Phos4のマルチチャネルLED光源は、複数の制御インターフェース(USB、UART、ロジック入力(TTL))に対応しており、容易にお使いのテストシステムへの組み込みが可能です。
「UARTやUSBインターフェースを使用して事前に定義した強度/波長を出力すること」や「ロジック入力を使用して低強度の光パルスでトリガーをかける」ことが可能ですし、温度の制御機能により低出力の光に関しても安定した出力が実現できます。
安定化光源 マルチチャンネルLEDモジュール用途例
フォトダイオード、サーモパイル等センサーの検査お客様での生産工程における10ナノワット光源の照射繰り返し試験の事例
お客様での課題
フォトダイオードやサーモパイルを使用して低出力の光を測定する事はバックグラウンド光や熱によるドリフトの影響を加味しなければならず、定出力で安定したパルス光源を設計する事は難しい問題でした。
Phos-4による解決策
この問題に対して、Phos-4で高い電流値と低い電流値を測り、2つの電流値の比率を利用する事でより正確に期待する光量を得ることができました。
具体的な測定例
Step1
LEDモジュールをファイバマウントに一番近づけた状態で、電流値を800mA(最大)に設定し、温度のずれが設定値に対して0.1℃以下になってから出力値を測ります。
今回は444μWとなりました。
図1 LEDモジュールをファイバコネクタに近づけた状態
Step2
電流値を2mA(最小)に変更し、温度のずれが設定値に対して0.1℃以下になってから出力値を測ります。
今回は1.55μWとなりました。
Step3
以下の式に則って次に設定する値を計算します。
【Step4で使用する出力値】= 希望の出力値×最大出力値/最小出力値
最終的に10nWを出力したい場合は、
10nW x 444µW/1.55µW = 2.86µW となります。
Step4
LEDモジュールの電流値を800mA(最大)に設定し、温度のずれが設定値に対して0.1℃になってから、Step3で求めた出力値(2.86µW)となるようにLEDモジュールをファイバコネクタから離します。(装置後部にあるZ軸調整ねじを使うと簡単に変更する事が出来ます。)
図2 目的の出力になるようにLEDモジュールを離した状態
Step5
LEDモジュールの位置を調整した後、LEDを一度OFFにし、電流値を2mAにして温度が設定値に対して0.1℃になってから出力値を確認すると最終的に必要な値となります。
関連製品情報
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- フォトダイオード、サーモパイル等センサーの検査