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マシンビジョンで使用するカメラの選び方

今回はマシンビジョン用途のカメラについて、その役割や選び方をご紹介致します。

マシンビジョンとカメラの関係

産業用カメラの大きな用途として「マシンビジョン」があります。
マシンビジョンはファクトリーオートメーション(FA:Factory Automation)と親和性の高いワードですが、これはマシンビジョンカメラの多くが工場のラインに組み込み「人間の視覚が行っていたタスク」を担うためです。

ファクトリーオートメーションは工場等における「生産工程の自動化」を指します。
自動化の過程では人間が処理していたタスクを機械に代替させるために、人間の能力を機械に肩代わりさせます。
例えば、人間の腕の代わりにロボットアームを用いる場合がこれに該当します。

他方、マシンビジョンカメラは「人間の視覚」を代替します。
製造現場においては目視検査のような、人間の「目」が行なってきたタスクの自動化に貢献します。

勿論マシンビジョンはファクトリーオートメーションと関わる用途に限定されません。ロボットの視覚として機能したり、プロセス制御に用いられたりする等、幅広く用いられています。

どのような用途であっても、マシンビジョンカメラは機器の視覚機能を担う点は変わらないでしょう。
タスクの自動化に貢献する場合も、ロボットの動作における判断材料となる情報を提供する場合も、マシンビジョンカメラは「機械の目」として動作しています。

つまり「機械の目」に求められる要素を整理することで、求めるカメラが見えてきます。

人間の目と同等レベルでいいのか、それともモノクロの画像が取得できれば十分なのか。
人間の目には見れない微細な違いを判別する必要がある場合は、人間の視覚機能を拡張するような特殊なカメラが要求されるでしょう。

このように、機械の目にどの程度の能力を求めるのかがマシンビジョンカメラを選定する大きなポイントです。

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選定時に見るべきポイント

「機械の目にどの程度の能力を求めるのか」がマシンビジョンカメラを選定する大きなポイントですが「カメラに何が可能で、何が不可能か」これを見極める上で「スペック」は重要な情報です。

例えば「鮮明な画像を撮影できるカメラ」を探している時は、カメラスペックの中で「画質」を見る必要があります。画質が細かければ細かいほど、鮮明な画像を撮影できます。よってスペックが記載された「仕様表」を見ながら、必要な画質を兼ね備えたカメラを選ぶと良い訳です。

このようにスペックについて知識を持つと、マシンビジョンカメラの選定がグッとやりやすくなるでしょう。

選定基準となる「スペック」一覧

  • イメージセンサー(撮像素子)
  • フレームレート
  • 取込み速度
  • インターフェイス(接続形式)
  • 波長域
  • 撮像方式
  • サイズ
  • シャッター方式
  • 環境対応、ハウジング

今回はこれらスペックを軸に、そのスペックがあることでどのようなシーン、用途で活用できるかについても併せて解説していきます。

イメージセンサー(撮像素子)

人間の目は「光」を集める器官ですので、機械の目であるマシンビジョンカメラもまた「光」を集めて像を作ります。

人間の目が光を感知すると、その情報は網膜によって電気信号に変換され、視神経を通して脳へと送られます。
カメラの場合、イメージセンサーが網膜の代わりとなって光情報を受け取り、電気信号に変換します。
イメージセンサーは撮像素子とも言われますが、中でも主流な物が次の2つです。

  • CCDセンサー
  • CMOSセンサー

どちらも光の色と強度を捉え、電気信号に変換するという点は共通していますが、原理として「電荷の処理方法」と「構造」が異なっています。
この処理方法と構造の違いが、性能の違いとして現れます。

CMOSセンサーはCCDセンサーに比べ、後に登場したセンサーです。そのため以前は「電気への変換効率の悪さ」や「画像にノイズが出やすい」等技術的な課題がありましたが、これらは技術の進歩とともに解消されました。

これまで産業用カメラはCCDセンサーが主流でしたが、ソニー社が2017年にCCDセンサーの製造を停止したこともあり、産業用途のカメラでもCMOSセンサーが主流になっています。

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波長域

産業用カメラでは一般のカメラと異なり、モノクロが重宝される場合もあります。
モノクロカメラの利点としては、情報量が少ないため保管容量が小さく済むこと、そもそもカラー情報が不要なケースもあります。

また、特定の用途では紫外線や赤外線等、目に見えない光で撮影するカメラを用いることがあります。

波長域

カメラは「人間の視覚」を代替する機器ですが、人間の目に見える波長は「可視光」の領域の波長だけです。

つまり人間の目には「可視光域」の波長しか捉えられませんが、特殊なカメラは赤外線や紫外線を撮影することができます。謂わば、人間の持つ視覚能力の拡張です。

マシンビジョンカメラの場合、この「人間の目では捉えられない情報を取得できるカメラ」が大変役立ちます。

こうしたカメラが具体的にどのような場面で活用されているか、弊社製品を例に挙げて解説いたします。

シーン異物検査

「人間の目には捉えられない波長を撮影できる」ということは、人間の目では判別できない微細な色、材質の違いも見分けられます。

例えば、波長情報の分析によって「コーヒーフロート内にプラスチック片が混じっている」という場合でも生クリームとプラスチックの判別が可能です。

左のグラフは、生クリームとプラスチック片の「波長」を表しているのですが、灰色のラインと赤のラインはそれぞれ違う曲線を描いています。このようにハイパースペクトルカメラはそれぞれの物体が放つ「波長」を捉えられるため、物体ごとの波長の違いから異物を判別する用途で使われます。

具体的な導入事例についてはこちらの記事で解説しておりますのでご参考ください。

異物検査

左のグラフは、生クリームとプラスチック片の「波長」を表しているのですが、灰色のラインと赤のラインはそれぞれ違う曲線を描いています。このようにハイパースペクトルカメラはそれぞれの物体が放つ「波長」を捉えられるため、物体ごとの波長の違いから異物を判別する用途で使われます。

具体的な導入事例についてはこちらの記事で解説しておりますのでご参考ください。

人間の目には捉えられない波長を捉えることのできるハイパースペクトルカメラは、異物検査を始め幅広い領域で活躍しています。

シーン色検査

「塗装のムラを見分ける」というような「色」の品質管理が求められるケースでは、マシンビジョンカメラによる色の識別・照合が不可欠です。

私たちの網膜が光を捉えて世界を認識しているように、「色」もまた光によってもたらされる情報です。
そのため厳密なカラーマッチングを行いたい場合は、より多く光の情報を取得できるカメラ=より多くの波長を撮影できるカメラがあると色ムラの検出が容易に出来るため、品質の向上に役立つでしょう。

ハイパースペクトルカメラは、数百を超える波長を撮影できます。「光の情報を多く撮影できる=厳密な色の違いを見分けられる」ため、色検査においても有効です。

ハイパースペクトルカメラPika

ハイパースペクトルカメラPika

ラインにおける異物検査のシーンでは、ハイパースペクトルをご活用いただけます。

  • 世界・日本国内での導入実績多数
  • 小型・軽量・低価格
  • 研究用途にも応えられる高性能分光カメラ
製品情報はこちら
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撮像方式

カメラには大きく分けて2種類の撮像方式があります。
普段私たちが使うスマートフォンのカメラ等は、エリアスキャン(スナップショット)カメラです。センサーでワンショットで撮影します。
それに対して、横に並んだセンサーを走査させて用いる、ラインスキャンカメラがあります。

たとえば工場のライン等、流れるように動くモノを固定カメラで撮影する用途や、逆に研究室等で撮影対象が固定化された環境でカメラ側を動かす場合等では、ラインスキャンカメラが選ばれることがあります。

スナップショット方式

スナップショット方式

ラインスキャン方式

ラインスキャン方式

ここからはスナップショットカメラがマシンビジョンで活用されているシーンについてお話しいたします。

シーンインラインでの使用

「スナップショット」は一瞬で特定の範囲を撮影できることから「高速なラインにも対応できる」点が強みです。

マルチスペクトルカメラ msCAM

マルチスペクトルカメラ msCAM

表面検査による傷、汚れ、シミ等の検出〜食品の品質管理まで幅広いシーンに対応可能。

  • 高性能CMOSセンサー搭載
  • 波長漏れなく一度に撮影可能
  • USB3 Vision対応
製品情報はこちら

サイズ

マシンビジョンでは、人が入れないような場所の目になるシーンもあります。
例えば生産ラインの装置内で使いたいときや、ガスが充満する筐体内での使用を想定した場合、小型サイズが要求されます。

シーンFAロボットの目

製造現場における生産ラインの自動化、ファクトリーオートメーションと関わるロボットが光情報を元に動作する場合は、ロボットの目となるカメラが必要です。
ロボットはカメラを「目」として得た光情報によって、奥行等の位置情報や、対象の形や色を判別します。

他方ロボットそれ自体の大きさはロボットを使用する目的や用途によって決定されます。
そうした「全体の大きさ」に制約のあるロボットへ組み込む場合、当然ですがカメラはロボットよりも小さいことが条件です。

またロボットそれ自体の大きさに限らず、カメラの設置場所によってはサイズが限定される場合もあるでしょう。

このように組み込まれる「サイズ」に制約がある場合には、小型カメラが適応します。

超小型カメラモジュール(スマートシリーズ)マイクロオプティクス

超小型カメラモジュール(スマートシリーズ)マイクロオプティクス

サイズ重視の製品から、マシンビジョン・ロボット等に用いられる産業・工業用のフルHD画質カメラモジュールまでご用意。

  • 最小サイズ直径2.75mm
  • サイズ/画質 幅広いラインナップ
製品情報はこちら
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シャッター方式

シャッターは次の2つに分けられます。

  • グローバルシャッター
  • ローリングシャッター

カメラは撮影する像をシャッターで切り取ることで、その瞬間を捉えます。
グローバルシャッターはこのシャッターが瞼(まぶた)のように閉まるタイプで、高性能ですが高価です。
一方ローリングシャッターはシャッター部が回転するタイプで、比較的安価に製造できる機構です。
ただし、撮影対象が動く物(特に回転するもの)であった場合、像が歪み不思議な絵になって現れるケースがあります。
そのため、撮影対象の特性を鑑みて選定しましょう。

環境対応、ハウジング

防爆、防湿、防水等、用途により、カメラを収めるハウジングに求められる仕様が異なります。

また「防塵・防水」カメラが要求される場合「IPコード」が参考になります。
IPコードとは、平たくいうと機器の防塵・防水耐性を示した規格のことです。

IPコードとは、電子機器の保護等級(すなわち防塵・防水性能)示す数値および表示体系のことである。スマートフォンやウェアラブルデバイスといったモバイル端末の耐久性の水準を示す値として参照されることが多い。

IT用語辞典バイナリ 「IPコード」より引用(最終閲覧日:2020/2/28)

シーンモニタリング

モニタリング用途でマシンビジョンカメラを用いる場合、継続的に撮影し続ける必要があります。
この場合カメラは固定されているため、環境との適合性が重要になります。

湿度の高い環境のモニタリングを行うケースでは、水分によるカメラの腐食を防ぐため、水分それ自体をシャットアウトする防水筐体が要求されます。

シーン災害現場で活躍するロボットの目

活発に研究開発が進められているレスキューロボット(Rescue Robot)は、屋外、それも瓦礫の中等、特殊な環境での活用が求められます。
そのためロボットに設置するカメラも防水・防塵対応が成された筐体が必要です。

ハイパースペクトルカメラ ULTRIS 20

ハイパースペクトルカメラ ULTRIS 20

高解像度な動画を撮影できるハイパースペクトルカメラ。数百バンドをスムーズに撮影。

  • IP規格に準拠した堅牢性の高いハウジング
  • 最軽量350gの筐体
  • 高解像度の動画撮影が可能
製品情報はこちら

インターフェイス(接続形式)

産業用カメラのインターフェイスで現在主流なものとして、

  • GigE Vision
  • USB(3.0、2.0)
  • CameraLink

等があります。
USBに関しては、バージョンが3.0になり高速通信が可能になりました。

使用したいシステムのインターフェイスと適合するかチェックすると良いでしょう。
ただし、カメラによってはカスタマイズで対応できる場合もあります。

終わりに

今回はマシンビジョンカメラと関わる情報をご紹介させて頂きました。

弊社(ケイエルブイ株式会社)は、平素より、世界中の光学機器を取り扱う「光の専門商社」として、光学システムの設計・開発・施策・量産までを一括でサポートしております。

klv

かつてハイパースペクトルカメラの注目度が低かった頃から、同製品を取り扱っていたこともあり、マシンビジョンカメラに関しては多くの知見がございます。

  • 工場のラインにカメラを導入したい
  • ロボットの視覚機能を担うカメラを探している

このような、ご相談も承っております。
マシンビジョンカメラの選定に迷った場合は、弊社にご相談ください。

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