光センサ
光スイッチ
リニアおよび回転エンコーダ
エッジセンシング
マシンビジョン / CCD
例えば、血液分析用の医療装置
蛍光顕微鏡
光学機器
照準器の小型点光源
光バリア用の集束ビーム
VCSEL 半導体レーザーの代替品(無斑点パターン)

11.2.矩形のLED チップ

アプリケーションによって、正方形のLEDチップの形状が好まれる場合があります。
EPIGAPは、LED1つの寸法が最小で約300µm、長さと幅の比が最大1:3の矩形チップをご提供します。

11.3.チップクラスター

チップクラスターは、ウエハで分割(切断)されていない半導体チップのことをいいます。

チップクラスタ ―(通常 2 x 2) は、Epigapから利用可能です。

11.4.ディスプレイ

LED ディスプレイチップは。光学機器で数字、文字、記号を表現できます。
各セグメントは、個々に構成可能です。EPIGAPのGaAsP基板の赤色 (630 nm) チップは、低電流で視認性がよいので、小型光学機器の電池の長寿命化につながります。

12. LEDの調光

LED は、電流調整、または パルス幅変調のいずれかで調光できますが、チップの温度、放射スペクトル、および色座標に影響を与えるため、詳細はお問い合わせください。

13.光出力の劣化

通常の動作では、LEDの光量は動作時間と共に次第に減衰していきます。減衰率はチップ温度と電流密度に依存します。室温で小さい順方向電流での駆動の場合は、高温で大きい順方向電流での駆動の場合よりも減衰は遅くなります。データシートに一般的な減衰特性を示します。

光出力の減衰は、LEDチップ上の、機械的、熱的、電気的ストレスに起因します。
ストレスは、結晶構造の平面に沿って伝搬するためにチップ内に欠陥が引き起こされます。
結晶構造内のこれらの欠陥は、暗線欠陥と呼び、非放射再結合の割合を増加させます。
LEDを用いる設計をする場合は、経時劣化を考慮して、適切なマージンを設ける必要があります。経時劣化を考慮することは、予想される寿命時間にわたり、その機能を果たすことの支えとなります。

高温高湿の 定常状態動作寿命 60°C, RH=90%, IF =20 mA 500 時間 0/100
低温の定常状態動作寿命 Ta=-30°C, IF=20mA 1000 時間 0/100

13.1.損傷を判断する基準は?

壊滅的な損傷を除いて、損傷を判断する基準があります。

テスト項目
記号
測定条件
判断基準
最小
最大
順方向電圧 VF IF=20 mA - U.S.L.* x 1.1
逆方向電流 IR VR=5 V U.S.L.* x 2
光度 RV IF=20 mA L.S.L.** x 0.7
光出力 Φe IF=20 mA L.S.L.** x 0.5

*U.S.L. - 上位基準値, **L.S.L. – 下位基準値


13.2.劣化の速度は、LEDの順方向電流にどう依存するのか?

劣化の速度はLEDの順方向電流に大きく左右されます。電流が大きくなるほど、劣化が速まります。下のグラフは、この現象を表わしています。

劣化の速度とLEDの順方向電流の関係