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IoTと遠赤外線センサーの新しい関係

2019.05.15 | IoT, 遠赤外線センサー

IoT(Internet of Things)により、センサーと通信機能を備えたモノがインターネットを通じてやりとりがされる時代になりました。
IoTの認識の高まりとともに、センサーの需要も伸びてきています。

そうした中、今回はIoTという文脈において、あまり語られることのなかった「赤外線センサー」に焦点を当ててみました。
赤外線を測定できるセンサーは数多くありますが、これとIoTを掛け合わせることによって、新しい付加価値を生み出す、そうした可能性について考えていきましょう。

日常で使われる遠赤外線センサー

例えば、赤外線は私たちの日常の中で、次のような方法で用いられています。


  • 人感センサーによる「心地よさ」の実現
  • セキュリティ対策

例えば、エアコンについている「人感センサー」には遠赤外線センサーが使われています。
遠赤外線センサーが人から発せられる遠赤外線を探知し、体温や位置を計測しています。

「遠赤外線が人から発せられる」という表現に違和感を持ったかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、すべての物質は、絶対温度0℃(-273℃)の場合を除き、遠赤外線を放射するという性質があります。人も例外ではありません。

サーモグラフィーを思い浮かべていただけるとわかりやすいでしょう。

あれは、物体が遠赤外線を発しているため、あのような画面になります。
サーモグラフィーでは温度によって色合いに差がありますが、温度に応じて放出される遠赤外線が異なるからです。

そのため、遠赤外線センサーが人の発する遠赤外線を感知することで、人の位置を特定することができます。

赤外線センサーによる、セキュリティ対策もこれと同じ原理です。
赤外線センサーが人体から放出される遠赤外線を捉え、周囲との温度差によって、侵入者を判定します。

IoTへの応用は?

遠赤外線センサーをIoTへと応用すると、例えば次のような技術が叶えられます。

設置された家庭・職場にとって最適な動きをするエアコン

いや、既に実現しているのではないか?
上述の通り、既に多くのメーカーが人感センサーを搭載したエアコンを用いて人々に「快適さ」を省エネルギーで提供しています。

とはいえ、個々人の体温まで見てくれるエアコンはまだ実現していないでしょう。
例えば、子どもが熱を出しているとき、両親のスマートフォンに連絡を入れる、というような機能があったらどうでしょう?

これは「子どもの日々の体温を観測しデータを蓄積、そしていつもより熱が高い場合にアラートを出して知らせる」というプロセスがあってこそ成り立つものです。

また現代では「冷房病」という言葉もあります。
家の外と室内の温度差が激しい場合など、自律神経のバランスが崩れて、様々な症状を引き起こすと言われています。
体温のモニタリングによって、こうした症状を防ぐように送風を工夫するような、エアコンがあると助かりますね。

ここまでくると、もはや「健康管理を助けるエアコン」という方が適切かもしれません。

遠赤外線センサーとIoTの掛け合わせによって、様々な技術が生まれることが予想されます。

とはいえ、本当にこんなことが実現できるのでしょうか?
実際、遠赤外線センサーを組み込んだエアコンもありますが、人の健康を管理するような域には達していないでしょう。

大切なのは、遠赤外線センサーによって獲得したデータを活用することです。

センサーデータの活用、それはIoT化でしか実現できないことです。

なぜ今IoTなのか?

これまで「製造・販売メーカーは商品を流通網に流す、そして顧客はこれを購入する」というやり方が取られてきました。
しかし、こうした「売り切り」のサービスには限界がきていると言われています。

これからはメーカー側が顧客に寄り添って、どのような趣味・嗜好やニーズがあるのかを知る必要があります。

さて、ここで一つ問題が持ち上がります。
個々人の趣味・趣向・ニーズといった顧客に踏み込んだ情報を、どうやって知るのか。

それを集めるのがセンサーなのです。
例えば、上述の通り、人の体温を知りたい場合は遠赤外線センサーが有効です。

そして、センサーが集めた情報をデータベースに蓄積します。
最終的に、IoTデータによって得た顧客のニーズを反映した製品を開発・販売が実現すれば、IoTやデータが価値を生み出すと言えるでしょう。

IoTはセンサーデータを活用する仕組みです。
顧客のニーズを掴むためにはデータの分析が不可欠です。そのためデータを専門に扱う職業も発展しています。

欧米では職種として「データサイエンティスト」が確立しています。
日本でもデータを専門に扱う部署を設立したり、COD(最高デジタル責任者)の役職を設置するなどの取り組みが始まっています。
また滋賀大学を始め、「データサイエンス」を取り扱う学部・学科も次々と新設されています。

このように、世の潮流がIoT化へと進展していく中、データの収集にはセンサーが欠かせません。

遠赤外分光センサーで新しい価値を!

まとめ


  • 遠赤外線センサーは「温度」と関わる分野で用いられている。
  • IoTはデータを活用することで付加価値を生み出す。
  • 遠赤外線センサー×IoT=新しい価値・サービス

遠赤外線センサーとIoTを掛け合わせ、データを最大限活用することで、今までにないサービスが生み出されるなど、可能性は広がります。

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